半身不随マールの、安静期間が終わった時のためにと、
お散歩用のカートをスタンバイしていた。
お値段も張るし、購入は迷ったけど、
「いずれ王子も使うだろうしね~。
威厳ある王子のそんな姿…全く想像できないけどね(笑)」
そう笑いながら、スタッフと探し選んだカートでした。
まさか、マールより先にあんたが使うなんてね…
こんな日が来るなんてね…
王子らしくないよ…
「王ちゃん、桜だよ~!」
散りかけだったけど、王ちゃんと初めての桜見。
贅沢言うならば、歩いて散歩したかったね。
王ちゃんにはカート似合わないよね。
「よかよか!俺が引いてやるわ!」とかなんとか、
あんたがカートを引っ張ってくれそうだもんね。
その翌朝…
犬猿の仲でもあった王子と同室の「コナン」の異変に気付いた。
朝ごはんに一切口をつけないまま、王子を心配そうにみていた。
いつもの朝の日光浴でも、犬達が代わる代わる心配そうに
王子の元に居て離れないのです。
犬達がいつもと違う…流れが違う…
そう不思議に思いながらの、王子の日光浴タイムでした。
王子は、立てる力も残ってないはずなのに、
日光浴中も、「立ちたい!」頻繁に吠えて訴えてきた。
立たせられている感があると、何度も何度もしつこく要求する。
王子的には、「自分の力で立つ」事に意味があるらしく、
胸を支える手の位置。タオル補助の腰にかかるタオルの面積、
少しでも、自分が望んだ立ち方でないと、しつこく吠え続けるのです。
今朝もいつものように事細かく注文を付けた後、
補助するタオルの位置と、支える手に納得し、
「自分の力で立ってる」と感じれた事が、やっと確認できたと同時に、
王子は、四本足で大地を踏みしめたまま、
満足したように、そのまま静かに崩れ落ちた。
4/5 AM10:20 王子永眠。
私達に、悲しみの涙はなかった。
「王ちゃん、お疲れ様」
「王ちゃん、ありがとう」
涙しても、そこには笑顔がありました。
スタッフみんな、ここ一週間、真剣に向き合えた期間を
王子から与えてもらえたから…
誰一人「介護してやった」「○○してあげた」という言葉はなく、
「介護させてもらった」「私自身、悔いの残らない時間を王子から与えてもらった」
王子への感謝の言葉が飛び交いました。
王子が何時に「起こせ」と吠えて訴えたか…
交替スタッフの目安になればと、
共に、ノートに時間を記入していた。
王子が逝く前夜、夜勤はスタッフみきちゃんだった。
王子は、みきちゃんが大好きでした。
私以上に、王子とみきちゃんの魂は、深く繋がっていた関係でした。
それは…みきちゃんが王子へ、強い想いがあったからでした。
本来ならば、生物全てに、言葉なんて要りません。
綺麗な言葉を並び立てたって、汚い言葉を並び立てたって、
犬には、すべてお見通しなんです。
言葉に出さずとも、
そんなみきちゃんの強い特別な「想い」「感情」を、
王子はしっかりと受け止めていました。
みきちゃんの心を癒すように、包み込むように…
この日みきちゃんが保護家入りする事を知った時に、
私達は察しました。
「きっと…この日が最期かもしれないね」って。
王子は、みきちゃんの側で逝く事を選択するだろうって…
それが、王子の望む最期だろうって…
それくらい、二人は強い絆で、魂で、繋がりあってたんです。
誇り高く、美しく、愛しい者を想う優しく、勇敢な最期だった。
※王子の弔問についてのお知らせ
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