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日本のミステリー小説

May 18, 2020
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みなさん、こんばんは。若い力士が新型コロナで亡くなりましたね。

さて今日は短編集を紹介します。

乃南アサ短編集
団欒
新潮社

 一旦ドアを閉じれば、そこは家庭。温かな雰囲気、馴染んだ家具。
そして愛する家族達が待っている。たまに窓の外を通る人はきっとこう言う。
「まあ、何て絵に書いたような一家団欒でしょう!」
ところが、一見一家団欒に見える家庭には、ほんの少し、異常と言う名のほころびが。そのほころびに蟲が住みつき、団欒絵図を侵食する。中の者が気付いた時にはもう遅く、全体がもろくなり、ぱらぱらと表面が剥がれ落ち、やがて…ぱたり、と音がする。歩みは遅いが確実に忍び寄る恐怖、崩壊を巧みに描いた短編集。

 妻の両親と同居し、玉の輿婚と羨ましがられた男。でも家族の「何でもツーカー」の間柄に不審を抱いてゆくようになり…長篇「暗鬼」にも通じる「ママは何でも知っている」他家に帰れば、子供のように語りあえる生活を楽しんでいた夫婦。だが、近所の子供を預かることにより、妻にある変化が現れる「僕のトんちゃん」他「ルール」「出前家族」「団欒」収録。


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最終更新日  May 18, 2020 12:00:21 AM
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February 27, 2020
みなさん、こんばんは。
今NHKでドラマが放送中の若竹七海さん原作のミステリシリーズ最新作を紹介します。

不穏な眠り
若竹七海
文春文庫

「新しい年の幕開けだ。いい年でありますように。…いや贅沢は言わない。今年こそ、病院に担ぎ込まれませんように。調査料を踏み倒されませんように。依頼人が死にませんように。」
なんて新年からショボい頼み事をしていた葉村晶シリーズが何とNHK総合で連続ドラマになった!しかもハムラアキラとなぜか全部カタカナ読みになってる!それだけでかっこいいじゃないか。演じるのはシシドカフカさんと、こちらも全部カタカナ読みだ!何だか番宣ポスターもかっこよくて同一作品と思えないぞ!

 さて、そんなこんなな(どんなだよ)葉村晶の最新作が短編集で登場。このヘーワな日本で何ひとりハードボイルドやってんだよと言いたくなるような願いごとだが、実際彼女の身の回りではこれらの事が日常茶飯事で起こっているのだから仕方ない。あ、彼女と言ったがアキラという名前でも、れっきとした女性である。最近では現場に赴いて驚かれることもなくなったらしい。(『新春のラビリンス』より)

 周辺からも「何であんたは厄介ごとに首を突っ込むんだ」と散々言われるが、主人公なのだから首を突っ込んでくれないと物語が進まない。まあだからといってどこまで酷い目にあわせるかは読者の預かり知らぬところだが、ただ毎回彼女が酷い目に遭う所ばかりを見たいわけではないのだ。人に見えないものが見えてしまう賢さも、仕事と割り切ってしまえない良心も、何度人の悪意と対峙してもぶれない強さも、持ちすぎて(普段は見せないけど)いる彼女が垣間見せるもろもろ、人間的魅力と言ってしまうと「それだけかい!」なあれやこれやを見たいのだ。また、そうしたあれやこれやが、彼女が知らず知らずのうちにエンドマークをつけたはずの事件に一歩踏み込むきっかけを作っている。

 終活で蔵書の処分を頼んできた女性がもう一つのお願いとして頼んできた旧友の娘の引き取りに隠された真意が最後に爆発する『水沫隠れの日々』
幽霊ビルの噂が立つ建物の警備という簡単な仕事が殺人事件諸々に結びつく『新春のラビリンス』
葉村の働くミステリ専門店でGWに〈鉄道ミステリフェア〉簡単な店番の仕事が、値打ちものの時刻表が盗まれてしまい、次々と持ち主を探すことになる『逃げだした時刻表』
こちらも終活といえば終活で、遺品を故人の事を大切に思う人に渡したいという善意が眠っていた過去を掘り起こす『不穏な眠り』四編収録。

 ほら、最初は、本当に簡単そうに見える依頼ばかりだろう?


