カテゴリ:遊遊漢字学が楽しみ♪
毎週日曜日のお楽しみ、漢字学者阿辻哲次氏の日経連載「遊遊漢字学」。 衆議院が解散され、今日はその投票日。国民の関心はこの国の政権を担うのはいづれの党になるか注目を集めるところです。阿辻先生もそれを意識されてか、このところ政治に関する言葉を連続して取り上げておられます。 まず「選挙」。選挙とは古代中国(科挙の制度が定められた隋の時代より前)の官吏登用制度を指す「郷挙里選(きょうきょりせん)」に由来していると。 次に「党」について学びました。よもや「党」が煙突のススに関係していたとは、安倍首相も小池東京都知事もご存知ないのではないか? さて今週阿辻先生が取り上げた漢字は「与」と「野」でした。いうまでもなく「与党」と「野党」がしのぎを削るのが選挙。 「与」は「與」の略字体で、「与」を載せた輿(こし)を四方から手で担ぎ上げている様子を表すのだとか。このようにものを運ぶのに何人かが協力して仕事に参加することから、「参加する、いっしょに働く」という意味を持つようになったと。 一方「野」は、「里」と「予」からなる文字。「予」は音を表し、意味をなす「里」は、さらに「田」と「土」に分解すればおのずと理解できると。 「土」とは大地に神を祭るために作られた盛り土をかたどった象形文字。大切な神を祭る盛り土をし、「土」を示す社(やしろ)を作った。その社の周囲にある田んぼが、すなわち「野」。 土地の神をまつる社は人の住む村から遠く離れたところにあったから、「野」には遠いところという意味ができ、ゆえに「中心に位置していない」という意味の「在野」という言葉もできたのだと。 その野党について今回阿辻先生は、野党の中にも与党とそれほど変わらぬ政策を訴える党があるようで、そんな党のことを「野(や)」と「与(よ)」の間の「ゆ党」とも呼ばれているようだと指摘されています。 「ゆ党」とはどんな漢字を書くのか、ぬるま湯に浸かっている「湯党」であってほしくないものだとも。 「遊遊漢字学」が連載されてより、すっかり阿辻ファンとなってしまった私です。阿辻先生、ここはぬるま湯の「湯党」より、ゆらゆら揺れる「揺党」というのはいかがでしょう? もっとも恥も外聞もかなぐり捨てて、なにがなんでも当選したいという一念だけは揺るぎないようではありますが・・・。(涙! にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月24日 10時15分13秒
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