映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

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フランス映画

August 3, 2015
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カテゴリ:フランス映画
映画The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛
を見ました。

The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛
THE LADY

出演
デビッド・シューリス ミシェル・ヨー
監督
リュック・ベッソン
音楽
エリック・セラ

 1988年、イギリスで幸せな家庭生活を送っていたアウン・サン・スー・チーは、母の看病のためビルマ(現ミャンマー)に一時帰国するが、そこで軍事政権の暴挙を目の当たりにし衝撃を受ける。「ビルマ建国の父」と死後も多くの国民から敬愛されるアウン・サン将軍の娘の帰国を知った民主主義運動家たちは、スー・チーに民主化運動のリーダーになってほしいと懇願する。政治経験がないからと最初は断るスー・チーだったが、夫マイケルの励ましもあり選挙への出馬を決意する。それは、ビルマを支配する軍事独裁政権との長い闘いの始まりであり、愛する家族とのひき裂かれた辛く厳しい人生の始まりを意味していた。

  冒頭、幼い彼女に父親がビルマについて言ってきかせる。「美しい国なのに外国に入られておかしくなった」国の現状を嘆く彼は、民主国家の建設を夢見て二度と戻らぬ門から出ていった。アウンサン将軍が政敵に暗殺されたために、彼の娘であるスー・チーは国民の間でカリスマ的存在になっていた。単にカリスマの娘というなら隣国にもいるが、やはり本人に実力がないと、期待される役割を果たすのは難しい。スー・チーの場合は責任感のみでなく思想も行動力も父親のそれを立派に受け継いでいたということだ。銃をつきつけられても怯まないで自らは非暴力を貫くという生き方は、よほどの強い意思と勇気がなければできることではない。銃を持った兵士と彼女のエピソードが町の人たちの間で次々と再現されるエピソードが登場するが、軍事政権がどんなに彼女と民衆を隔て事実を隠そうとしても、人々は彼女を慕い、何かを成し遂げる人として期待を寄せていた様子が窺える。

 ただ、その代わりに個人の生活は犠牲になった。夫や子供と自由に会えないのは勿論、書類などは持ち出され、残されたのはピアノだけ。ホスピスにいる夫を呼び寄せようとしても政権は頑なに帰国を勧めるだけだ。政権にとっては「生きてこの国にいる彼女」が最も厄介なのだ。彼女の民主化運動についても書かれているがメインはやはり「引き裂かれた愛」にも負けずに繋がり続ける夫婦、家族の絆である。死病であると知っても彼女を呼び寄せようとせず、泣きごと一つ言わない。この妻にしてこの夫あり。デビッド・シューリスは「太陽と月に背いて」でディカプリオにメロメロにされる詩人を演じていたが、今回は優しさが前面に出た好人物を演じている。

2007年に脚本を読んだ主演のミシェル・ヨーがリュック・べッソンにプロデュースをもちかけ、自身で映画化することに。ミシェル・ヨーはアウン・サン・スー・チーに24時間だけ逢う事が出来たが、その後アウン・サン・スー・チーの自宅軟禁が解けるというドラマティックな事が起こっている。アウン・サン・スー・チーの自宅を見ることができなかったため、べッソンはGoogleEarthを使用。



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最終更新日  March 19, 2017 06:09:28 PM
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May 10, 2015
カテゴリ:フランス映画
みなさん、こんばんは。今日は母の日ですね。この日になるとやたらカーネーションが花屋の店先に目立ちます。みなさんは送られましたか?家は花より団子派です。

ところで、映画の復讐ものは凄惨な物が多いですね。
こちらも復讐ものです。周囲が巻き込まれて可哀想というか…。


コロンビアーナ
COLOMBIANA
脚本
リュック・ベッソン

 1992年、南米コロンビア。麻薬組織のマフィアたちに目の前で両親を惨殺された9歳の少女カトレヤは、その場を逃れてシカゴでギャングとして生きる伯父エミリオのもとに身を寄せる。彼のもとで殺しのスキルを習得していったカトレヤは、美しいプロの殺し屋として成長する。その技術を駆使して両親を殺した者たちに復讐を果たそうと、彼らの所在を探りながら、殺しを重ねていくカトレヤ。だが、FBIやCIAをはじめとする捜査機関が、そんな彼女をマークし、行方を追い始める。

