2006 4/13(木)
こんにちは、minminです。
雨も上がり寒くもないのでお外仕事には良い日なのですが、何だか体調が優れずグ~タラしている昼下がりです。
先日、もくれんさんの所でコーラのお話が出て、ふと思い出したことがありました。
私の大伯母は戦前にアメリカで洋裁の技術を習得した人でしたが、体を壊してしまい戦後は弟である祖父の家に身を寄せていました。
幼い頃から祖父の家へ遊びに行くと、まずは必ずFおばちゃんにご挨拶です。
足が不自由でしたから、ほとんど自室から出ることもない生活でした。
Fおばちゃんは鼻メガネの上からジロリと私の洋服を一瞥し、それから微笑みます。
幼い私は訳が分からないまま、この緊張の一瞬を耐えていたように覚えています。
祖父の家へ行く時は必ず母が作った服を着て出かけるのが常でした。
夏はスモック刺繍のワンピースやブラウス、冬は手編みのセーターが多かったでしょうか。
あの頃は特に深い意味も感じませんでしたが、母に洋裁の手ほどきをしたのはFおばちゃんだったそうですから母の新作を見せに私はお使いをしていたのかもしれません。
Fおばちゃんの好きなものはTV,きせるのタバコ、そしてコーラ。
ウエストがキュッとくびれたガラスに瓶に入ったコーラを初めて見たのは多分Fおばちゃんのお部屋だったと思います。
甘いジュースは殆ど飲ませてくれない母でしたから、瓶に入った飲み物は私の密かな憧れでした。
Fおばちゃんが美味しそうに飲むコーラには興味津々でしたが、幼い私にはコーラの色が納得できませんでした。
ジュースは綺麗な色でなければ…。
それでもある時、Fおばちゃんが差し出してくれた瓶に恐る恐る口をつけてみたのです。
いつも美味しそうにコーラを飲むFおばちゃんが羨ましく、きっと私の目が物欲しげに見えたのでしょう。
勧められるままに一口含んでみたら・・・世の中にこんなにジガジガした飲み物があるのだろうか。それに甘いんだか苦いんだか・・・。
ファーストコーラは私の味覚の範疇に無い味でした。
コーラを普通に飲めるようになったのはもっともっと私が成長してからです。
時々、無性に飲みたくなるコーラ。
そして、あのイガイガジガジガを飲むと思い出すのはFおばちゃんの鼻メガネと真っ白な頭です。