直嶋正行経済産業相は24日の記者会見で、2020年の温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減するために必要な対策を早急に検討するよう指示したことを明らかにした。25%削減の政府方針は鳩山由紀夫首相が国連で表明しており、負担を求められる国民と産業界の理解を得るため、対策の具体化を急ぐ。
また、小沢鋭仁環境相が2011年度を目指している国内排出量取引制度の導入時期に関しては、環境相と協議を行った結果、「議論する中で決めていく」ことになったとした。【時事通信ネット版 から引用】
2020年の温室効果ガス排出を90年度比マイナス25%削減するという、大風呂敷を拡げた鳩山首相。さぞかし有効な手立てでもあるのかって思ったら、どうやらそこまでは具体的に考えていなかったみたいですね。
だから、直嶋経産大臣に指示して、国民や産業界に理解を得るための対策の具体化をさせようというもののようです。
でも、ちょっと待ってください。
確かに温室効果ガスを削減させるためにはかなり厳しいことをしていかなければならないことはわかります。簡単にクリアできそうな目標を立ててもあまり意味がないということで、志を高くすることもいいでしょう。
しかしながら、それを実践するには国民の生活や産業界の生産動向にも大きな影響を与えるわけで、国民の生活水準が今以上に下がったり産業の空洞化が進むようになっては、何をやっているのかわからなくなってしまいます。しかも、今回国連で表明した「温室効果ガス排出量の90年度比25%減」という壮大な目標を達成するための具体策は何も示されていないわけですからね。
ところで、この壮大な目標も「アメリカや中国など温室効果ガス排出量が過大な国々が参加することが前提」という逃げ道もこっそりあるとかないとか・・・。
日本の産業界は温室効果ガス排出削減にはかなりがんばっていると思うので、これ以上削減を要求されれば生産を止めざるをえないかもしれません。また、国民の生活における温室効果ガスを削減しようとすれば、無理やり停電の時間でも作りますか、っていずれも現実的でないのは明らかです。
ということで、やはり温室効果ガスの最多排出国がもっと厳しい規制を敷くしかないと思います。
それにしても、民主党が衆議院選挙に圧勝して以降、ダムの建設中止や補正予算の執行停止、そしてこの問題といろいろ噴出しています。今までの自公の政治との違いを打ち出そうとしているのかもしれないけど、ちょっといろいろ動きすぎて収拾がつかなくなっているのではないかと思います。
鳩山内閣は「政治主導」というのが売りだそうですから、経産省の官僚の手を借りることなく直嶋経産大臣がどんな政治手腕を発揮するのかちょっと見ものですね。