今日は久しぶりにクモ類を紹介する。ネコハエトリ、雄の成体である。
ネコハエトリは既に昨年の春に掲載しているが、それは雌や幼体で、雄の成体はまだなのである。
![ネコハエトリ(雄)1](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/03/0000387403/74/img7c837861zikezj.jpeg)
ネコハエトリの雄.雌よりも歩脚が長い(2008/05/17)
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幼体や雌は淡褐色の部分が多く全体的に明るい色調となるのが普通である。しかし、雄の成体は、御覧の通り、黒を基調としている。見た感じは雌の方がずっと可愛い。
一般にクモ類の雄は、同種の雌と較べると、胴体に比して脚が長い。人間の場合、世間様では足の長い方が高く評価される様だが、何故か、クモの場合は足が短い方が可愛く見える。
![ネコハエトリ(雄)3](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/03/0000387403/76/img5fa8c689zik9zj.jpeg)
跳躍する前の格好.もう少し脚を縮めてからピョンと飛ぶ(2008/05/17)
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このハエトリ君、庭木から庭木へと飛び移り、10数分の間に直線距離で2mばかし移動した。餌を探すと言うよりは、雌を捜していると言う感じで、実際、雌の近くに来たときには、それまでよりも動きが激しくなった。尤も、雌の方は、サッサと逃げてしまったが・・・。
![ネコハエトリ(雄)2](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/03/0000387403/75/imga0c2c4d6zik6zj.jpeg)
雄は屡々第1歩脚を前方に振りかざす動作をする(2008/05/17)
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ハエトリグモ類の雄は第1歩脚が他の脚よりも長いものが多い。時々、それを持ち上げて前方にかざす動作をする。獲物を捕る、或いは、捜す動作と言うよりは、求愛の動作の様に見える。クモに関する「聖典」とされる「クモの生物学」を調べてみると、やはり、「求愛誇示に関係があると言われている」と書かれていた。
![ネコハエトリ(雄)4](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/03/0000387403/78/img88c255d7zik7zj.jpeg)
正面から見たネコハエトリの雄.大きな牙が見えて不気味(2008/05/17)
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ハエトリグモを正面から撮ると、普通は前中眼が円らで可愛い感じがする。しかし、雄の成体では牙(上顎)が発達するものが多く、これが見えると、可愛いどころか不気味な感じとなる(上の写真)。しかし、触肢でこれを隠してしまえば、それ程でもない(下の写真)。
![ネコハエトリ(雄)5](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/03/0000387403/79/img37d30e41zik5zj.jpeg)
牙を触肢で隠せば少しは可愛くなる(2008/05/17)
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最近このWeblogで掲載している生き物には、どうも愛嬌に欠けるものが多い様な気がする。次回からは、もう少し可愛気のある虫達を紹介したいと思っている。