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<きのうから続く>
スペインが舞台なのに、撮影はイタリアで行われた『ルイ・ブラス』。旅情を誘う「ご当地番組」は昨今枚挙にいとばがないが、『ルイ・ブラス』は間違いなくそのはしり。 なんとなんと、イタリアでも指折りの観光名所である、「ドロミテ」と「ソレント半島」がさりげなく出てくるのだ。 トレ・チーメ・ディ・ラバレード(Tre Cime di Lavaredo) ルイ・ブラスが王妃のための花を探しに渓谷の奥へ分け入る…… というシーン。ううっ、ここはMizumizuも大好きなドロミテのトレ・チーメへ向かうトレイルではないか! Mizumizuが現地で買った絵葉書↓ 石灰岩質の奇岩のカタチがそっくり同じ。道を見ると現在のトレイルのほうが若干広くなり、整備されたかもしれない。が、基本的に景観は映画の中、つまり1940年代と同じだった。 で、トレ・チーメという3つ並んだ巨岩の麓を馬で走るルイ・ブラス。 これが現在のトレ・チーメ。ここに行くにはいくつかルートがあるが、Mizumizuは、コルティナ・ダンペッツォからバスでミズリーナ湖に行き、そこからまたバスでアウロンツォ小屋という、トレ・チーメへ向かうトレイルの入り口にある小屋まで行った。バスで行けるのはここまでで、そこからトレイル(一番上の写真のルイ・ブラスが馬で走っている道)を15分ほど歩いて、ラバレード小屋(上から2番目の絵葉書の場所)へ。そのまま奥へ進むと、ぐるっと回って出発点のアウロンツォ小屋まで戻るトレッキングができるのだが、これは6時間コースなので、やらなかった。ただ、イタリアでも屈指の景観が楽しめるトレッキングコースであることは間違いない。トレ・チーメの巨大さには本当に度肝を抜かれた。山好きさんには絶対お奨めできる場所。しかも、トレッキングコースもそれほど高低差がないから、ヒヨワな(?)日本人でも大丈夫。ただ、標高は、バスで行ける場所ですでに2300m。 ちなみに、馬で走れるとしたら、アウロンツォ小屋からラバレード小屋までの徒歩でも15分程度の短い距離しかない。ラバレード小屋から先はちょっと急な坂を越えていかないといけないから危険だろう。そのせいか、『ルイ・ブラス』のこのシーン、「渓谷の奥へ分け入っていく」という設定のハズなのに、同じ場所を何度も行ったり来たりしてる(笑)。あの短いトレイルで撮影するとしたら、そうせざるとえないだろうな、と納得。 ソレント半島Penisola Sorrentina どう見ても、「ここはソレント半島でしょ?」という場所もあった。 ちょっとわかりにくいのだが、広々としたテラスがあり、その向こうに海をはさんで半島が見える。半島は上のほうは岩がちで海に近づくと緑が多くなる。テラスからは、わざと遠くの景色を見えなくするように、細いヤシモドキの鉢などを後ろに置いているのがありありとわかる。この黒々とした植物だけ妙に違和感があるし。 ここはおそらく、ポジターノからアマルフィを望むどこかのホテルのテラスではないかと思う。逆にアマルフィとポジターノの中間からポジターノ側を見た写真が拙ブログの11月4日のエントリーにある。 拙ブログでの写真では海の向こうに街(ポジターノ)が見える。『ルイ・ブラス』のテラスは逆に、向こうの街からこちらを見た風景だと思う。 ドロミテとソレント半島――今では世界的な観光地だ。自分も行ったことのある、いわば「なじみの場所」が、1940年代のフランス映画のロケに使われていたというのに驚いた。イタリアの観光地は、北から南から、地中海側からアドリア海側から、ほとんどすべて行きつくした者として言うが、『ルイ・ブラス』は、実にいい場所をロケ地に選んでいる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.05.26 02:01:42
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