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くれーじーくえいる ぶろぐ

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2008.08.16
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テーマ:ゴルゴ13(71)
 先日iMacにWindowsを導入したことにより、Windows+Internet Explorerでないと閲覧できないWebサイトのチェックもやっと自前で可能になりました。
 これで、Yahoo!コミックでの『ゴルゴ13』の原作の無料立ち読みもできるようになるかな~?と考えているのですが、Yahoo!IDが必要だったりしたらちょっと考えてしまう・・・

〔Target.19:硝子の要塞〕  原作:リイド社SPコミックス第130巻収録(1999年初出)

CAST  ファーガス・ウォルトン:野島昭生  J・J:家中宏  ドハティ:小林修  メリンダ:前田敏子  バニッサ:榎本温子

 イングランドとスコットランドの中間付近の海上に浮かぶとある人工島"イル・ド・ヴォワルル"。スコットランドの貴族が保養地として所有するというその島は、周囲を防弾ガラスの壁で囲ったまさに"硝子の要塞"であった。
 その島を施工業者のドリーン社のヘリで上空から視察する日本人の男が・・・島と同じ設計の別荘を希望という名目でやってきたその人物はゴルゴ13であった。

 車椅子の男ファーガス・ウォルトンが所有するその人工島では、将来的に適職を与えて社会復帰させるという名目の下、大勢の女性たちが集められて快適な生活を送っていた。その日、島で過ごしていたロージー・コックスという女性はフィリピンで女優として映画に出演する仕事を得て島を出ることになり、ヘロインに溺れて落ちぶれていた自分を救ってくれたウォルトンに感謝の意を述べる。ところが、実はウォルトンは島に集めた女性たちを移植用臓器のドナーとして不正に密売する組織の元締めであり、その臓器売買の利益で反政府テロ組織に資金援助していた。島はそのためのいわばドナーの"養殖場"だったのである。
 そして、フィリピンに向かう豪華客船の中でその事実を知ったロージーは、組織のエージェントの手を逃れて自ら海に身を投げてしまう・・・

 場所は変わってフィリピン・マニラのとある療養所。イギリス北アイルランドのベルファストに住むドハティは、心臓に重い病を抱える妻メリンダを半年前からこの地で療養させていた。彼女を救うには心臓移植手術しかないが、メリンダは他人の心臓を身体に入れることに不安を感じていた。自分の全財産を擲ってでも妻に移植手術を受けさせると誓うドハティにメリンダは感謝の意を述べる。そんな彼女の気がかりは5年前に家を出たまま行方不明になっている一人娘のバニッサだったが、ドハティは便りのないのはよい便りだと妻を励ます。
 だがその頃、療養所から目と鼻の先の岬ではロージー・コックスの水死体が発見されていた・・・

 一週間後。ウォルトンの人工島を訪ねてきた療養所院長のリベラはロージーの一件の不手際を詫びる。リベラは手に入りにくい女性の移植用臓器を高品質で"提供"してくれるウォルトンの存在を高く評価するが、島の上空を顧客の視察で飛び回るドリーン社のヘリを見て、もし狙撃でもされたらと一抹の不安を覚える。しかし、ウォルトンはこの島の鉄壁の防御に絶対の自信を見せる。オリンピックで金メダルを獲るほどの射撃の腕を持つ彼の腹心であるJ・Jが監修したこの島は四方を三重構造の防弾ガラスの壁で囲い、天井だけは中の女性たちに不安を与えないよう開けられているが、そこからウォルトンのいる温室を狙おうとしてもどの角度からも死角となるよう設計されていた。もしプールの水面を利用した跳弾で狙ってきたとしても温室の中には弾が届かないようになっているという。
 一方、その島をドリーン社のヘリで上空から視察していたゴルゴ13は、海からも空からも狙撃不可能な鉄壁の"硝子の要塞"を冷静に睥睨する・・・

 そんな中、ウォルトンの人工島をドハティが訪ねてきた。ドハティは妻メリンダを救うため、ウォルトンが非合法の臓器密売人なのを承知で移植用の心臓の斡旋を依頼していたのだ。ウォルトンを喜劇『ベニスの商人』の悪徳商人シャイロックに喩え、女性たちを集めて臓器移植のドナーとして売ることに不快感を隠さないドハティに対し、人は皆生きるために罪を背負うものだとウォルトンは悪びれた様子もない。それを言うなら妻のために彼に臓器を求めたドハティもまた同じ立場ではあった。
 一方、ゴルゴ13はパイロットを雇ってニセのドリーン社のヘリを仕立て、上空から島にいるウォルトンを狙う。ゴルゴ13はイギリス情報部から反政府テロ組織に資金援助するウォルトンとJ・Jの抹殺を依頼されていた。
 ウォルトンにある手紙を見せるドハティ。それは5年前に家を飛び出した彼の娘バニッサからのものだった。女優を志してロンドンに出たバニッサは美容整形手術を受けてロージー・コックスと名乗っていたものの、仕事を得られず落ちぶれてしまった。しかし、ウォルトンに拾われて彼の保養地で立ち直った彼女はフィリピンで映画の仕事を得たことと、最初の映画ができたら家に帰ることを手紙で両親に伝え、整形後の自分の顔写真も同封していた・・・・・・マニラからベルファストの自宅に戻ってバニッサの手紙を見たドハティは、それがマニラ湾で水死体となって見つかったロージーだったと知って愕然とし、危うく妻に自分の娘から抉り出された心臓を移植するハメになるところだった運命の皮肉を嘆く。「おまえは生きていてはいけないのだっ!」怒りに震えるドハティはベルトのバックルに仕込んだナイフを抜いてウォルトンに襲いかかるが、控えていたJ・Jに拳銃で右手を撃たれて阻まれてしまう。だがその時、温室の入口から飛び込んだゴルゴ13の銃弾がウォルトンの頭を撃ち抜いた! 跳弾をもってしても狙撃不可能なはずのこの島でウォルトンが狙撃されたことに驚いたJ・Jは、それが泳ぐ女性たちによって波立ったプールの水面を利用して入射角を変えた跳弾狙撃であることに気付く。そして、それがまぐれ当たりでないことを自らも眉間に銃弾を食らって身を以て知ることに・・・