 『ニキータ』『レオン』などのリュック・ベッソンが、製作と脚本を手掛けたアクション・ドラマ。「両親の命を奪ったマフィアに復讐を果たすべくすご腕の暗殺者を目指す」といえばまんま『レオン』で、恋人にも正体を隠しているのは『ニキータ』。両者の要素を取り入れた本作を作ったべッソンは、よほど宿命を背負った女暗殺者が好きらしい。

 両親を殺された直後に現れた殺し屋達に対して動揺の色も見せずに対峙し、それどころか相手の手にナイフを突き刺して逃走する幼少期を見れば、なるほど殺し屋としての素質は十分だ。しかしカトレヤは自分の思いだけで動き過ぎる。復讐する相手に対して残すサインがいつもカトレヤで、マフィア達が怨恨の線を辿っていけば、直ぐに彼等を狙う相手の正体は掴めてしまう。おびき出したいと思っている彼女はそれでいいかもしれないが、請負業の伯父はともかくその母親まで危険に晒すことに全く思いが及ばないのは人間としてどうなのか。

 倫理面を脇に置けば、カトレアに全く隙がない。銃やナイフで自分の手を使って殺すだけでなく、もともと現場にある物を使って殺したりと臨機応変な対応が出来る。伯父の仕込みかとも思えるが、冒頭登場時の伯父がただ相手を殴りまくっていた事を考えると、やはり創意工夫は彼女自身か。FBIもCIAも手玉に取って去っていく彼女はカッコいいアンチヒーローだ。別れた恋人の前にある日ひょっこり姿を現しそうな気がする。



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最終更新日  March 19, 2017 06:09:41 PM
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May 1, 2015
カテゴリ:フランス映画
みなさん、こんばんは。全然金曜日という感じがしませんね。電車も
何気なしに空いていましたし。GWもう皆さまはお出かけでしょうか。
こちらは戦時中のフランスを舞台にした映画です。昔映画館に見に行きました。


『バティニョールおじさん』 ジェラール・ジュニョ / パンド

バティニョールおじさん
Monsieur Batignole

出演アレクシア・ポルタル

脚本&主演ジェラール・ジュニョ

英雄って、そうとわかる鎧を着てたり、顔を見た途端にわかるような
存在とは対極にある。だから、なかなか目につかない。
目の前に困っている人がいた時に、どうするか。
一見とっても普通の人が、そんな小さな選択の積み重ねをしていった
その結果、『英雄』という名で、後から呼ばれた。
英雄の真実って、案外そんなものじゃないんだろうか。

トラップ大佐の家に家庭教師にやって来た時に、マリアは自分が
反ナチスのシンボル的存在になるなんて、思いもしなかったに
違いない。本作の主人公、バティニョールも、自分が
ナチスに楯突くなんて、思いも寄らなかった。
ナチスから貰った家のパーティに、元の持ち主の息子、
シモンが現れるまでは。いや、この時でさえ、彼は
「よし、彼を救うのが正義だ。」と確信し、すぐさま
彼を匿ったわけではない。彼は、あくまで、
戦争当時のフランスにおいて、どこにでもいる冴えない
おじさんだった。
どうしようどうしようと迷ったあげく、最後の所で
突き出すか、突き出さないかという二つの選択のうち、
一つを選んだに過ぎない。大人ならば取り繕ったろうけれど、
子供相手だから、「しょうがないなぁ、やれやれ」という
表情を隠そうともしないバティニョール。いわゆる世渡り
上手タイプでもない事が、この一件からも見てとれる。
一方シモンも、救いを求めて縋る一方の弱々しい孤児という
ステレオタイプの少年ではない。
自分の家を乗っ取ったバティニョールの負い目も見抜いていて、
なかなかキツイ事を言う。
なんだか、これでこの先、うまくやって行けるのかなぁ?と
首をかしげたくなるコンビだ。
彼等の造型からも明らかなように、この映画は、
「ナチスから逃れるユダヤ人の物語」という
何度も語られてきたテーマを、これでもか、これでもか、と
あえてステレオタイプから外して描いてゆく。
例えば、逃避行の過程も、「一歩間違えれば共倒れだから、
互いを信じあって逃亡を成功させよう!と堅く手を組む」という
従来のステレオタイプ映画からは程遠い。また、
ユーモラスなエピソードが随所に登場し、悲愴感漂う逃避行という
ステレオタイプも、回避している。善と悪、すっぱりと
割り切れるものではなかった戦争に、少しずつ映画が近づいていってる
のかもしれない。

