ネット情報の活用法 その513
前回の続き。炭素循環農法から、人間は、地球という生命体に含まれるので、自然と共生して生きる必要がある。共生することは、束縛ではなく、季節感を実感することであり、お互いを認め合うことである。 自然は、人間に必要なときに、必要なものを与える、という循環論が、炭素循環農法の基本にあるようだ。そこで、その著者が作成したシュタイナーの循環表を以下に抜粋紹介する。 ☆ ☆ ☆ 9. 天の運行?―シュタイナーの見ていた世界 http://freett.com/tenuki/qa/qa2.html これはバイオダイナミック農法などで言われているままのものではなく、「数=色=光」の理論に基づき独自に組み立て直してある。循環方向はみどり → きい → あか → あお → ・・・ 以外の方向は存在しない。 (上記表の解説) 日:夜 0:00-6:00 朝 6:00-12:00 昼 12:00-18:00 夕 18:00-24:00。 土壌の三相〔四相〕:生相〔バイオマス〕が欠落したのが施肥・殺し農法。制御の仕方が分からないのが自然風〔自然猿真似〕慣行農法。 バイオリズム:よく知られているのはS,P,Iの3つだが理論上、共通の「表面意識と肉体のリズム」は4つ〔上段〕。更に、個人特有〔個性〕の意識と関係するリズム〔下段〕があり、人により4+(0~3)=4~7つのリズムが現れる。なお、より正確には13感情、18肉体、28理性、23本能、33知性。 五行説:五臓六腑説と同じ。臓と腑〔左右〕が対となる。 時代:それぞれの意識が、その時代を実質的に支配する〔P・R・サーカー〕。 (以上の)ようになります。「これは一体、何なんだ」とお思いでしょうね。実はこれがバイオダイナミック農法を提唱した、ルドルフ・シュタイナー〔1861-1925〕の見ていた世界を整理、単純化したものです。 農法に直接関係ないものもありますが、彼はいわゆる霊能力者で、肉眼では見えない世界〔非物質世界〕のエネルギーを「色」「数」として、このように見ていました。また、自然農法の提唱者〔岡田茂吉〕も表現は違いますが同じことを述べています。 バイオダイナミック農法〔参考〕:バイオダイナミック・カレンダー OZ GARDEN http://ozgarden.fc2web.com/BiodynamicCalendar.html 色即是空の「空(精神)」もこれのこと。他の多くの宗教や修養・修行法などにも随所にみられる。 (「色即是空」とは、物質は精神「思考」そのものである、ということで、「エヘイエ アシェル エヘイエ」、もしくは「アハイ エシア アハイ 」のことで、意味は、「我思う故に我あり」で、自分が思うものに自分はなる、ということ。 「アハイ エシア アハイ 」を三人称化したものが、ヤハウエだそうだ。モーセに神は、自分の名を「アハイ エシア アハイ 」といったという。陽には陰を、陰には陽をもたらす存在という意味もある。) 更に、バイオダイナミック農法では9種類の「調合剤」があり、堆肥作りや土、作物に散布し、これは「色」「数」「惑星」に対応しています。 現実の天体の惑星は、臓器の意識、心の世界の惑星?=意識〔層〕、等にも対応している。そのため、単に現実の天体だけを考えてもあまり意味がない。 (天動説の精神界の天体で、物質界の天体ではない。) ギリシャ神話の神々や天使も「数=色=光」に対応している〔意識の世界を観て、それに対応させて神話が語られたと考えるのが妥当〕。 直接、物質を構成する(上記の表の)2~7の、6つのエネルギーを草花に対応させ、資材作り〔堆肥〕に使用している。 物質を構成せず、物性として間接的に関与する(上記の表の)1、8、9のエネルギーには糞、鉱物、樹皮を当て区別している。 1〔500番〕は土に〔夕〕、9〔501番〕は作物に〔朝〕散布し、8〔505番〕は??。使用対象や時間帯はそれぞれのエネルギーの性質と密接に関係している。500番,501番は調べた限りでは、対応する惑星がハッキリしないが多分上記の様で良いと思う。 これまた、農法とは直接関係ないがシュタイナーの設計した学校は低学年から昇順に「数=色」の順序通りに配色している。 これは形而上的な精神論ではなく、物質以前の意識〔心〕の世界の科学です。調合剤はオカルトチックで怪しげ(^-^;ですが、実践者は大真面目にやっています。まあ、一種の「おまじない」あるいは「触媒、親和剤」や「同調装置・変換機」みたいなもので、意識の世界の9つの「色=光〔物質的なものではない〕」と対応関係にあります。 [オカルティズム: ラテン語の“occultum = 隠されたもの”に由来し「神秘学」と訳され、近代科学が扱わない〔扱えない〕知識や現象に対し、嘲笑の意味を含めて使われることもある。] このようなものは自然環境に近いほど雑音が少なく顕著に現れます。