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2014.07.14
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カテゴリ:交通
世界約200カ国のなかで、面積が約60番目という広大な面積を持ち、しかも列島とそれに連なる島々が南北に広く散らばっている「広大な国」、日本。
亜寒帯気候の北海道から、年間平均気温が20度を超す亜熱帯気候の沖縄まで、多様な気候を抱えている。

また日本列島は、北から南まで山あり谷あり、海や川もあれば広い野原もあり、それに伴い地形もバラエティに富んでいる。
そのため、日本の鉄道は、そんな “地形の見本市”のような土地の上に敷かれているのだ。
実に様々な地形・地質の上に重い列車を走らせるため、明治以来、今日に至るまで土木技術者は知恵を絞り、予算内で、その時代で考えうる最高の“線形”を苦労して設計してきた。

この世界的に見てもとてもユニークな地形を走る鉄道について1冊にまとめた書籍が『鉄道でゆく凸凹地形の旅』(朝日新書)。著者は地図研究家の今尾恵介氏だ。
 
日本地図学会「地図と地名」専門部会主査を務め、地名や鉄道にも造詣が深い今尾氏は、「これほど興味深い世界を専門家だけに任せておくのはもったいない。
その断片だけでも一般に紹介する役割ぐらいは引き受けてもいいではないか」と本書のなかで執筆理由について述べているが、たしかに本書には我々、一般人にとっても興味深い記述が並ぶ。

例えば、JR山手線についての記述。現在のように環状運転を始めたのは大正14年のことだが、建設時の最大の目的は上野と新橋を結ぶことだった。
もちろん両ターミナルを最短距離で結べればベストだったが、両駅の間には江戸時代以来の密集した市街地があったため、土地買収の手間や金額を考えて東京市街の西のはずれにある渋谷や新宿を経由するルートで建設されることとなったという。

「今でこそ『都心部でございます』と澄ましている渋谷や池袋も、当時は雑木林や畑の目立つ郡部であり、だからこそ線路が敷けたのである。(中略)電車で何気なく通り過ぎてしまえば立体感など意識する暇もないが、縦断図面と地形図で細かく観察してみると意外にアップダウンがあり、なかなか絶妙なルート選びであることもわかってくる」(本書より)
 
また、北海道から沖縄までの『鉄道カーブ名場面50選』を紹介した章などは、「線路やたら敷き回し地帯(武蔵野線・常磐線・流鉄 新松戸駅付近)」「中央構造線をめぐる大迂回(土讃線 箸蔵~佃)」など、ユニークなカーブの数々が登場し、読み応えたっぷりだ。

今尾氏は本書の中で、「何が魅力かといえば、伊達や酔狂でカーブしている区間は存在せず、すべてのカーブになんらかの理由が背景にあることだ」と述べている。
一直線で勾配のない理想的なルートがとれない「地形の見本市」、日本だからこそ、すべてのカーブに“理由”があり、当然、人々の創意工夫が存在する。

「きっと各地方の、何の変哲もない路線と見えても、仔細に地図を見ながらたどっていけば、隠された…… 派手か地味かの違いはあっても、魅力が発見できるのではないだろうか」(本書より)

本書を読めば、いつも通勤で何気なく乗っている鉄道にも、隠れた魅力があることに気づくはず。
明日からは、憂鬱な電車通勤が少し楽しく感じられるようになるかもしれない。

(dot.より)
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鉄道と地理の関係は切っても切れない。
大学の地理学科に鉄道マニアが多いのもある意味必然ではある。

今尾氏は地図、地理、地名と守備範囲は広いが、とりわけ鉄道の捉え方には愛がある。

「すべてのカーブになんらかの理由が背景にある」とは名言で、地形と鉄道の関係を考えていくのはなかなかロマンがあるのだ。

氏が語るように、今でこそぎゅうぎゅう詰の満員電車で通る新宿や渋谷もかつでは田畑の広がるのどかな場所だったはずで、その変遷を鉄道はずっと見てきたわけだ。
鉄道と地形を合わせた目線から街の立地や成り立ちを考えるとこれまで見えなかったものが見えてくることになるかも知れない。





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Last updated  2014.07.14 00:53:48
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