フランスで、『普通のおじさん』をリアルに演じられる俳優が、
ジャン=ピエール・バクリの他に、こんな所にもう一人。
権力者には小心、家族と子供に対しては居丈高だけど実は馬鹿にされてて憤然、
魅力的な女性に対しては相好を崩す、と人によってころころ変わる表情豊かな
オジサンをスクリーン上で充分に堪能させてもらった。











最終更新日  August 24, 2018 03:51:31 AM
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March 15, 2015
カテゴリ:フランス映画
かつてシネヴィヴァン六本木の常連だったエリック・ロメール監督の作品を紹介します。季節はちょっと違いますけどね。

『エリック・ロメール 恋の秋』 エリック・ロメール / 紀伊國屋書店
Conte D'automne(秋物語)
脚本エリック・ロメール
出演マリー・リヴィエール
ベアトリス・ロマン
アレクシア・ポルタル

フランス、ローヌ河流域のサン・ポール・トロワ・シャトー。
娘エミリアの結婚式を控えたイザベルは
孤独な親友マガリを心配して、
新聞の結婚交際広告欄に申し込む。一方マガリの息子レオの
新しいガールフレンド・ロジーヌも、かつての恋人・エチエ
ンヌをマガリに紹介しようと考える。さて、二人のキューピッドの
お手並みは?

江國香織の小説『デューク』に、とっても印象的な泣き声がある。
この本のレビューにもだいたい出てくる言葉、びょおびょお。
この泣き方ができる女性の一人が、マリー・リヴィエール。
映画『緑の光線』で、友達に予定をドタキャンされて一人になったデルフィーヌを
演じていた、ロメール作品の常連。
人当たりの良くないデルフィーヌは、パリに行っても他所に行っても、
居心地の悪さを覚え、いじけて泣く。
この泣き方なんて、まさに「びょおびょお」。
そんな彼女が本作で演じるのは、娘と夫がいる女性、イザベル。
すっかり家庭に落ち着いたかに見えても、マガリに紹介するはず
だった中年男性・ジェラルドに好意を抱かれ、まんざらでもない様子の彼女は可愛い。彼女が、年を取ったデルフィーヌに見えてくる。

もう一方のヒロイン・マガリを演じるのも、やはりロメール作品の常連の
一人、ベアトリス・ロマン。『緑の光線』にも出ていたが、印象的なのは『美しき結婚』の
ヒロイン、サビーヌ。
「私結婚するの!」と宣言し、突飛な行動に走る彼女は、『愛してる、愛してない』のオドレイ・トトゥ演じるヒロインの先駆者的キャラ。
本作でも、彼女演じるマガリは、心が揺れ動き、突然泣き出す。
『美しき結婚』でも既婚者の友人のクラリス(アリエル・ドンバール演じる)が、彼女の結婚について同じくお節介を焼いているので、マガリもやっぱり、その後のサビーヌに見えてくる。
この映画を見ている間、私には、今まで彼女達がロメール作品で演じてきたキャラクターと、豊かな経験を経てきた実際の彼女達が二重に見えた。ワイン色と黒の服がよく似合う。
「ああ、随分年を取ったな。でも、いい年の取り方をしたな。」
その感想は、彼女自身にだったか、役にだったか。多分両方。
「まるで18才のようだ。」と語るジェラルド。
元恋人に実にクールな大人の態度を取ったかと思えば、マガリを紹介しようとするが、余裕が感じられるロジーヌは、ちょっと恐い所のあるキャラ。恋に対して
若者のようなミドル達と、悟っている若者。
この対比が見事に決まった四季の物語シリーズ第4作目は、まさしく傑作。ロメールあっぱれ。

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最終更新日  September 28, 2016 12:18:06 AM
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March 14, 2015
カテゴリ:フランス映画
みなさん、こんにちは。今日はいい天気ですね。少年と老人の交流を描いた映画を紹介します。