しかし、これら全てを組み合わせると膨大、複雑化し、対応は困難。単純を旨とする炭素循環農法では、特に天体の運行を言いません。 でも、物質的環境や農法以前の天の仕組みから何者も逃れることはできません。安易に精神論を振り回したり〔精神論では作物は育たない〕、無視〔否定〕したりしないためにも「このようなこともある」ということは知っておいた方が良いでしょう。 何れにしても、エネルギー〔養分〕が集中する部位が一番充実し、質〔命の密度〕が高い=生命力が高い、と言えます。勿論、作物により全ての条件を満たすことはできませんが、大よその目安として、作物の部位(器官)の色に合わせ作業や収穫をすれば良く、緑の葉野菜なら春の新月の夜明け前。黄色の実なら夏の上弦の月の午前中。赤い果実なら秋の満月の午後が最適といった具合に捉えます。 これは旬を大切にという身土不二、医食同源〔薬食同源〕の根拠の一つでもあり、表を見れば何時〔四季、月齢、時間帯、成長段階〕、何処〔部位〕を収穫し、何〔生物、部位〕を重点的に食べれば良いか一目瞭然です〔人は食べないで^-^;〕。ヒトは若い内は適度に肉も食べ、夕には子孫繁栄に励み、老いたら穀菜食を中心に、というのが自然の理であり、天の運行に従う、ということになります。 10. 証明?〔虫の勝手、虫の都合〕 虫〔菌〕が何をどのように選んで食べようと、それは虫の勝手、虫の都合で決めます。言い換えれば虫の餌は神様〔自然〕が決めているのです。 誰がなんと言おうと、人の作った基準〔思い〕がどうあろうと虫が食べれば、それは虫の餌。人が勝手に決めることなどできません。 同様に、天然資材なら良いとか悪いとか、人が決めるのではなく、植物や虫が決めます。そのため、有機JASのように人が勝手に決めた基準は多くの矛盾を含みます。虫にお伺いを立ててから決めるべきです。 毒を盛らず、隔離せず「どうぞお召し上がり下さい」と差し出して「そんな不味いもの食えるか」と虫に突き返されて(笑)、初めて虫の餌ではない、人の食物だという証明がなされます。 実際に自然界や農業の現場で起きている、厳正なこの事実を認めることが大切です。そして、現在の分析技術を持ってすれば、容易に虫の餌と、人の食物の違いを調べたり、数値化できる筈です。 人畜にマイナス作用を持つ、硝酸の含有量や、土壌中有機成分の腐敗により、産生された物質の定性分析・定量化。それらと糖度やビタミン・ミネラル量、発酵成分〔アミノ酸?〕などのプラス作用を持つ成分との関係を明らかにすれば、虫の好みが分かります。 科学的には、このようなことをしなければなりませんが、農業現場や消費者は、虫〔菌〕が食うか食わないか=日持ちの良さ〔菌が食うか食わないか〕、糖度と美味しさで見分ければ十分です。 11. 前提条件?〔施肥の常識 = 無施肥〔自然〕の非常識〕 慣行的施肥農法〔施肥・殺し農法〕の常識を、悉く正反対にすれば炭素循環農法=無施肥農法〔自然農法〕の常識になります。 だからと言って慣行農法の常識が間違っているというのではありません。勿論、無施肥農法の常識も間違いではありません。 では何故、正反対なのでしょう。これは、自然の仕組みが一つであり、前提条件に違いがあるためです。前提条件が施肥と無施肥という正反対の関係であるために、両者の前提条件の範囲内での常識は当然のことながら正反対になるのです。 無施肥〔自然〕の常識 = 施肥の非常識 施肥の常識 = 無施肥〔自然〕の非常識 という関係です。施肥・殺し農法の常識をもって、無施肥農法で起きる現象を判断しても何の意味もありませんし、無施肥農法の技術の応用もできません。また、その逆も真で、無施肥農法の常識でもって施肥農法はできません。 つまり、前提条件を選んだ時点で、技術体系も同時に決まり、他方の前提条件の技術体系は使えなくなります。無理して使うと必ずマイナスの結果を招きます。 前提条件の選択は自由ですが、「毒を食らわば皿までも」が施肥・殺し農法だということを承知の上で選択して下さい。 そして、選択した以上、泣き言は言わないで下さい。例えば、虫の餌を人に食わしておきながら「家の野菜は農薬の残留が無いのに農薬漬けと言われる、消費者は正当に評価していない」などと。 分かっていないのは、虫の餌を消費者に平気で食わせている生産者の方です。もし、これが法律なら知っていようが、いまいが罪は問われます。泣き言を言うくらいなら、前提条件を再検討するべきです。 消費者も同様です。質を優先せず、見かけや値段を選んだ以上、虫の餌を食わされても文句を言わないで下さい。文句を言うくらいなら、虫の餌を買わないことです。 そして、人の食物か虫の餌か、分からなければ虫〔菌〕に聞いて下さい。非食品〔毒物も含まれる食物外物質〕である化学調味料、保存料、着色料等の無添加食品を選び、味覚を正常にして下さい。 ☆ ☆ ☆ 次回に続く。