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知床のヒグマの栄養源のうち、サケはわずか5%にすぎない―。
京都大生態学研究センターの松林順さん(大学院博士課程3年)らの研究で、意外な実態が明らかになった。 河川改修などの環境変化でサケの遡上(そじょう)が減ったことが原因となっている可能性があり、生態系への影響も懸念される。 サケはヒグマの主要な食料と一般に受け止められているが、捕獲されたクマの胃の内容物調査などから、実際はあまり食べていないという見方があった。 松林さんらは、ヒグマが生きている間、何をどんな割合で食べたかを、「安定同位体分析」という手法を使って調べた。 道が知床半島で捕獲したヒグマ190頭の大腿(だいたい)骨からタンパク質の一種・コラーゲンを抽出し、炭素と窒素の同位体の存在比率を測定。 これをクマの食料となるサケや他の動植物それぞれと比較することで、栄養源となった割合を個体ごとに推定した。 この結果、フキやセリなどの草本が32%、ヤマブドウやサルナシ(コクワ)などの果実が29%、エゾシカやアリなどの陸上動物が15%、畑作物のトウモロコシが12%だったのに対し、サケは5%にとどまった。 北米沿岸部のヒグマの個体群は、サケが30%以上を占めるのに比べて、極端に少ない。 一方、同じ知床の中で比較すると、あまり開発されていない世界遺産地域ではその他の地域に比べて倍近くサケを食べていることも分かった。 (北海道新聞より) ------------------------------ クマは雑食として知られているけど、確かにサケを捕まえて食べているイメージはある。 (お土産で売っている木彫り人形に影響された印象かも知れないが…) 河川改修の影響は少なからずあるだろう。 知床地区は水源から海までの距離が短く、しかも海岸線に切立った崖が続いて滝で海に注ぐようなケースも多いのでサケの遡上がそもそも難しいようなイメージがあった。 そもそも河川改修自体がそれほど行われていないような気もしていた。 しかし地形図等を見ると、人が居住する地区については堰堤の記号もそれなりに見られる。 影響があるとすればこうした場所だろうか。 この辺りは道内の他の地区(普通に河川改修が行われている)との比較があると分かりやすいかも知れない。 砂防や治水といった人を守るための行為が自然界に与える影響については(その是非はとりあえず置いておいたとしても)認識しておく必要がありそう。 道内の他の地区の結果によっては、我々はクマがサケを咥えているイメージを変える必要に迫られるのかも知れない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.07.21 02:31:26
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