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カテゴリ:◆音楽指導者向けセミナー
プチ連載開始します!
個人のピアノ教室を運営されている、「練習してこない生徒率が高くてお悩みの先生」は、ぜひお読みください。 生徒が10人いると、そのうち2人は練習しない? ピアノ教室における「2:6:2」の法則とは? 第一回★どんなにフォローしても練習してこない生徒は、教室の「宝物」 いつも記事をお読みいただき、ありがとうございます。 横浜市でピアノ指導&コーチをしております、林美紀です。 先日の記事で「キラキラ生徒率を増やせば、先生と生徒の満足度が上がり、教室が活性化するというお話をしました→こちらの記事です キラキラ生徒とは、「その子なりにピアノとの楽しい関わりが持てている生徒」のこと。 以前、私の教室では、ピアノと楽しく関わっている生徒が全体の2割しかいませんでした。残りの8割は、「ピアノと楽しく関われていない生徒」だったんです。 これではいけないと、レッスンのやり方を見直し、「どうすれば生徒がピアノを大好きになって、なおかつ腕もあがるのか」試行錯誤を繰り返してきました。 現在は、キラキラ生徒率がなんと90%! 生徒の10人に9人がピアノとの楽しい関わりを続けています。 残りの10%は……ピアノを続けているとどんな子にも波があるので、いま、ちょっぴり停滞中の生徒です。でも、長い目で見れば、この10%の生徒たちも、ピアノとの良い関係を築くことができると信じています。 今回のプチ連載では、そんなお話も絡めて、ピアノ教室の生徒全体の中の「割合」について考察したことを書いてみたいと思います。 おそらく、3回くらいで終わると思います。 よろしくお付き合いくださいませm(__)m ★ピアノ教室における「2:6:2」の法則とは?★ 「2:6:2の法則」という言葉を聞いたことがありますか? 『集団を形成していると、10のうち2割がよく働き、2割は全く働かない。残りの6割はどっちにも動く。この中からよく働く2割だけ取り出して、新たな集団を作ったとしても、また同じ割合になる』 もともとはイタリアの経済学者が発見した「パレートの法則」。 興味のある方は、下記のリンク先を読んでください。 パレートの法則(ウィキペディア) この法則は、いろいろなシーンで応用されます。 たとえば、人間関係。 全員に好かれようと思うと、1人でも人間関係がうまくいかない人がいると大きくとらえて、落ち込んだり、腹を立てたりしがち。 ところが、先ほどの法則をもちいて、 『人付き合いをしていると、10人のうち2割には好かれ、2割には嫌われ、残りの6割はどっちにも動く』 こんなふうにとらえて「ああ、2割には嫌われて当たり前なんだ」と思うことで、人付き合いのストレスを軽減できそうです。 ピアノ教室にあてはめると…… 『10人生徒がいれば、2割はよく練習してくる、2割は全く練習してこない、6割はどちらともいえない』 と、こんな感じでしょうか(^_^;) 「言われなくても練習してくる2割の生徒」は、 本人にやる気や資質があり、ご家庭にも協力体制があり、指導者側が特別なフォローをしなくても、ふつうにレッスンしているだけで、レッスンがスムースに進む生徒。 「練習してこない2割の生徒」は、 指導者がどんなにフォローしても、ピアノとのよい関わりが築けない生徒。 「残りの6割の生徒」は、本人が成長したり、指導者のフォローがハマったりしてよいほうに転ぶこともあれば、うまくいかないこともある生徒。 このように考えることもできます。 「どんなにフォローしても練習してこない生徒」のレッスンは苦痛です。 『私の指導の仕方が悪いの? 私が音楽の楽しさを伝えきれていないから?』などと、ご自分を責める先生もいらっしゃるでしょう。 また、あれこれ工夫して、レッスンを楽しく終わることができたとしても、次の週にはゼロに戻っていることも多く、落ち込むやら、腹が立つやら……; でも、上記の法則に照らし合わせて「10人いれば2人はこのような生徒がいて当たり前」と思うことで、少し気持ちが軽くなりませんか? もちろん、当たり前だからと言って、その生徒を向上させる努力をしなくてもよい、というわけではありません。 まず、先生の気持ちを落ち着かせて、仕切り直すことが大事なんです。 