|
テーマ:日々自然観察(9874)
カテゴリ:植物(木本)
写真を撮ったのは少し前で、まだ三分咲きと言ったところ。茶人の薫陶を受けた者としては、この頃が撮り頃である。しかし、一個所だけ満開に近い枝があり、上の写真をそれを撮ったもの。満開時の雰囲気を示したつもりである。
このユスラウメ、全体としては盆栽風になっているのだが、昨年全く剪定をしなかったので枝が伸び放題。格好良いとは言い難いので、全体像は撮らなかった。
花は径2cm程で、肉眼的には殆ど真っ白、赤味を帯びない(保育社の原色日本植物図鑑木本編では白色~淡紅色となっているが・・・)。花弁は、ズミ(コリンゴ)に似て、ペラペラで薄く、少し皺が寄っている。まァ、言ってみれば、些か頼りのない花である。
花弁の基部は細まっており、隣接する花弁との間に隙間を生じている。その隙間は、丁度萼の形になっていて、萼全体が見える。別に何も意味はないと思うが、一寸面白い。
図鑑には「雄ずい多数」とある。しかし、「多数」と言うほど多くはない。充分に開花した花で調べてみると18本位、極く短い雄蕊もあって、実体顕微鏡が無いと正確には調べ難い。「多数」とあるのは、数が一定しないのかも知れない。花糸の基部は、淡紅色を呈している。
雌蕊は花糸(雄蕊の軸)と同じ程度の太さと長さで、肉眼では強度の老眼鏡を掛けても、葯の取れた花糸と区別がし難い。写真で見ると、花糸は基部を除いて白いのに対し、花柱は葯と同じ黄色をしている。柱頭は殆ど膨らまず、先が少し拡がっている程度。 なお、写真では見えないが、図鑑には「花柱の中部から子房に絨毛を密生する」とある。
ユスラウメの果実はかなり以前に掲載した。小粒だが色は綺麗だし、昔の酸味のあるサクランボの様な味がして、私はかなりこれが好きである。今年は花付きが例年になく良いので、実もそれに応じて沢山付くであろう。 しかし、ユスラウメの実は日持ちがしない。アッと言う間に熟して、直ぐに過熟になってしまう。今年は、食べきれなかったら果実酒にしてしまおう、と思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[植物(木本)] カテゴリの最新記事
美味しそうな実を拝見してきました。
種から芽はでてきたのでしょうか? グミは以前家にあって食べたことがありますが ユスラウメはまだ食べていません。 (2010.03.28 17:34:43)
ukon6624さん
>美味しそうな実を拝見してきました。 ----- 余り写真が良くなくて恐縮です。 >種から芽はでてきたのでしょうか? ----- 全く出て来ませんでした。 >グミは以前家にあって食べたことがありますが >ユスラウメはまだ食べていません。 ----- クセが無く、グミよりずっと美味しいです。今年はご賞味あれ。 (2010.03.29 07:20:37)
いつもながらの拡大写真、ありがたいですv
雌しべ・雄しべの感じや形態もよく解ります。 ユスラウメ、花のか細さ、実の可愛さ かなり私好みの果樹ですが やはり「こぼれ種」では無理なんですね。 苗をGETして来ようと思いますv (2010.03.30 12:48:42)
snowrun29さん
>いつもながらの拡大写真、ありがたいですv >雌しべ・雄しべの感じや形態もよく解ります。 ----- 何時もながら、まァ、良く飽きもせず・・・と云ったところです。 >ユスラウメ、花のか細さ、実の可愛さ >かなり私好みの果樹ですが >やはり「こぼれ種」では無理なんですね。 ----- この手の核果は、殻が固いので、鳥の消化管を通過するか、人工的には傷を付けたりしないと容易に発芽しないと云う話があります。 >苗をGETして来ようと思いますv ----- 今頃はもう花が終わりですから、安く売っていると思います。尚、挿木は困難な種として知られています。 (2010.03.30 13:43:47) |