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龍5777

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May 21, 2010
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カテゴリ:伊庭求馬無頼剣
 

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 内蔵助の攻撃は凄まじいものであった、幽閉されていた気配を微塵も

感じさせず、満身の力をこめ外記の顔面を垂直に薙ぎ斬る攻撃をみせた。

 外記の居合いの構えが完全に崩れ、刃と刃が火花を散らした。居合いの

勝負は鞘内にあるが、否応なく攻撃の凄さに耐えかね、抜き合わせる事となっ

た。両人は渾身の力をこめ押しあった。内蔵助の上段からの攻撃は誰の眼か

らみても有利に見えた。二人が命を削り必死の鍔ぜりあいを続け、足元から砂

埃が立ちのぼっている。突然、内蔵助の体勢が崩れた、外記が巧妙にも足絡

みをかけたのだ。

 見逃さず大刀を摺り気味に右に移動した外記は、内蔵助が体勢を立て直す

隙を与えず、首筋に迅速な斬撃を仕掛けた。

 体勢を崩し外記に背を見せながらも、本能的に内蔵助は刃を一転させ、大刀

の峰を首筋に当て外記の攻撃を受け止めた。

 首筋に衝撃をうけた内蔵助は両手で峰を押し上げ、懸命に耐えた。

 外記は残酷に顔面を歪め、全体重をかけ押し斬りの体勢で攻勢に転じた。

「むっ」 内蔵助の噛み締めた唇から血潮が滴っている。

 必死で耐え続けたが、愛刀の峰が首筋に食い込み皮膚が破れ血潮が滲み

だした。もはや体力の限界に近づいている。

 朦朧とした意識のなか、己の敗北を悟った。

 外記がさっと身を引いた、重し取れる感じを覚え内蔵助の躯が前にのめった

瞬間、外記の大刀の唸りを耳朶が捉えた、その時が内蔵助の最後であった。

 背中を深々と斬り裂かれ、壮絶な闘いに終止符がうたれた。

「流石じゃ、わしをこれほど手こずらせるとは」

「死骸を始末いたせ」  外記が荒い呼吸で配下に命じた。

 配下の隠密等が内蔵助の遺骸を埋め終わった瞬間、異様な殺気を感じた

彼等が見事な散開をみせた。

 外記が懐手で痩身を晒し、不気味な眸子で配下を見下ろしている。

「どうじゃな、その方等の頭領を討たれた感想は」

 外記の問いに五名の隠密が抜刀し、外記の痩身を包囲した。外記は刃圏の

中央に仁王立ちとなり、

「その方等が間者であることは承知じゃ。頭領を見殺しとした訳が知りたい」

 五名は無言で包囲網を狭めた。

「話せぬか、ならば斬る」 外記のしわ深い顔が残酷に歪んだ。

「見殺したる訳は、我等のなかに間者として居残る魂胆とみた。新しい頭領は

誰じゃ」 第四の隠密に誤算が生じていたのだ、内蔵助と外記の死闘が始まり、

内蔵助は外記を圧倒する闘いをはじめた。それが彼等を躊躇させたのだ。

 彼等は内蔵助の加勢をせず、隠密団に残り讃岐守の動きを探ろうと考えた。

 それが誤算と知らされ苦い思いを噛み締め、外記と闘う羽目となったのだ。

 だが五名の胸に重苦しい疑惑が湧いていた。何故、間者とばれたのか。その

思いを抱きながら外記との闘いが始まった。

 五名の凄まじい攻撃が外記に浴びせられた。月光が刃の光芒を照らしだして

いる。外記は放胆にも身を庇わず、必殺の居合い抜きで二人の手練を葬り、更

に残りの三名に肉薄した。

 まるで猛禽の羽ばたきに似た動きを示し、一人を袈裟斬りに血噴かせ、

反撃する一颯を躱しもせず胴を両断した。

 まるで腕前が違う恐るべき技を見せ付けられたのだ。

 瞬く間に四人が外記の餌食となって倒れた。残った一人が低い体勢で身構

えた。 「殺すには惜しい、飼い主の名を吐け、ならば逃がしてやろう」

 ニヤリと酷薄な笑みをみせた。 「化け物、誰が吐く」

 声と同時に外記の咽喉首を狙った一撃を繰り出した。外記が横走りに身を移

し、総髪を銀色に染め、対手の顔面を薙ぎ斬りとすべく身を躍らせた。

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Last updated  May 21, 2010 11:38:12 AM
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