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最終更新日  February 27, 2020 12:00:20 AM
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February 15, 2020
みなさんこんばんは。そういえばバレンタインですね。盛り上がってるのかな?

さて、今日はSF小説を紹介します。

デカルトの密室
瀬名秀明
新潮文庫

 「犬が人を噛んでもニュースにならない。でも、人が犬を噛んだらニュースになる。」ということわざがある。

 ではこの関係を、人とロボットに置き換えてみると、こうなる。「人がロボットを壊してもニュースにならない。でも、ロボットが人を殺したらニュースになる。」だから、マイケル・クライトンの小説を原作とした『ウェスト・ワールド』や、ウィル・スミス主演の『アイ、ロボット』など、ロボットの殺人は映画などで取り上げられてきた。最も有名なのが、スタンリー・キューブリック監督作『2001年宇宙の旅』だろう。

 ロボットの殺人を取り上げた本作にも、『2001年~』は登場する。世界的な人工知能コンテストに参加するためメルボルンを訪れていた尾形祐輔は、プログラム開発者の中に、10年前に亡くなった天才科学者・フランシーヌ・オハラという名前を発見する。そして何者かに拉致された祐輔を救うため、ロボットのケンイチは、フランシーヌを射殺する。だがこの事件には裏があって…というミステリータッチのSF。複数の「ぼく」が語り手を務めることで、読者はいくつもの視点から、何度も物語を見直さなければならない。かなり頭を使うし、論理的なことも出てくるので、軽くは読めない。


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最終更新日  February 15, 2020 12:00:20 AM
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June 26, 2019
みなさん、こんばんは。オリンピックのチケットをゲットした人が身近にいました。
みなさんのところではいかがでしょうか?

さて、今日紹介する本でテーマとなるのは喫煙です。

ニコチアナ
川端 裕人
角川グループパブリッシング [文庫]

オフィス内での分煙や公共の場で禁煙が広まるなど、日本でも、喫煙者の肩身が狭くなっているが、入社時の条件に、禁煙を義務づける会社もあるなど、禁煙への動きはアメリカの方が早かった。2006年には、煙草産業を取り上げたコメディ『サンキュー・フォー・スモーキング』が製作されている。だから本作の「アメリカのとある会社が、火を使わない無煙煙草を新製品として発表する」というシチュエーションには、リアリティが感じられる。

煙草業界に新規参入しようとする日本企業から派遣されたメイが、「無煙煙草の特許を申請している男がいる」と聞かされて、彼の血縁であるカルロスと共に、その人物を探し出すメインストーリーに、何者かの手記が挿入されつつ、物語は進む。

謎の人物の所在とその意図を探るミステリー要素もさることながら、神聖な儀式に使われた煙草が、巨額の富を生む存在に変貌していく過程も描かれ、盛りだくさんな印象。煙草を楽しんでいるつもりが、いつしか煙草なしではいられない依存体質になってしまったり、煙草を強く嫌いつつも、実はその存在に支配されている……等々、人間の複雑さも垣間見えて面白い。ただ、哲学や宗教めいた描写が入ると分かりづらかった。


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最終更新日  June 26, 2019 12:00:29 AM
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May 3, 2019
みなさん、こんばんは。
店では年代わりセールを行っていますね。楽しまれましたか?

今日はミステリを紹介します。

恋愛函数
光文社文庫
北川歩実

いつも北川さんの作品を読む時は、頭を途中で整理するために、鉛筆と紙が必要になる。というのは、「Aは実はBとCの子供ではなく、Dの遺伝子を云々…で生まれた子だ」という風に、登場人物のアイデンティティに関わる部分が、コロコロ変わるからだ。さて、今回もやはり、鉛筆と紙のご用意を。

男女の最高の相性を科学的に導き出すGP相性診断システムを使ったブライダル情報サービス会社グロリフで、「最高の相性」とお墨付きを貰ったカップル間で殺人事件発生。登場人物はいずれも謎を秘めており、コロコロ変わるのは恋愛感情。「AがBの事を好きだと思っていたら、実はキライだった。」という展開もあれば、その逆もあり。真相が明かされる毎に登場人物達の印象がクルクル変わってゆく。しかし本作の場合、捜査を担当する警察が後手に周りがちで、印象が薄い。そのため、「専門家」である警察の推理よりも、やむを得ず事件に巻き込まれてしまった「素人探偵」が先に結論にたどり着く展開について、意外性も痛快さも感じられなかった。


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最終更新日  May 3, 2019 12:00:30 AM
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May 1, 2019
みなさん、こんばんは。令和第一日目をあなたはどこで過ごしますか?

