面白い映画と退屈な映画の差とは?
「午前十時の映画祭」は非常に良い企画であるが、これを見ることによって、最新の封切作品の質の低下が露呈することも多いのである。それにしても、映画の良し悪しは、一体何によって生じてくるのであろうか?昨年、「午前十時の映画祭」でヒッチコックの「北北西に進路とれ」を見たが、今回で5回目。しかも見る前日には、「ヒッチコック・トリュフォー/映画術」を読んでおり、ストーリーも演出も知った上で見たにもかかわらず、やはり手に汗握って、楽しんでいる。その一方で、その後に見た当時の新作「ロスト・クライム」(伊藤俊也監督)は映画が始まって30分ほどで退屈さのあまり「はやく終わらないか」と思う有様。こちらは原作も読んでおらず、全く初めて。私自身、伊藤俊也監督には関心を持っているのであるが、この有様。この差は一体、どこにあるのだろうか?ここは非常に面白い論点のようだ。