『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』 フランソワ・デュペイロン / ハピネット

Monsieur Ibrahim et Les Fleurs Du Coran
オマー・シャリフ イザベル・アジャーニ
音楽&脚本フランソワ・デュペイロン

1960年代初頭のパリ。13歳の少年モモは、ユダヤ人街のブルー通りで父と暮らしている。母はモモが生まれてすぐに兄ポポルを連れて家を出ていってしまい、優秀な兄を引き合いに出す父とはうまくいってないモモは、アラブ人の店で万引きを繰り返していた。そんなある日、店の主人イブラヒムは奇妙な事を言い出す。「盗み続けるならうちの店でやってくれ」

街角で客を待つ娼婦の所へ行って、あっさり初体験を済ませて来た後は、その後も彼女達と寝る。「父に構われない寂しさを埋める」わけでもなく、「ただ何となく」といった感じで、大人達の猥雑な世界に、ひょいと足を踏み入れてしまう。そんなモモの、あっけらかんさに驚く。少年は謎だ。

そんなモモの上を行く謎めいた人がイブラヒム。モモの万引きどころか父との鬱屈までも見抜き、ユニークなリベンジを伝授する。
「兄は本を読んでた」と比較する父に対して、「何かを学ぶのに本はいらん 話して学べる」と言い、彼女にフラれて落ち込むモモを「君が与えるものは永遠に君のものだ 欲張ると全て失われる」と慰める。規律を押しつける実父でなく、慈父のような彼にモモが惹かれてゆくのがよくわかる。

デュペイロン監督は前作『うつくしい人生』でも父とは不仲だが祖父とは仲の良い息子を登場させていたが、本作でも祖父と孫ほど年の違う二人の、世代の壁を越えた交流を取り上げている。『うつくしい~』では祖父の衰えと孫の成長が対比されて描かれるが、本作はイブラヒムが成熟した大人として在り、未成熟なモモに自らの生き様を通じて人生訓を引き継いでいく筋立てとなっている。

原作者エリック=エマニュエル・シュミットが実在した祖父の思い出を基に描いたベストセラーの映画化。

イブラヒムおじさんとコーランの花たち
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最終更新日  March 14, 2015 11:13:41 AM
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February 21, 2015
カテゴリ:フランス映画
みなさん、こんばんは。まだ見たばかりの映画『風立ちぬ』の余韻が残ってます。
うわ―最後はゼロ戦だったのか~。こんなにユーミンの歌が物悲しいものとは…。

先日映画アーティストを見ました。


アーティスト
THE ARTIST

アカデミー作品賞&監督賞&主演男優賞&衣装デザイン賞&作曲賞

出演
ジャン・デュジャルダン ペネロープ・アン・ミラー マルコム・マクダウェル 
ジェームズ・クロムウェル  ジョン・グッドマン


監督
ミシェル・アザナヴィシウス

1927年、ハリウッド。サイレント映画の大スター、ジョージ・ヴァレンティンは、彼に憧れる女優の卵ペピーと出会い、自身の主演作でエキストラの役を手にした彼女に「女優になるなら何か特徴がなきゃ」と優しくアドバイスをおくる。そんな中、時代はセリフのあるトーキー映画へと大きく変わっていくのだが…。

サイレントからトーキーへ替わる頃、うまく転身した俳優とそうでない側がいたのは周知の事実。顔だけがいいのは飽きられた。「ガルボ・ト―クス」なんて言われるガルボはさしずめ成功組。さて主人公のヴァレンティンは頑なに喋るのを拒む。

プロデューサーのアルが「僕等は新しい時代にいるんだよ、ジョージ。世界は話し始めてる。人々は新たな顔を求めてる、話す顔をね。民衆は常に新顔を求め、そして彼等は決して間違わないYou and I belong to another era, George. The world is talking now. People want new faces, talking faces. I wish it wasn't like this, but the public wants fresh meat, and the public is never wrong.」と言っても「彼等は僕の声なんか聞きたがらないよI'm the one people come to see. They never needed to hear me.」とはねのけ、自身でサイレント映画を制作するが、結果は無残な敗北に。かつて自分がアドバイスしたぺピーが知らずに「後進に道を譲るべきよ」なんて言ってるのをレストランで聞いてしまい、お互いに気まずい思いをする。

