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テーマ:長寿犬と共に(147)
カテゴリ:老犬ホスピス
2018年4月18日
ケンジは 「看取り期」に入りましたが・・・ 同じ日に「看取り期」に入った 「サンペイ」がいました。 サンペイは、人間に壁を作っていました。 人間に甘えることを知らずに育った仔でした。 このまま最期を迎えさせたくない! 毎晩、サンペイに寄り添っていた そんなある日の夜… いつものように、サンペイと添い寝してると 背中に突き刺さる視線を感じ、 パッ!と振り向くと・・・ ケンジと目が合いました! サークルの網越しから、 一度も目を反らすことなく、ずっと…。 それは…穏やかで優しいケンジから 初めて感じた「嫉妬」の目でした。 吠える力も残されてないはずなのに、 私を吠えて呼び戻そうとするケンジ。 ケンジは、ずっと淋しかったのでしょう…。 ケンジは、ずっと我慢していたのでしょう…。 翌日、ケンジをカートに乗せてお散歩。 初めて過ごす、二人きりの時間でした。 ケンジを膝の上に乗せて、 ケンジと同じ景色を眺めました。 このとき、ケンジと何の話をしたのか、 ハッキリとは覚えていませんが、 「あと少しだけ我慢してね」 そんな残酷な言葉だった気がします。 明らかに先に逝くであろうサンペイには、 心のケアが必要でした。 だから、 私には時間がないのだから…と。 ケンジに我慢しろだなんて… ケンジには全く関係ないのにね… 翌日・・・ そのサンペイが永眠。 私が犯したミス…お気付きでしょうか。 寝返りを打てないケンジなのに、 顔を棚側に向けてしまってたんです! 体位交換の際に起きたミスでした。 サンペイの最期を見送ってる皆の後で 淋しそうなケンジの背中…。 後日、この写真を見たとき、 自分に怒りがこみ上げてきました。 私は、ケンジの何を見てたのかと…。 ケンジに残された時間はあと僅か 今日か明日だろう… 薄々と感じていました。 「悔いが残らない1日を過ごして下さい」 スタッフにもそう告げました。 「ケンジ…」 呟くように名前を呼びながら、 その優しい手はケンジの体を包み込みます。 ギュッと握り合う二人の手に 特別な何かを感じずにはいられませんでした。 5月2日…この日は、 ケンジにとって大切な日でもあったのに… 愛護センターに収容されている老犬の 容体が悪いと連絡が入り、 レスキューに向かう決意をしました。 私は、ケンジを置いて出て行きました。 ケンジを置いて出ることが 何を意味するのか… それは痛いほど分かっていました。 ケンジとの時間を割いてまでも、 今、老犬をレスキューするべきではない! 誰が一番大切なのか… そんな簡単なこと、 全部全部、分かっていました。 生きてるケンジに会えるのは、 これで最期になるのかもしれない… ずっと、ずっと、ケンジを抱きしめました。 なぜかな… このときの心境は至福感だけでした。 藤井副代表にケンジを託して、 私は愛護センターに向かいました。 愛護センターレスキュー後の予定をキャンセルし、 急いでケンジの待つ保護家に帰りました。 泣きながら給水しようとするスタッフの手を 私は…止めました。 「口と鼻を湿らせる程度で良いからね」 看取り期では、給水の拒否反応が出たら、 体は、死へ向かってる合図です。 ゆっくり眠ろうとしている機能を、 邪魔してしまうことにより、 最期の瞬間「苦痛」を与えてしまうんです。 「枯れて死ぬ」 命ある生物にとって、これが一番、 苦しみや飢えのない幸せな最期なんです。 5月2日 19時・・・ 「死」へ真っ直ぐ向かっているケンジの姿が そこにありました。 もう、引き止めることは出来ないんだ… もう、引き止めてはいけないんだ… ケンジは終わりを迎えました。 ※ 次 に 続 き ま す どうか、ご協力をお願い致します…。 ▼宮崎銀行 加納支店 普通口座104601 動物たちの未来のために代表山下 由美 ▼郵便貯金 17310-434961 口座名義:イノチノハウスホゴヤ ▼〒880-1222 宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581 いのちのはうす保護家 090-4484-5165(9:30~22:00 担当フジイ) ▼「いのちのはうす保護家」HP ▼「ハンデのある猫達の保護猫カフェ HOGOYA」HP ▼「いのちのはうす保護家」公式ブログ ▼「いのちのはうす保護家」Facebook ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Facebook ▼山下由美代表Facebook ▼犬猫介護アドバイザー &犬猫看取りコミュニケーターInstagram ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Instagram お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年07月31日 19時26分17秒
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