本日はミステリを紹介します。

犬はどこだ
米澤穂信
創元推理文庫

 25歳にして銀行をリタイアした主人公が選んだ職業は、犬探し専門の探偵。なのに、持ち込まれるのは、「失踪した女性を探して欲しい」「古文書の由来を探って欲しい」と畑違いの相談事ばかり。「失踪した女性探し」とくれば、映画にもなったレイモンド・チャンドラーの『さらば愛しき女よ』みたいだが、「大男の恋人探し」ではなく「祖父の孫娘探し」なので、色っぽい要素は皆無(なんて思っていたが…以下割愛)。

 後者の「古文書の由来探し」なんて、北森鴻さんのシリーズもの、蓮丈那智&三國コンビの専門だろう。ハードボイルドなイメージに憧れているだけの助手に解決できるか?と思いきや、意外としっかりしていて驚く。残念だったのは、肝心の失踪した女性についてだ。関係者からの情報によって、彼女の別の面が次々と明らかになるが、「じゃあ本当はどういう人だったのか」という点が、本人からは明かされず終わる。そのため、実像がつかめず、モヤモヤした感じが残る。また、本作は助手と主人公の一人称で交互に描かれており、一応、「私」「俺」と人称を変えているが、ある程度読まないと、どちらの視点で書かれているのか分かりづらい点もあり、気になった。


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最終更新日  May 1, 2019 12:00:42 AM
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April 30, 2019
みなさん、こんばんは。平成最後の日が来ましたね。
今日はミステリを紹介します。

黙の部屋
折原一
文春文庫

 ある雨の夕刻、美術雑誌の編集者・水島は、一枚の風変わりな絵を古物商の店先で見つけた。その絵を描いた画家、石田黙に魅せられた水島は、彼の作品をネットオークションで次々と買い求めてゆくが……。

 本作が普通のミステリものと違うのは、本物の石田黙の作品が、カラー口絵8ページ、本文中に白黒図版30点以上載っている点である。「お前は石田黙だ」と言われてひたすら絵を描き続ける男と、石田黙を探し続ける水島の様子が交互に描かれる。

 二人は、いつ出逢うのだろう?そして絵を描く男こそ、幻の画家・石田黙なのか?この二つの謎が気になって、どんどん先を読みたくなる。しかし、男の正体が判明すると、謎解きの面白さが薄れてしまう。また、それ以降明かされる事実にも意外性がそれほどないため、緊張感が途中で緩んでしまう。ベースにした事実が足かせとなって、虚構の部分を前面に押し出せなかったからかもしれない。



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最終更新日  April 30, 2019 12:00:30 AM
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February 6, 2019
みなさん、こんばんは。恵方巻食べましたか?あっという間に節分が終わりましたね。
中国では旧正月。それにしては中国人旅行者をあまり見ないような…。

本日はミステリを紹介します。

高城高全集〈1〉墓標なき墓場
高城高
創元推理文庫

 不二新報網走支局長・江上とその妻が、新聞の死亡記事を見た時の会話から、物語は始まる。そして江上が『天陵丸沈没事件』というスクラップブックの表紙を見つめているシーンから、舞台は一気に3年前に飛ぶ。まるで映画の導入部を見ているようなオープニングだ。意気軒昂だった江上が、釧路支局長として特種(とくだね)を追い、船の沈没にある秘密が隠されている事を突き止める様子が、丹念に描かれている。

