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くれーじーくえいる ぶろぐ

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2008.12.13
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テーマ:ゴルゴ13(71)
 今回は先日発売されたB6版ペーパーバックの別冊ゴルゴ13シリーズの話でも少し。今回は有色人種嫌いの白人アイスホッケー選手を巡る話と、光学迷彩を武器にゴルゴ13打倒を目論むイスラエル軍大佐の話、日本最南端の沖ノ鳥島を巡る日中の攻防をテーマにした話の3本立てでした。光学迷彩を纏った特殊部隊をあるトリックを使ってあっさり葬り去ったゴルゴ13ですが、もし彼が光学迷彩を使ったりしたらそれこそ鬼に金棒というか虎に翼というか・・・(笑)

〔Target.36:死に絶えた正装〕  原作:リイド社SPコミックス第33巻収録(1970年初出)

CAST  マダム・マルタン:勝生真沙子  デル・ファルト:上田敏也  客の男:真殿光昭

 モナコ・モンテカルロで第一と言われる高級カジノ"Queen Bee"。その夜、大勢の賓客が集まったカジノに侍女を伴って現れたのはマダム・マルタンであった。たちまち紳士たちの注目を集める彼女だが、その姿をルーレット台の一画から見つめるゴルゴ13の姿があった。ゴルゴ13はディーラーにルーレットの13番を賭けさせ、二度も的中させて客たちの注目を集める。マダム・マルタンも彼に興味を持ったのか、彼の台に座ると同じく13番に賭ける・・・

 一週間前、ゴルゴ13はオランダ・アムステルダムのとある風車の中にて元農協会長のデル・ファルトという老紳士と接触し、"チョコレート・バン"の異名を持つ男、バン・シュルツの抹殺を依頼される。今では政財界の紳士たちの間を蝶の如く渡り歩くマダム・マルタンだが、彼女は本名をメルといい、8年前はオランダのとある街の安酒場で働くしがない女性だった。妻を亡くしたファルトはバンの差し金によって現れたメルにすっかり惚れ込み、彼女をサテンを着こなせる淑女に磨き上げたが、彼女はある日、彼の贈賄の証拠と共に姿を消し、ファルトはすべてを失った。今でもメルと過ごした3ヶ月を宝物のように思うファルトは嫉妬心から彼女を操るバン・シュルツを憎んでいた。バンは警察からスパイの疑いを掛けられて3ヶ月前に姿を消したが、ファルトは来週モンテカルロにメルことマダム・マルタンが侍女と共に旅行に訪れるとの情報を掴み、そこがバンが彼女と会う絶好のチャンスと睨んでゴルゴ13に依頼したのだった。ファルト曰く、バンはみすぼらしい小男だが、国際手配されている今は恐らく顔を変えているだろうと推測、決して表に出てこないバンを隠花植物に喩える。が、その時、ファルトは外から撃ち込まれた銃弾に斃れた! ゴルゴ13はバイクで逃げ去ろうとする刺客の二人組を拳銃で射殺するが、依頼人は息絶えてしまう――――――

 3度目の13番への賭けは流石にハズレに終わった。マダム・マルタンはツキを奪ってしまったお詫びにとカウンター席に移ったゴルゴ13に酒を奢るが、ゴルゴ13は「俺にはそんな習慣はない」と冷ややかに突っぱねる。気分を害したらしいマルタンは侍女を伴ってカジノを後にするが、ゴルゴ13は彼女が侍女を"メル"と呼んでいたのが引っかかる。
 カジノで再会した知り合いの紳士と一緒に亡夫の山荘に戻ろうとしたマルタンは、娼婦らしき女性と話していた侍女のメルを引っぱたいて連れ戻し、男性の車で山荘へと帰る。車でその後を追うゴルゴ13はその途中で割り込んできたワゴン車から銃撃を受けるが返り討ちにする。それはバン・シュルツからの差し金なのか・・・
 山荘に着いたゴルゴ13はマルタンを送った紳士が帰ったのを確認すると、山荘内のマルタンの様子を監視する。シャワールームではマルタンか侍女と思われる女性がシャワーを浴びていたが、そこへバンとおぼしき男性が姿を現した。ゴルゴ13は山荘の周囲を警戒していたボディガード二人を始末し、山荘のベランダに忍び込んで寝室で睦み合うマルタンとバンらしき男の姿を確認する。と、そこへやってきた一台の車。それに乗っていたのは先程カジノでマルタンの侍女が会っていた娼婦風の女だった。そいつがバンの手下だと察したゴルゴ13は彼女を追求、依頼人が死んだのに何故仕事をするのかという女の問いに「俺はその依頼人の息のあるうちに仕事を引き受けた」と答え、自分の質問に答えない女を射殺する。

