今回も、前回と同じく、4年前の6月に撮影した虫を紹介する。
虫屋の大敵、ヒメマルカツオブシムシ(
Anthrenus verbasci)である。この虫、この辺りでは春に咲く
ハルジオン等の花に良く見られるが、今日紹介するのはイタリアンパセリの花に来たものである。

ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)
イタリアンパセリの花の上に16頭も居る
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(2012/06/08) |
前年に植えたイタリアンパセリが年を越して開花し、それに集っていた。もう紹介済みだと思っていたのだが(実は
別のWeblogであった)、余りに沢山来ているので、つい写真を撮ってしまった。上の写真中に16頭も居る。

ヒメマルカツオブシムシ.触角がぼけている
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(2012/06/08) |
体長は2.5mm前後、色や触角の形状は異なるが、体の輪郭は
ルリマルノミハムシに似ている。ルリマルノミハムシの方が少し大きい。
保育社の「原色日本甲虫図鑑III」に拠れば、体長は2.0から3.2mm、個体差が大きい。これは、一枚目の写真を見ても良く分かる。この手の虫は、餌が少なくても途中で死なないで何とか成虫になる様で、それで幼虫時の栄養状態によって大きさに大差が出る。

ヒメマルカツオブシムシ.色がかなり違う
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(2012/06/08) |
カツオブシムシ科(Dermestidae)、マルカツオブシムシ属(
Anthrenus)に属す。上科については、上記図鑑ではカツオブシムシ上科(Dermestoidea)となっているが、どうも現在ではナガシンクイムシ上科(Bostrichoidea)に入れるのが普通らしい。この上科には、以前紹介した我が家の大害虫
ジンサンシバンムシが属すシバンムシ科(Anobiidae)、乾燥標本を食害するその名もヒョウホンムシ科等、乾燥動植物や木材の大害虫がゴロゴロしている。

横から見たヒメマルカツオブシムシ
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(2012/06/08) |
この手の屋内害虫に付いては、別のWeblogで少し詳しく書いたので、興味のある方は
此方をどうぞ。