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Jun 3, 2010
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カテゴリ:伊庭求馬無頼剣
 

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 躱すいとまがないとみた総髪の男は、大刀を引き抜き弾き返し、鍔競り合い

となった。忍び装束の頭とおぼしき刺客が押している。

 ばらばと屋敷から讃岐守の配下が現れ、そこかしこで激闘が始まった。

 忍び装束の刺客の腕が勝り、讃岐守の配下が鮮血を噴きあげ斃れ伏してい

る。総髪の外記と思える男と居合いの遣い手との激闘はまだ続いている。

「ぴっ-」 指笛の音が響き、忍び装束の一団が油断なく後方に退いた。

 刺客の頭が素早く二間ほど後方に飛びのき野太い声を発した。

「貴様が深沢外記じゃな、今度会ったら命を貰う」

 その声に応じた深沢外記が悪鬼の形相をみせ詰より、大刀が唸り刺客の頭

に必殺の攻撃を浴びせた。

 その攻撃をかわしながら、見事な反転をみせ土塀の外に逃れ去った。

 屋敷から讃岐守が姿を現し叱咤の声をあげた。

「外記、なんという様じゃ、それでも黒雲組の頭領か」

「面目ございませぬ、初めて会う遣い手。あの刺客は誰でしょうな」

 深沢外記が息を整えている。それだけ烈しい攻防であったのだ。

「世の中は広い、そちよりも強い遣い手はいくらでもおろう」

 讃岐守の言葉に外記が唇を噛み締めた。

「あの居合いはどこぞで見た覚えがある」 そう思ったが思いだせずにいる。

 外記は無念の形相で佇んでいたが、「死骸を片付けよ」 と配下に命じ、

なおも無念げに土塀を見据えていた。

 求馬は気配を消し辺りの静まるのを待った。ようやく屋敷に静寂が戻った。

 今夜は収穫があった。深沢外記の枯れ木のような容姿と誰とも知れぬ刺客

の腕を存分に見ることが出来た。醒めた嗤いを残し求馬の姿も消えうせた。

 求馬は孤影の翳を引きずって道を引きかえしながら、先刻の忍び装束の

刺客等を思い浮かべていた。いずれも公儀隠密の手練者とみた。あの頭領は

何者かな、かってあのような遣い手を見た覚えがなかった。

 そんな思いを胸に秘め、樹木の翳を踏んでいた。唐突に殺気を感じとっさに

身構えた。空気を裂く音と同時に凄まじい一撃が襲い、避ける暇もない攻撃が

息もつかせず襲いかかってきた。不覚にも左肩に激痛を感じ、血潮が腕を伝っ

て流れている。本能的に白壁を背に抜刀して身構えた。

 闇の中から身の凍るような殺気が送りつけられ、右手のみで逆飛燕流の構

えで対処した。

「伊庭、今宵は冥途に送ってやろう」 聞き覚えのある声である。

「貴様は葛城左近じゃな」 求馬の声に誘われるように闇から大兵の葛城左近

が勝ち誇った姿を浮きあがらせた。

「右目はわしに、左腕は斉藤岩見殿に斬られ、まるで化け物よな」

 乾いた声で挑発した。彼の左腕はまったく感覚がない、かなりの深手と知っ

た。己としたことが求馬が自嘲を浮かべた。

「伊庭、わし同様に片目を貰い冥途に送ってくれる」

 左近が全身から剣気を漲らせ、右腕一本で左肩に豪刀をかついだ体勢で

迫ってきた。 「左近、だいぶ工夫をこらしたようじゃな」

「貴様を倒すために苦労したわ」

 左近が右腕だけで研いたとしれる構えを見せつけ、自信の色を溢れさせてい

る。奴の構えでは自在の攻撃は無理がある、左からの一撃は鋭い。だが右か

らの攻めは弱いと瞬時に悟った。初太刀を外せば勝てると冷静に判断した。

 徐々に求馬の構えが変化し左地摺り下段に移り、必殺の技を発揮する機会を

窺がっている。一方、左近の躯が小刻みに動いている。

「相変わらず忙しい剣よな」 求馬の挑発で左近の隻眼が血走り間合いを詰め

てきた。求馬が左に廻りはじめた、左近の豪剣の死角に入る動きである。

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Last updated  Jun 3, 2010 11:17:58 AM
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