Frank Braley:Gershwin
先日生で聞いたフランク・ブラレイ。とてもよかったので、彼のガーシュウイン作品集を購入しました。 演奏の傾向は生で聞いた時と同じです。クラシック演奏家には珍しい自在な演奏で硬さは皆無です。 もう少し自由にと思われるとことはありますが、クラシック演奏家としては最上級の部類にはいるような、自由闊達な演奏だと思いました。ひんやりとした感触のタッチが以外にもガーシュインにあっていたと思います。それに、ガーシュイン自身の編曲のセンスが抜群で、原曲を知っている方にとっても、思わぬ発見ができるのではないでしょうか。 特に楽しめたのは「パリのアメリカ人」。 これがピアノ編曲に意外にもあっていました。 オケの曲をピアノに編曲した時に、たとえばリストが編曲したベートーヴェンの第5交響曲のように全くあっていない場合と、今回のように別の魅力を発する場合とがあると思います。 原曲のエッセンスや骨組みがくっきりと浮かび上がるような編曲の場合、成功する確率が高いように思います。それに、ピアノへの編曲に向く向かないというのも大きな要素だと思います。 この曲の編曲はWilliam Dalyですが、演奏効果抜群の編曲で成功していると思います。 オケの曲をピアノに編曲すると、得てしてスリムになりがちですが、ガーシュインの編曲を聞いていると、それは全く感じられません。 ユーモアやちょっとした表現が聞き手にダイレクトに響いてくる感じがして、とても好ましいものでした。ブラレイの演奏は文句なしで、パリの風景が眼前に展開するような感じがしました。 有名な「3つの前奏曲」ですが、第2番の「アンダンテ・コン・モート」を聴いていると、「ポーギーとベス」の「My Man's Gone Now」のけだるいムードを想起させ、いい感じです。 そのほか、2つのキーによる即興曲、2つのワルツ、メリーアンドリュー、3つのクォーター・ブルースなど普段耳にすることのほとんどない曲に接することが出来て、幸せな時間を過ごせたと思います。 どの曲も「温もりとユーモア、時々シニカル」みたいな曲想が多く、ガーシュインの新たな魅力を教えて戴いた気分になりました。 Frank Braley:George Gershwin(harmoniamundi HMC 901883)1. Jasbo Brown's Blues2. Rhapsody in Blue - Frank Braley, Gershwin, George3. The Man I Love4. I'll Build a Stairway to Paradise5. 's Wonderful6. I Got Rhythm7. Do It Again8. Clap Yo' Hands9. Oh, Lady Be Good10. Fascinating Rhythm11. Somebody Loves Me12. My One and Only13. That Certain Feeling14. Swanee15. Sweet and Low Down16. Nobody But You17. Strike Up The Band18. Who Cares?19. Do Do Do20. Liza21. An American in Paris - Frank Braley, Gershwin, George22. Prelude (Melody No17) - Frank Braley, Gershwin, George23. Prelude (Novellette in Fourths) - Frank Braley, Gershwin, George24. I. Allegro ben ritmato e deciso25. II. Andante con moto e poco rubato26. III. Allegro ben ritmato e deciso27. Impromptu "In Two Keys" - Frank Braley, Gershwin, George28. Two Waltzes in C - Frank Braley, Gershwin, George29. Merry Andrew - Frank Braley, Gershwin, George30. Three-Quarter Blues - Frank Braley, Gershwin, George31. Promenade/Prelude - Frank Braley, Gershwin, George Frank Braley(p)