エントロピーの法則の活かし方
エントロピーの法則は、物理学で使われる言葉ですが、これを活用して私たちの生活を見直すことができます。エントロピーの法則とは、現状に満足して改善や改革を忘れてしまうと、たとえ現在問題がなくても、時間の経過とともに、事態はどんどん悪化し、しだいに劣化、衰退、混乱、無秩序を招き寄せて取り返しがつかなくなる場合があるというものです。課題や目標を達成して、完全に緊張状態から弛緩状態に切り替わってしまうと、やる気や意欲がなくなり、何とかしなければと思っても意志の力で元の状態に戻すことはできなくなります。現状維持に満足しないで、工夫・改善・改良の気持ちを絶やさないことが肝心ということになります。例えば、年末に部屋の掃除、整理整頓をします。不要なものは処分します。部屋がすっきりして気持ちよくなり、満足感を得ることができます。ところがそれで一安心して、しばらく掃除をしないでそのまま放置していると、埃がたまり、物が散乱し、不要なものが増えてきます。必要なものをどこに置いたのか分からなくなり、見つからないとイライラします。部屋の掃除、整理整頓、断捨離は、面倒でも毎日のルーティンワークとして取り組んでいく必要があるということになります。エントロピーの法則では、大掃除をして部屋が片づいたとき、掃除、整理整頓、断捨離をやめるのでなく、そこを出発点にして、さらに快適な住空間を作り上げるために新たな工夫・改良・改善を心がけていきましょうという理論です。カーテンや部屋の模様替え、家具の配置換え、換気扇の掃除、カビやダニの防除、排水管の洗浄、不具合箇所の修理、絵やポスターの新設、花や観葉植物やペットの導入などいろいろと思いつきます。アイデアは次々に拡がってきます。アイデアを実行に移すことが肝心です。エントロピーの法則を日常生活で活用するポイントは、生活や仕事をしているなかでの小さな気づきや発見だと思います。これが生活を活性化する宝の山なのです。気がついたら億劫がらずにメモすることです。小さなメモ帳とボールペンは必須アイテムとなります。スマホのカメラで撮っておくことも有効です。ここでのキーワードは、気づき、発見、工夫、改善、改良、興味、関心です。