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カテゴリ:都内散歩
昨日六本木のサントリー美術館に「小田野直武展」を見に行った。
幕末≪秋田蘭画≫という洋画の技術を取り入れた日本画である≪蘭画≫を描いた画家である。 鉱山開発に訪れた平賀源内の影響を受け、当時の秋田藩主・佐竹曙山とともに秋田蘭画という 新鮮な一派を陸奥の地に起こした画家である。もっとも私がこの画家の名を知ったのは 杉田玄白他訳の『解体新書』の解剖図を描いた画家としてであった。爾来縁あって角館の寺に ある直武の墓参りをしたこともある。 話は変わるが今年の正月孫たちと六本木ヒルズに登った時、展望台からの景色の中に40階建て ビルの横壁に三角ピラミッドのようなものが張り付いているビル建設が進行していることを発見し ブログに記した。今回六本木に来たついでにその後竣工したビルがどうなっているのか探って みることにした。高架の首都高速道の下から見るとトリックアートではなく確かにこの三角 ピラミッドは壁面から盛り上がっている様子が分かる。 横にそれて狭い道路の隙間から全体が見える場所に出ると40階建ての40-30階にかけて 三角錐が張り出している。それだけでなく壁面の上部両側も切れ込んでいて、いかにも厚紙 細工のように見える。 建築家の遊び心は十分に理解できるが内部は使いにくく無駄の多い空間であろう。 この種の設計はその話題性から商業ビルに適しているがオフィスビルにはどうしたものであろうか。 このでっぱり部にデスクを置く人たちは下っ端なのか窓際族なのかそれともエリート管理職か? さらに路地を回って角度を変えると光の反射面が変わりより立体感が出る。 地上の外側は3.4階部分の高さまで丸柱で囲まれておりギリシャ神殿を思わせる。 反対側の壁面にも突起が見える。地上部には巨大な車寄せやベルガールのいるタクシー乗り場がある。 中にホテルでもあるのかと思い1階ホールに進み案内板を見ると29階にスカイラウンジの記がある。 レセプションに聞くとIDを持っている人だけが出入りできる空間だという。そういえばエレベータ ホールへの出入りにもID カード用ゲートがあるようだ。我々庶民には関係のないビルのようである。 第4の壁面には巨大な外廊下のようなものがある、多分エレベータ室だろう。 途中までしかないのが気になるが、その上は別世界なのかもしれない。 すごすごと退散して外に出ると地下に向かって巨大な穴があり骨組みだけのエレベータのような ものがある。看板には「自転車専用」と記されている。 この超モダンなビルに自転車で通う人がいるのか疑問だが、このビルの左右は急な坂道で囲まれ ている。ひょっとしたらこの自転車エレベータは坂の下に通じているのかもしれない。 かってこの辺りは大名の下屋敷などもあったのだろう、坂の名前も興味深い。 江戸時代の地図を見ても常陸藩の小さな大名や与力同心たちの住まいが在った位しかわからない。 いずれにしても今年の正月以来気になっていたビルの形状をはっきりさせることができて 満足した六本木散歩である。それにしても六本木界隈の商業施設は我々の生活レベルとは おおよそかけ離れているのには驚いた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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