西武池袋本店のイルムス館2階で、1月11日から22日(火)まで、
『春よこい ひな人形物語展』が開催されています。
米子の名家の6代目夫人だった、坂口真佐子さんの、
2000点にも及ぶ人形コレクションの一部が展示されているのですが、
素晴らしい展示なのです。
タダ券貰ったので、ぶらり行ってみたのですが、凄く得した気分。
坂口真佐子さんって、早い話がタダの主婦なんですよね。
もちろん特別な名家の夫人であるわけですが、
一介の主婦であることに代わりはない。
でも、江戸時代からの貴重な雛人形あり、人間国宝の作品あり・・
よくぞ、これだけのものを集め、大事に保存しておいてくれたものよ・・
と思いましたね。
こういう方がいて、初めて、生き残ってこられた人形達。
市井の心あるコレクターがいて、ようやくこういった文化は引き継がれていくんですねぇ。
しみじみ、考えてしまいましたよ。
ヨーロッパで素晴らしい彫刻や絵画や建築物が残っているのは、
私財を投げ打って、そういう芸術家をサポートしたお金持ちがいて、
そういう文化財を守ってきたお金持ちがいたからなんですね。
日本はどうなんでしょう。
お金持ちは、競って、スーパーカーとか、高級ブランドバッグとか、
キンキラキンの家具とか時計とか・・
そんなものを買え揃えては、自慢そうにしている。
文化や芸術や美術品を、後の世にまで伝えていかなくちゃ、
自分こそが、守っていこう・・という人は・・・そんなにいるようには思えない。
困ったものです。
知り合いの教授に、私生活はケチくさいのだけれど(ブログ、覗かないだろうな)、
コツコツと古い貴重な本を買い集めては、装丁しなおして、
田舎に建てた図書館みたいな家(らしい・・見たことないですが)に、
所蔵するのを生きがいとしている人がいます。
集めて、どうするのよ・・と聞きましたら、別にどうするわけではないのだ、と。
自分が死んだら、図書館として、利用してもらえばいい・・と。
ヘンなヤツだとは思いますが、そういう人がいてこそ、
文化というのは、ようやくやっと、守られていくのでしょう。
日本のお金持ちのみなさまが、お洋服だ、時計だ、車だ、ジェット機だ、
と自分の贅沢ばかりに浮かれていないで、
せっかくお金持ちになった自分が世の中に出来ること・・
ということを考えてくれるようになると、日本はもう少しよくなるのにね。
テレビも、バブリーな金持ちをチヤホヤ紹介するよりも、
文化を守るためにお金を使う、そういうお金持ちの生き方を
(そんな人がいたら、ですけど)紹介するような番組作れば、
世の中、少しは変わるのでしょうに。
うーむ・・残念ですよ。
などと、思いながら、雛人形の展示を見たのでありました。
22日までです。
一見の価値あり・・ですよ~。