カテゴリ:遊遊漢字学が楽しみ♪
毎週日曜日のお楽しみ、漢字学者阿辻哲次氏の日経連載「遊遊漢字学」。今回阿辻先生が取り上げた漢字は、「齲歯笑」。 「齲歯笑」とは見慣れない言葉ですね。3文字の漢字からなるこの言葉、「歯」と「笑」はわかりますが、「齲」がわからない。というか見たことも聞いたこともない。もちろん書いたためしもない。 「齲歯(うし)」とは何ぞやというと、これが「虫歯」のことを指す医療用語なのだそうです。何だ、虫歯か、そんな難しい読み書きをさせるなんて、虫歯が痛み出しそうです。(笑! ですから「齲歯笑」とは、虫歯が痛んで憂鬱な時のような感じで笑うことを指すのだとか。 今回阿辻先生は、「齲歯笑」に関係するこんな中国の故事を紹介してくれています。話は中国後漢にまでさかのぼります。 後漢の大将軍(武官の最高位)についた梁 冀(りょう き)は、妹を皇帝の妃にして軍事力を背景に20年にわたって権力を欲しいままにしたという人物ですが、この梁 冀の妻・孫寿が生まれつきの美貌の持ち主であったということです。 その孫寿の様子を伝記は「善く妖態を為す」と伝えているとか。すなわち、「愁眉」を施し、「折腰歩」で歩き、「齲歯笑」で笑ったと。 眉を細く引き、腰を振って歩き(阿辻先生はこれをモンローウォークと表現しておられます・・・年齢が知れますな。笑!)、物憂げな笑いをたたえる妖艶な女性を想像してみてください。 ために首都洛陽の女性たちは、みな「愁眉」を施し、「折腰歩」で歩き、「齲歯笑」の表情を浮かべて男と向き合うようになったと。 「顰蹙(ひんしゅく)」の由来についても、胸を病んだ絶世の美女の表情がもとになっていると、以前この講座で学びましたね。 歴史の陰に女性ありと言いますが、漢字のいわれに女性あり。このように俄か漢字学者( ← 私のことです)は提唱したいのですが、阿辻先生いかがなものでしょうか? にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月24日 10時46分30秒
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