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2008.01.18
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カテゴリ:香港電影
 「さらば、わが愛 覇王別姫」が舞台化されるという。それも日本で。と聞いて驚いた。蜷川幸雄さん演出というからにはそれなりの舞台にはなるのだろうが、主演の東山紀之さんは、こんな難しい役をよくぞ引き受けたと思う。
 「さらば、わが愛 覇王別姫(原題:覇王別姫、英題:FAREWELL TO MY CONCUBINE)」は、香港の人気作家リー・ピクワー(李碧華)の原作を元に(自らこの映画の脚本も担当)、台湾のベテラン女優シー・フォン(徐楓)がプロデューサーを、そして中国を代表する監督の一人であるチェン・カイコー(陳凱歌)が監督をつとめた、中国・台湾・香港合作の超大作映画である。

 京劇「覇王別姫」の項羽と虞美人を演じる京劇役者・段小楼程蝶衣
幼い頃から京劇学校で共に学ぶ二人はやがて成長すると、小楼が男役、蝶衣は女役を演じることとなり、人気役者になっていった。しかし、小楼が娼婦・菊仙と恋に落ちて結婚。蝶衣は劇中と現実が錯綜し、嫉妬に狂うようになる。そして日本軍侵略、国民党支配、文化大革命…と、三人の人生は時代の波に翻弄されていく-というストーリー。

 女形・蝶衣を見事なまでに演じたのが、今は亡きレスリー・チャン(張國榮)。レスリーは一旦出演を決めたものの、あまりに難しい役どころからか、その後断ったという。結局、半年間北京に滞在して京劇の訓練を受けた後、撮影に臨んだ。京劇の舞台シーンでの見事な演技は全て彼本人によるものだというから驚かされる(声は勿論、吹替ですよん)。
 パトロン相手にホロリと流す儚げな涙に目を奪われ(場面1)、文化大革命時代の悲痛な叫びに息を呑み(場面2)、阿片に溺れて心身共にボロボロになり、憎むべき菊仙(演じているのは中国が誇る大女優コン・リー(鞏俐))の胸に抱かれて震える姿に胸が痛む(場面3)。
 レスリーの全身全霊を注ぎ込んだ、神がかり的なまでの渾身の演技はまさに圧巻。彼の圧倒的な存在感無くして、この映画の成功はあり得なかったと断言出来るほどに凄まじい。

 「Depression. 多謝各位朋友,多謝麥列菲菲教授。這一年[ロ黎]很辛苦,唔能再忍受,多謝唐生,多謝家人,多謝肥肥。我一生沒做壞事,為何這樣?
 03年、レスリーはこのような書付を残し突如この世から去ってしまった。文中の“唐生”というのは、レスリーの永年のパートナーであった唐鶴徳氏のことである。レスリーもまた、劇中の蝶衣と同じく男性を愛し(自らバイセクシャルと語っていた)、やがてこれまた同じく自ら命を絶った。

 レスリーの魂が宿っていると言えるこの映画は、93年のカンヌ国際映画祭パルムドール賞(グランプリ)、94年のゴールデン・グローブ賞外国語映画賞を獲得した他、世界各国でさまざまな賞に輝いたきらきら 余談ながら、おバカ映画の聖地・香港では公開当時、賛否両論(複雑すぎて理解に苦しんだ?)あったことも追記しておく。
 果たしてこの難役を東山クンはどう演じてみせるのだろうか? 舞台の成功を祈る!

 テレビ 本日のひまつぶし

 ・「覇王別姫」主題歌“當愛已成往事”→こちら レスリーの歌声が切々と胸に響く
 ・88年に公開され、金像奨(香港アカデミー賞)各部門賞を総ナメにした名作「ルージュ([月因]脂扣)」の主題歌→こちら
 原作者・李碧華はこの映画のレスリーの京劇役者姿にインスパイアされて、後に「覇王別姫」を書いた。また、この映画でレスリーと共演し、彼の友人でもあった香港のトップスター、アニタ・ムイ(梅艶芳)も、レスリーが命を絶った03年、子宮癌のため40歳の若さで帰らぬ人となった。





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Last updated  2008.01.19 04:57:55
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