所得倍増? 3・26
かつての「所得倍増計画」を夢の再現とばかりに掲げたのはいいのですが…。記事 日本人の給料が20年増えないのに「所得倍増」できるは本当か 幻冬舎ゴールドオンライン 2022年3月15日 参照。上の記事では、問題の所得倍増が”できる”とも”できない”ともいってなくて、詳しくは当該出版社の刊行書を読んでくださいとなっています。なんだかケチなやり方じゃないですか~?わたくしメははっきりとできないと言い切りたいですね。その理由を申し述べましょうか…。1,960年に提起された”所得倍増計画”は、ものの見事に実現を見たのですが、そもそも、ニッポンを取り巻く国際的な経済状況また国内的なそれが当時と今とでは、まったく異質なのです。この事実を取り出してみれば、答えはおのずと明らかでしょう。まず国際情勢では朝鮮戦争後の東西冷戦構造のもとで、日米関係の確立強化の方向性が定められ、サウジ産石油の大量輸入による安価なエネルギーの投入やその後のベトナム戦争特需も追い風となって、対米輸出が順調に伸長したのでありました。また国内的には、総じて当時のニッポン経済は貧しかった。この出発点の低位置こそが所得倍増実現のアヤといってよろしい…。10が20になるのと、1000が2000になるのとでは、その倍増のための経済への投入量にまったくの違いがでるのだから…。今日の日本経済を取り巻く内外の状況は、問題の所得倍増の実現のための条件には、まったくと云ってよいほどに適合的ではないのです。もはやニッポン経済を量的に拡大させる必要性はないに等しいのだし…。国内および国外の両面で…。したがいまして、これまでに何度も触れてきたことですが、ニッポン経済を活性化させたいのであれば、ニッポンの社会構造の底辺部分に位置する相対的に多数の低所得層の国民に”ベーシックインカム”を贈与する以外にないのです。現実の重層的な所得階層を解消させ、それを解体して、フラット化させる意思がないのであれば…。