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テーマ:日々自然観察(9873)
カテゴリ:植物(木本)
白の枝垂れ梅である。肉眼で見ても蕾は少し赤っぽいが、写真にすると茶色と赤、緑色の部分があって、その配色が中々洒落ている。茶色の部分は芽鱗で、緑の部分は萼であろう。赤い部分は芽鱗の一部だろうか。
この梅、例によって実の成る木にしか興味を持たない兄が「植えた」ものである。「植えた」と言っても株を植えたのではなく、近くの御宅の庭にあった枝垂れ梅の実を拾って来て鉢に埋めたのである。 植えたり種子を蒔いたりしてもその後の世話は一切しないのがこの兄の特技。芽が出て10年経っても、地上部は何回も枯れてしまったので、高さは僅か20~30cm。それを、父母の家に帰ってきた私が面倒を見て、漸く花が着くまでにした。
枝垂れ性の植物と言うのは面白いもので、頂芽はまるで伸長せず、側枝の1本が矢鱈に横に伸びる。この伸びた側枝を上に持ち上げて主軸とし、次の年そこから出る側枝をまた持ち上げて主軸にする。これを3回繰り返し、目の高さ位に成ったところで芯を摘めた。鉢植えなのでこの位が適当な大きさであろう。 次の年、側枝の先端に1輪だけ白い花が咲いた。その次の年(昨年)はもう少し花芽が着いたが、ポツポツという程度であったらしい(私は日本に居なかったので見ていない)。しかし、今年は蕾がかなり沢山着いている。世話を始めてから7年、漸く見られる形になった様でホッとしている。
我が家には他にも何本かウメがある。これらのウメの蕾はどんな色合いであろうか。上は、青軸と呼ばれるウメの蕾である。赤い部分が無く、色合いはかなり単純で、さほど面白い配色ではない。 下は関東に多い白加賀。最初に挙げた枝垂れ梅の蕾に少し似ているが、これも赤い部分が少なく緑色の部分が多過ぎて、些か面白味に欠けるところがある。
何の気無しに撮ったウメの蕾だが、拡大して調べてみると梅の品種により随分形や色合いが違う様である。 造花などの人工物は眼には綺麗に見えても、拡大してみると一様な只の物質であることが分かってしまって些かも面白くない。一方生き物は、電子顕微鏡で何十万倍に拡大しても細微構造が見られ、其処には人を引き付ける何かが常にある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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