 翌朝、マダム・マルタンはモンテカルロ市内で開催されるラリーレースを観戦するため、侍女と共に車で山荘を後にした。山荘から出る彼女たちに狙いを付けるゴルゴ13だったが、昨夜山荘内にいたはずのバンは出てこなかった。ゴルゴ13は山荘に侵入して中を探るが、男のいた形跡はまったくない。一連の事象を整理したゴルゴ13は「そういうことか・・・」とある結論に達する。
 モンテカルロの公道上で開催中のラリーレース。その沿線で観戦中のマルタンと侍女を建物の一室の窓からゴルゴ13がM16A2で狙う・・・そして、ラリーカーの爆音に紛れて銃声が響いた瞬間、彼の銃弾が射貫いたのは侍女の眉間だった! 斃れた"彼女"の頭からカツラが飛び、男の顔が現れる。実はバン・シュルツは3年間にも渡って侍女に扮してマルタンのそばにいたのだった。「隠花植物か・・・」最愛のバンを目の前で失い泣き崩れるマルタンを尻目に、ゴルゴ13は静かに窓を閉じる――――――


○○○○○○

 今回は久々にYahoo!コミックの『The Archive Selection of GOLGO13』で原作をチェック。次回の第37話の原作も次の『Archive Selection』に載るようなので有り難い限りです(笑)

 さて、本作は『帰ってきた標的』『スタインベック三世』に続く"隠れた真の標的"がテーマですが、標的の男バン・シュルツは小柄なのを利用してか3年にも渡ってマダム・マルタンの侍女になりすましていたという驚きの結末でした。しかし、彼が何歳なのかは劇中では語られていませんが、十代の思春期ならともかく大の大人が他者を完璧に欺けるほど女装できるもんだろうかという疑問はこの際禁句ですね(笑)アニメ版ではゴルゴ13は侍女に化けていた彼の脚に注目していましたが、その時点ですでに可能性の一つとして頭の中にあったとも推測できます。ちなみに、"チョコレート・バン"の別名を持つバンですが、何故"チョコレート"なのかはWebで調べてみたものの全然わかりませんでした(苦笑)なお、依頼人がバンを評して呟いた"隠花植物"とは、花を付けずに繁殖するシダ類やコケ類、菌類・藻類の総称で、世の男性たちを魅了する表の花たるマダム・マルタンの裏側で密かに息づく男を言い表した言葉というわけです。ただし、この言葉は生物の分類がもっと単純だった時代に使われていた用語であり、現在では生物学用語としては死語に近いようです。

 本作は1970年初出と比較的初期の話ですが、リイド社SPコミックス第33巻への収録は何故か7年ほど遅れています。そのため、他の話と少し毛色が違い、連載初期の少々饒舌なゴルゴ13が見られますが、アニメ版では例によって"今の"ゴルゴ13として描かれているようで、ゴルゴ13の台詞(というか心の呟き)は大部分がカットされてしまっています。まぁ、「侍女のメルならもっと干からびてるだろうからな」とか「マダム・マルタンが"チョコレート"と呼ぶのが聞こえたとき、それが二人のお別れの挨拶だ」とか、今のゴルゴ13の寡黙なキャラに喋らせるにはちと微妙でしょうから(笑)
 また、原作では標的のバン・シュルツは"QQQ"(トリプルキュー)と呼ばれる秘密組織と関係があり、ゴルゴ13に襲いかかる殺し屋たちも"QQQ"の差し金でしたが、アニメ版ではこの辺の設定が曖昧な描写になっているため少々わかりにくかった感があります。カジノで一見娼婦風の女と話していた侍女(=バン)をマダム・マルタンが引っぱたくシーン、マルタンにしてみれば恋人である"彼女"が他の女性と話しているのが気に食わなかったのでしょうが、恐らくは侍女=バンが自分の組織のメンバーである女に指示をしていたものと推測でき、マルタンのまったく与り知らぬ所で彼女を守るべく万全の手を打つ"彼女"の巧妙な性格が窺えます。ちなみに、この娼婦を装った女をゴルゴ13が尋問するシーンは原作ではもっとエロい描写でした(笑)
 あと、原作ではアメリカを代表する歌手・映画俳優のフランク・シナトラ(1915~1998)もマダム・マルタンに言い寄ってフラれた紳士の一人として名前が出てきますが、流石にこれは時代が違いすぎるのでアニメ版では省略されています。

 今回、マダム・マルタンを演じたのはベテランの勝生真沙子。ついこないだの『仮面ライダーキバ』でシルクモスファンガイアを演じてましたが、かつてOVA『ゴルゴ13 QUEEN BEE』でゴルゴ13の標的となる女ゲリラ・ソニアを演じた方でもあります。そういえば、今回冒頭で登場するカジノの名前が"Queen Bee"だったのも勝生さんがマルタン役なのに引っかけたんでしょうか。一方、依頼人の老人はこれまたベテランの上田敏也が好演。あと、バンが扮する侍女役がエンディング・テロップで出ていないのが気になりましたが、ニュータイプ誌のアニメ番組表ではバン役として真殿光昭がクレジットされているようです。真殿氏といえば管理人的には『Fate/stay night』の柳洞一成役が印象的。今回はカジノの客役として出演していたようですが、もしバンが扮した侍女の女声も演じていたとしたら恐るべき演技力ですね(笑)





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Last updated  2008.12.15 00:36:00
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