 事件が終わり、再びマニラの療養所に妻を訪ねたドハティは以前のように妻に移植手術の話をしなくなっていた。メリンダは心から夫に愛されている自分の幸せを噛み締めつつ、未だ行方の知れないバニッサの身を案じる。真実を知るドハティだったが敢えて口にはせず、便りのないのはよい便りだと改めて妻を励ますのだった。


○○○○○○

 単行本第130巻収録、1999年初出の本作は、アニメ化された原作では『死臭の聖者』を抜いて最も初出の新しいエピソードです。本作ではゴルゴ13の人間離れした狙撃テクニックの一端が明らかにされる一方、慈善家を装って集めた女性たちを移植用臓器のドナーとして売り飛ばすという非合法な臓器斡旋の問題にスポットを当てています。ちなみに、本作の脚本を執筆したのは夏緑という小説家兼漫画原作者で、本作でゴルゴ13原作大賞に入選し、以降のシリーズでもいくつかの原作脚本および科学考証を担当しています。

 前回の『スタインベック三世』では開いた郵便受けの扉を利用して跳弾させて門内の標的に当てるという狙撃を披露していましたが、原作のゴルゴ13シリーズでは跳弾を利用した狙撃が登場するエピソードがいくつかあります。
 今回の標的であるウォルトンは、天井を除く四方を防弾ガラスの壁で囲い、どの方向から狙っても標的のいる温室には弾が届かないよう巧妙に設計された人工島に潜んでいましたが、ゴルゴ13はプールの波立つ水面を利用して跳弾の角度を変化させ、当たるはずのなかった跳弾をウォルトンにヒットさせました。原作では島の防御に絶対の自信を持つウォルトンに対してJ・Jが跳弾による狙撃の可能性を指摘した上でそれをも考慮していると説明して主人を安心させていましたが、アニメ版では来客のリベラ医師が指摘してJ・Jが対応策を説明するという展開に改変されています。
 ちなみに、実際に水面で跳弾が起きるかどうか射撃テストをした人曰く、水面への入射角や弾丸の形状等によっては水切り遊びのような要領で跳弾が起きるのだそうです。高速で動く物体に対しては水面もコンクリートと同様の存在なので、その点では跳弾が起きても不思議ではないわけです。
 それにしても、原作では殺されなかったのに、アニメ版ではウォルトン共々標的に指定され、ゴルゴ13の跳弾狙撃がまぐれでないことの証明役とばかりに死んでしまったJ・Jが不憫・・・(苦笑)

 もう一方のテーマである、ウォルトンが営む不正臓器斡旋ビジネスの闇。原作ではリベラ所長の台詞の中で、フィリピンにおいて病院が裁判所と結託して犯罪者の死刑を増やしたりしてまで移植用臓器を確保しようとする不正な臓器斡旋の内幕が語られていますが、アニメでそのまま出すのは流石に難しかったのかな?
 原作のウォルトンは臓器売買で得た利益をイギリスの北アイルランド独立テロ組織であるIRA(アイルランド共和国軍)に流しており、彼と対峙するドハティもまた実はIRAのシンパというちょっと複雑な背景になっています。原作では、アイルランド統一という大義のためにイギリスで大勢の女性を集めてその臓器を売買するという非道を平然と行い、それを「イングランドの女性の血で贖われるべき」「自分なりのイングランドへの復讐」と言って憚らない歪んだ使命感の持ち主といえるウォルトンと、彼と志を同じにしながらも臓器売買に対する不快感を隠さず、最後にはIRAの大義よりも肉親を失った怒りを優先したドハティの対比が印象的ですが、アニメ版では流石にIRAを実名で出すのは避けたようで、ドハティも単なるウォルトンの一顧客という設定になっているようです。ガンダム00でさえ未来世界の設定とはいえスリランカの民族紛争や北アイルランド問題を取り上げてるのになぁ・・・まぁIRAはともかく、二人の背景に関しては原作そのままでもよかったような気がしますね。
 また、原作でのドハティとウォルトンの会話では、ドハティの非難に対してウォルトンが脳死状態でありながら出産した女性の事例を引き合いに出して「脳死した人間から臓器を取り出すのと、生きている人間から臓器を取り出すのと、本質的に何が違うのか?」と問うくだりがありますが、これもアニメでストレートに描写するのは避けたんでしょうか。





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Last updated  2008.10.12 23:51:21
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