天は二物を与えずということ
天は一人の人間にいくつもの才能、美点、強み、長所を与えることはない。一つの才能や能力に秀でている者は、往々にして大きな欠点や弱点を抱えているものだ。この言葉は裏を返すと、誰でも最低一つくらいは他人と差別化できる才能や強みや長所を持っているということではないだろうか。ただし、それをきちんと意識している人としていない人がいる。きちんと意識している人は、欠点、弱点、運命、境遇をそのまま受け入れて、自分に与えられている才能、強み、長所を伸ばそうとしている。意識していない人は、欠点、弱点、運命、境遇を目の敵にして失意の人生を送ることになる。私は幸か不幸か神経質性格者として生まれてきました。神経質者はリーダーや指導者として人の上に立って組織を動かすことは苦手です。行動力が旺盛であるとも言えません。問題解決能力が優れているとも言えません。どちらかというと気分本位で、困難なことからすぐに逃げてしまいます。人間関係の調整能力が優れているとも言えません。容姿が特別よいわけでもありません。運動能力もありません。しかし鋭い感受性を持っています。好奇心が旺盛です。分析力、思考力、創造力、創作力、深耕力、原因究明力、粘り強さ、生の欲望は目を見張るものを持っています。ないものをこれから身につけるよりも、すでに持っているもの、あるものを再評価して、伸ばしていくほうが理にかなっているのではないでしょうか。私は感受性、分析力、思考力、文章作成能力などが備わっていることが分かりました。ただそれに気づくのが少々遅すぎた感があります。もう少し早く森田理論の神経質の性格特徴を学習していたならばと思っております。