 技巧に依らず、しっかりした小説を書く人なのだな、とは思う。ただ、江上が物語の真相に気づくまでの過程が、急速過ぎるように思った。もう少し「ああではないか」「こうではないか」など、主人公が迷うシーンがあると、読者も一緒にあれこれ考えられたのに。ハードボイルド小説を読みつけないので、説明を省いた描写に慣れていないだけかもしれない。あと、時代色もあるかもしれないが、「霧のなかで毎日暮らしてるもの…わたしの空気だわ(p172)」なんて言う大人びた少女の言動にも違和感を感じた。


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最終更新日  February 6, 2019 12:00:33 AM
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January 28, 2019
みなさん、こんばんは。若竹さんが生んだ魅力的な探偵、葉村晶の最新シリーズです。
彼女は毎回痛い目にあうのですが、それを楽しみにしている読者もいます(こら)。

錆びた滑車
若竹 七海
文春文庫

​ 探偵だけで一本立ちできれば楽だが、有能さが生憎さほど知られていない葉村晶は、吉祥寺のミステリ専門書店のアルバイト店員と掛け持ちしないと生活がもたない。付き合いのある〈東都総合リサーチ〉の桜井からの下請け仕事で、石和梅子という老女を尾行したところ、梅子と木造の古いアパート〈ブルーレイク・フラット〉の住人・青沼ミツエの喧嘩に巻き込まれ、怪我を負ってしまう。

 その時偶然知り合ったミツエとその孫ヒロトの不審な死に関わるうち、お決まりの葉村晶満身創痍ループが始まる。今回も人が上から落っこちてくるわ、火事にあうわと普通の人の何倍もの災難に見舞われる。おかしなもので読者も彼女の苦難に遭遇するうち慣れていくので、作者が悲惨度のボルテージを上げて行かざるを得ないのではないか。不憫だ葉村晶。

 周囲は彼女に同情しつつも皆自分の願いを叶えようとするエゴイスティックな人達ばかりで、いまいましいと思いながらも葉村晶も引き受けざるを得ない。それでも語り手としての葉村晶から滲み出てくるのは、ままならない世の中に対する苦い思い。タイトルの「錆びた滑車」はトリックでもなく、具体的に作品のなかに出てこない。心身ともに傷つき貧乏かつかつで「首が回らない」葉村晶自身のことを指しているのか。それとも歪みが出て来てあちこちにガタがきている世の中全体のことを指すのか。後者であるなら、きっと微力ながら葉村晶は、それでもガタついた滑車を回す側にいるのだろう。ごまかしてカラカラ回るように見せかけている滑車の回し手になることはなく。


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最終更新日  January 28, 2019 12:00:28 AM
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October 1, 2018
みなさん、こんばんは。一か月半に渡って警察を翻弄した大阪の逃亡犯が山口で逮捕されました。逃げましたね~。
こちらは捜査官の物語です。連続ものですよ。

隠蔽捜査
今野敏
新潮文庫


最初の部分を読んだ時、「なんだこれ、イヤミなエリートの話か?」と、むっとした。有名私大に合格した息子には「東大以外は大学ではない」と浪人をすすめる。元上司の息子と交際中の娘が「私と彼が結婚すれば、お父さんにとって都合がいいんでしょ?」と言われて「たしかに都合はいい」と思うままに答える。だいたい、「私たちは幻想の中で暮らしているというんですか?」「そうだ、作られた世界だ。」なんて話は、家でくつろぐフツーの夫婦の会話とは思えない。

 いや~、家族や友人にいて欲しくない!うっとうしい!これが、主人公・竜崎伸也の第一印象だ。警察官僚(キャリア)として警察庁長官官房でマスコミ対策を担う竜崎とは、対照的な存在として登場するのが、彼の幼なじみである伊丹、警察庁の刑事部長。いわゆる現場派の彼の方が、断然つきあい易そう。だが、そんな「とっつきにくい男」竜崎の印象が、連続殺人事件に対する彼の態度を見ているうちに、変わってきた。塩野七生さんが、イタリアを題材とした作品でよく挙げる言葉「ノーブレス・オブリージ(高貴な者の果たすべき義務)」を、警察の中で実践しようとした男は、一本スジが通っている、結構イイ男だったのだ。エリート意識も、そんなに悪くはないかもしれない。それが「正しいエリート意識」であるならば。


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最終更新日  October 1, 2018 12:00:39 AM
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