評判は聞いていたが、ジョージに付き従う犬が健気で可愛い。いい生活をしたであろう妻がさっさと彼の元を去るのに、どんなに落ち目になっても彼の傍を離れないし、危機には人間顔負けの活躍を見せる。彼に無理やり辞めさせられた運転手だって彼に優しい。サイレント映画が終わったからと言って、その映画の価値を減じるものではないというように、やがてジョージは復活を遂げる。

彼等の話した言葉が全てこちら側にわかるわけではない。時折サイレント映画のような字幕で紹介される台詞以外は表情と必要以上に大仰な音楽が主人公の心情を彩る。

登場する映画がジャングルもの、剣劇ものと古の映画を彷彿とさせる題材で懐かしい。












最終更新日  January 16, 2018 12:25:18 AM
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February 14, 2015
カテゴリ:フランス映画
みなさん、こんばんは。昨日は風邪をひいて会社を休みました。
人生の終わりってどうしよう、と考えたことはありますか?年を取っていくにつれて
身近になってきますね。個人主義のあの国ではどうでしょう?

愛しき人生のつくりかた
LES SOUVENIRS/MEMORIES

出演
ミシェル・ブラン

パリで小さなアパルトマンに暮らすマドレーヌは、クリスマスを目前に、最愛の夫に先立たれた。3人の息子を育て上げ、ささやかだけど充実した日々を送ってきたマドレーヌだったが、ひとりになってふと自分の人生を振り返り始める。小さなホテルで夜勤のアルバイトをしている夢見がちな学生の孫ロマンは、祖母をよく理解し、2人は親友の様に仲が良かった。そんなある日、マドレーヌが突然パリから姿を消した。「手掛かりは祖母の想い出のどこかにあるはず…」ロマンは彼女を探す旅に出た。

 私たちは子供にものを教える時、何度でも辛抱強く、やりきるまで教える。いつか子供たちができるようになることを経験上知っているからだ。しかし、親に対してはそうではない。彼等がかつてできたことをどれだけ辛抱強く教えても、能力は衰えていく一方だからだ。そして、人間とはそういうものだ。しかし当事者になるまで、私たちはその事を見ようとしない。最近では、死ぬ姿さえ見ようとしない。

 それでもかつての日本では家で看取るのが普通だったが、女性たちも働かざるを得ない経済状況になって、老人たちは施設・ホームに追いやられた。それは海外でも同じだ。ミシェルの妻ナタリーは見たところ仕事をしておらず、趣味のヨガに通っている。時間はありそうだが、マドレーヌと同居するつもりはない。いや、ミシェルがさせなかったのかもしれない。息子三人が集まってマドレーヌが病院にいる間に持ち家を売り、「駐車スペースがある」事だけが取り柄のホーム入所を決めてしまう。ホームにいることが、息子たちの考える母の幸せであり、入っていることで自分たちが安心したいだけだ。だが、マドレーヌの考えは違う。

 マドレーヌにとっては、一世代置いた孫の方が本心を話しやすい。近しい間柄だからこそ、母と息子はぶつかるのかもしれない。人生の終わりを迎える前に、マドレーヌは、やっと自分の考える美しい人生に間に合った。

ロマンとミシェル、迷える二人の男たちにアドバイスする行きずりのGSの男がいい。
「人生の選択は難しい みんな迷ってる あんたは答えを持ってる すごい人だ」
「チョコを勧めただけだ」
「チョコに詳しいなら女性にも詳しいのでは?どうすれば運命の女性に出会えるかな?」「待つのをやめて念じれば24時間以内に現れる」
その通りするとロマンの前には小学生教師のルイーズが。

妻ナタリーのウソを本気にしたミシェルも彼に相談。
「若い男がいるので別れると どうすればいい?」
「現在がだめなら過去を思い出せ」
かつての言葉を口にしてナタリーの情熱を取り戻す。やはりすごい人だ。

葬式に始まり葬式に終わる。マドレーヌ役には国民的歌手のアニー・コルディ。監督は俳優としても活躍するジャン=ポール・ルーヴ。ロマンが働くホテル・アシアナのオーナー、フィリップ役でも顔を出している。