マイナスな気持ちでレッスンに臨んでしまうと、生徒にも伝わります。 それよりも、フラットな気持ちでレッスンに臨んだ方が、同じレッスンをするにしても、いいものが生徒に伝わりそうですよね(^_^)/ 生徒にマイナスの先入観を持たない。 働きかけがうまくいってもいかなくても一喜一憂しない。 生徒の可能性を信じて、長いスパンでお付き合いしていきましょう。 このように書いていくと、「どんなにフォローしても練習してこない2割の生徒」がものすごく悪者になってしまってますが、そうではなく、実は、このような生徒は、指導者を成長させてくれる「宝物」なんです。 フォローなしでも練習してくる生徒ばかりだと、指導者はレッスンの工夫を怠るようになってしまいます;(そうではない先生もいらっしゃると思いますが) 「この生徒はどのようにしたら……」 そうやって悩みに悩むことで、指導の引き出しが増え、人間的にも成長します。 「どんなにフォローしても練習してこない2割の生徒」のフォローを、けっしてあきらめないでくださいね。 彼らは先生にとっての「宝物」ですから! ところで、このような生徒には、日々の指導の工夫をするほかにも、時には「カツ」を入れるのも大事です。 今のピアノに対する取組み方はそれでいいのか、厳しく自分を振り返らせるわけです。 私もたま~にありますよ。 つい最近も、2人の生徒にカツを入れました。 『私は、こんな気持ちであなたを教えているんだよ。だから、あなたのその態度は悲しい』 『○○ちゃんは、いまのピアノとのかかわり方をどう思ってるの?』 『どういうときが楽しくて、苦手だなと思うのはどんなこと?』 『ピアノを習っていて、これからどうなりたいの?』 かなり真剣に、強い口調で話をします。 面と向かって2人だけで……かなりコワいです; ふだんあまり叱ることのない先生が、真剣に向き合ってくるわけなので、生徒もしゃんとします。 で・す・が その時どんなに生徒の気持ちに響いても、話をするだけだと、あとに気持ちが残らないんですよね。そして「叱られた」という後味の悪さだけが残ってしまいます。 ですので、そうならないために、私は、生徒にカツを入れるときにも「こんなにできた表」を使っています。 「できた表」は、今までのその生徒の歩みや、これからやるべきことが一目瞭然なので、見せながら話すことで、生徒の記憶に残りますし、自分の現在位置がわかり、未来も予測でき、具体的に何をどう頑張ればいいのかわかります。 前の記事にも書きましたが、生徒のやる気に火をつけるには 「生徒自身に、ピアノレッスンにまつわる様々なことを自覚させる」 ことが必要! こうなりたい!という理想の状態はこうで、 いま自分はこのへんにいて、 理想の状態に行くまでにやるべきことは、これとこれで、 というのが目で見て分かるように。 さらには、折に触れて、それを見せて話をするんです。 今日のレッスンはこんなに頑張ったね! 1年でこれだけがんばったね! 2年前よりこんなに成長しているね! 教室の他のお友だちもがんばってるね! さらに、ちょっとカツを入れたい生徒に対しては、こういう言い方をします。 だけれど、○○ちゃんは、これが苦手みたいだね。 ここをがんばると、もっとよくなるよ。将来こんな曲も弾けるよ。こんな風になれるよ。 こっちのお姉さんの「できた表」をみてごらん(その生徒よりも学年が上の生徒のできた表をしめす) このお姉さんは、ここからここまで、○年かかって、コツコツやってきたんだよ。 だから、あんなふうに素敵に弾けるんだよ。 ○○ちゃんも、やればできるよ! そんなふうに話していきます。 目に見えるって、本当に大事です。 できていないところを自覚させる! 将来を見せる! 他の生徒のがんばりを見せる! そして、様々な角度から「できた!」を実感させてあげる! どんな生徒でも、必ず「できた!」は存在します。 先生はそれを見つけてあげて、ちいさなちいさなやる気のタネに、ぜひ、火をともしてあげてほしいと思います。 次回は「どっちにも転ぶ可能性のある6割の生徒」に注目してみます。 第二回「キレイなお部屋はキレイに使いたくなります」はコチラ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.10.01 12:14:13
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