カテゴリ:本
信長ファンとしては最終章のページはなかなか開き辛いものがある。しかし、本能寺抜きにしては信長は語れないときつく言い聞かせ、意を決して一気に読み通しました。
どうしてあのように猜疑心のかたまりのよな信長が、わずか200人あまりの手勢で本能寺に宿泊したのか?かねてからの疑問でした。 すでに畿内は掌握し、宿敵武田を滅ぼし遠からず天下を掌中にすることは確実との油断か?最後のドミノは慎重が上にも慎重に置かなければならないはずなのに。 ひとつは本能寺。どうしてそんな守りの薄い脆弱な寺に宿泊しなければならなかったのか? 本能寺というからには、だれも本能寺が寺であることに疑問を持たないでしょう。ところが信長は本能寺の本殿に泊まっていたのではなく、隣接する敷地内に京都在住のときの政務に使う今でいう官舎のような建物を造り、この中の宿舎に寝泊りしていたというのです。 現代の首相官邸と公邸を一緒くたにしたような建物といえば分かり易いかもしれませんね。(安倍首相は公邸には泊まらず、私邸から官邸へ通勤されているようですけど。・・・笑!) そうであるなら当然その建物には、万が一のために信長を逃がすための仕組みが作られていただろうと想像されます。だから、信長の遺骸が見つからなかったのだと。 さて、本能寺にはどのような仕掛けがあったのだろうか? 次に本能寺に宿泊したことは納得できたとして、どうして光秀がその日信長がわずかな手勢で本能寺に宿泊していることを知りえたのか?知りえたとしても、なぜ信長を討たなければならなかったのか? 「光秀○○説」などと本能寺の謎にせまる諸説数多ある中で、本著はあくまで時代小説。本能寺の謎に迫るだけでなく、信長と前の関白近衛前久、信長と光秀、光秀と前久、そして前久と秀吉。さらには信長と時の東宮婦人・勧修寺晴子(かんしゅうじはれこ)、多彩な登場人物の人間関係を史実にそって見事に描いた大作といえましょう。ぜひご一読を。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年04月27日 12時51分08秒
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