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最終更新日  December 22, 2018 05:57:01 PM
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January 28, 2015
カテゴリ:フランス映画
カンヌ5冠を達成したダルデンヌ兄弟の作品少年と自転車を見ました。


少年と自転車
LE GAMIN AU VELO/THE KID WITH A BIKE

監督&脚本
ジャンピエールダルデンヌ リュックダルデンヌ
出演
セシルドフランス

カンヌ国際映画祭グランプリ


もうすぐ12歳になる少年シリル。彼の願いは、自分をホーム(児童養護施設)へ預けた父親を見つけ出し、再び一緒に暮らすこと。シリルは父と暮らしていた団地へ向かうが呼び鈴を押しても誰も出ない。探しにきた学校の先生から逃れようとして入った診療所で、美容院を経営する女性サマンサと出会う。サマンサはシリルの話を聞き、盗まれてしまった父親に買ってもらった大切な自転車を探し出し、取り戻してくれた。シリルは週末だけ里親になってくれるようにサマンサに頼み込み、一緒に暮らしながら父親探しを始める。
やがて、ようやく父親を見つけ出し、再会を果たしたシリル。ところが父親は喜ぶどころか、シリルをすげなく拒絶してしまう。
サマンサは傷ついた心を抱えるシリルとそれまで以上に真摯に向き合い始め、徐々に二人の心の距離が徐々に近づいていくかにみえた。
しかし、ふとしたことで知り合った青年との関係により、シリルは窮地に追い込まれる……。

ベルギーを代表する映画監督ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ兄弟が、第64回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞した作品。ダルデンヌ兄弟は本作で、カンヌ国際映画祭5作品連続主要賞獲得の快挙を成し遂げた。

「親は子を無条件に愛し子は親を無条件に慕う」この不文律も昨今では通用しなくなってきた。ネグレクト、児童虐待のニュースは跡を絶たず、悲惨な事件が起こる度に眉をひそめてきた私達の感覚も、随分と麻痺してきている。

本作の父親は虐待しているわけではない。しかし父親であることより男であることを優先し、恋人と、彼女と一緒に経営するレストランでシェフをやることにしか目がむいていない。母親が一切出てこないので、もしかしたら「あなたの子よ」と押し付けられたのかもしれない。死別では、こうも恋愛の切り替わりが早くはないように思う。息子がどんな想いで金を持ってきたのかなんて考えもせず、「俺を警察に突き出す気か」と一方的に追い出す。どんなにシリルが望んでも、彼は父親にはなれない。窮地に陥った時にシリルは悟る。血の繋がりがあっても必ずしも親になれない大人もいれば、子を生んだことがなくても親になれる大人がいることを。

映画は実はこのシーンにもう一つエピソードが続く。勧善懲悪というわけではないが、シリルの犯した罪に苦い落とし前をつけさせるのだ。正直謝りにいく所で終わると綺麗なエンディングになったと思うが、子供自身の心に人生は甘くない、と伝えたかったのか。



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最終更新日  March 19, 2017 06:11:12 PM
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January 26, 2015
カテゴリ:フランス映画
映画最強のふたりを見ました。

最強のふたり
INTOUCHABLES/UNTOUCHABLE

出演
フランソワ・クリュゼ オマール・シー

不慮の事故で全身麻痺になってしまった大富豪のフィリップは、新しい介護者を探していた。スラム出身の黒人青年ドリスは生活保護の申請に必要な不採用通知を目当てに面接にきた不届き者だったが、フィリップは彼を採用することに。すべてが異なる二人はぶつかり合いながらも、次第に友情をはぐくんでいき……。

なぜドリスが良かったのだろう?周囲は必ずそう考えるだろう。教養も奥ゆかしさもない。フィリップの気持ちも考えずに自分の言いたい事をいい、嫌なことは嫌だと言う。世話係は相手を気遣うものなのに、不向きなことこの上ない。ところがそれが逆に良かったのだ。子供がそのままデカくなったようなドリスは常識や偏見に縛られず、「障害者を障害者とも思わぬ」言動でフィリップを容赦なくおちょくる。やんちゃが止まらぬフィリップの養女を叱る台詞として、「車椅子で轢き殺すと言え!」と言ったり、チョコを欲しがるフィリップに「健常者用だ」と意地悪を言う。周りの人がはっとする言動だが、二人は平気だ。フィリップが求めていたのは、同情ではなく、本音でつきあってくれる友だったのだ。

