銀座の松屋で
ジェン・ミエのスイーツを買ってみた。
口当たりは軽い。でも味はライト感覚ではなく、甘さは上品ながらも、かなりの主張がある。日本でひところもてはやされた「甘さ控えめ(実は味のない)」ケーキとはやはりレベルが違う。「さすがパリの名店」とうならせる「作品」だった。
左はババロア。ベリーのみずみずしさと「これぞババロア」という極上のなめらかな口当たりが楽しめる。食べていくと、中に「あれっ?」と思わせられるクセのある「何か」がしこんであることに気づく。「これは、なに?」 どこかで食べたぞ… と必死に記憶をたどる。脳裏に浮かんだのは「シシィ」こと悲劇の后妃エリザベートの肖像画を使ったボンボニエール。つまりその中に入ってお土産物としてオーストリアで売られている「スミレの花の砂糖漬け」の味、というか、その香料の味なのだ。
こんなところにこんなサプライズをしのばせるとは… 心憎いというべきか、予想もつかない着想といおうか… インパクトが非常に強いので、なんとも不思議な感覚にとらわれる。でも、ま、このサプライスは、なくてもいい気もするけどね(笑)。
右はモンブラン。お酒が強く効いた、クセになりそうなクリーム(マロン+生)にサクサクのベース生地、パリパリのアーモンドスライス。食感の違いがすべてフレッシュなまま味わえるよう構成されている。
パリの有名店のスイーツは、日本支店ではだんだんとフレッシュさがなくなって「作りおき感」が出てくるものが多い。あるいは、日本人の嗜好に合わせたつもりで、味がなくなるか… そうならないようにこのままのレベルをずっと維持してほしいもの。
松屋もきれいになりました。外壁のお化粧は新国立美術館みたい。