スーツとスウェット、クラシックとア―スウィンド&ファイアー、全く違う趣味と文化で育った二人は少しずつ影響しあう。お堅いクラシックの演奏会で始まった誕生会は、ドリスの発案で皆がダンスする賑やかな場に変わり、フィリップについて画廊に行ったドリスは自分でも絵を描くようになる。写真一つでフィリップの心情を察したドリスが、最後に文通相手とのデートをセッティングして去っていくシーンは余韻が残る。彼は決して気が効かない男ではない。成さぬ仲の弟達と叔母の間で自分の居場所に戸惑っていた彼は、人一倍人を気遣う心を持っていた。

実話が元になっていてラストに実在の二人が写真で登場。但し実在の介護士はアルジェリア移民で黒人ではない。



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最終更新日  March 19, 2017 06:11:25 PM
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December 22, 2014
カテゴリ:フランス映画
みなさん、クリスマスが近づいてきましたね。
季節がら忘年会も多いことでしょう。私は明日中国語講座野忘年会です。

ここらでクリスマス絡みの映画を紹介します。

『ブッシュ・ド・ノエル』 ダニエル・トンプソン / ハピネット・ピクチャーズ

脚本ダニエル・トンプソン&クリストファー・トンプソン(出演も)
音楽ミシェル・ルグラン
出演シャルロット・ゲンズブール(セザール賞助演女優賞) 
エマニュエル・ベアール フランソワーズ・ファビアン 
サビーヌ・アゼマ

12月21日、クリスマスを目前に控えたパリで、母イヴェットの2番目の夫ジャン=ルイの葬式が行われた。長女ルーバは妻子持ちの恋人ジルベールと12年もの交際を続けてきたが、子供ができたことで2人の関係が崩れていくことを恐れている。次女ソニアは恒例のクリスマスパーティのことと夫の浮気に心を奪われている。三女ミラは仕事仕事の日々でプライベートはあまり充実していないことに、一抹の寂しさを感じている。
ルーバとミラは偶然出会った下宿人のジョセフに、なぜか悩みを打ち明けるが。

『王妃マルゴ』などの脚本家・トンプソンの監督デビュー作。現在
ジャン・レノ&ジュリエット・ビノシュ共演の新作が公開中。
冒頭、いかにもクリスマス前のヨーロッパらしい街の華やぐ様子が映った後に、全く逆の雰囲気の葬式画面へ。サビーヌ、エマニュエル、シャルロットと世代の異なる女優達が全く個性の異なる三姉妹を好演。面白かったのは、長女が両親の望むいい子を演じる場合が多いのに、この姉妹の場合はエマニュエル演じる次女がそのポジションにいる事。「情熱的な役を演じる事の多い彼女が、こういう普通の奥様の役って珍しいな」と思っていたが、一見平和に過ごしてきたこの次女夫婦も実は…という裏事情がわかってきて、このキャスティングに納得。意外なキャスティングだったエマニュエルに対し、
ボーイッシュで男の子みたいなファッションをまとうミラ役は、シャルロットが今まで演じてきた役の延長上。あの寂しげな笑顔なんて彼女のトレードマークそのもの。夫の裏切りが発覚して、夜の街で管を巻くソニアを始め、ルーバもミラも、クリスマスを共に過ごす相手が見つからず寂しそう。アメリカに比べれば、フランス人ってくっついちゃあ離れを繰り返していて、結構人間関係にドライなのかと思っていたので、「家族としてまとまりたい」って思いは意外だった。やっぱりキリスト教国家にとってクリスマスって特別なんだろうか。なぜか秘密を打ち明けられてしまう謎の下宿人の正体を始め、これでまとまるんだろうかと思っていた個人の物語が、ルグランの音楽に乗って、4日間でクリスマスに向かって収束してゆく。ご都合主義とも言えるが、まあこれも、クリスマスの魔法ということで。

ブッシュ・ド・ノエル
映画「ブッシュ・ド・ノエル
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最終更新日  December 23, 2014 09:52:18 PM
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