夜、サン・ドメニコのフロントホールから中庭へ続くガラスの扉の脇には、松明の火が点され、中庭を囲むガラスの回廊はライトアップされる。
中庭は幻想的な雰囲気に。
中庭を囲むガラスの回廊も、昼間より夜のほうが美しい。
ディナーもサン・ドメニコで食べた。いわゆる「ハーフボード」という朝・夕セットのブラン。
夕食の時間に遅れ気味だったので、慌てて着替え、部屋の中ぐちゃぐちゃのままレストランへ。
レストランは物凄い人で、高い天井に宿泊客の話し声がこだましていた。活気があるといえばあるのだが、期待していた優雅な雰囲気とは対極の夕食になった。カメリエーレも数が足りず、慌しく立ち回り、見ていて気の毒なほど。食事の味もたいしたことなし。
部屋に戻ると、ベッドメークがされていて、ぐちゃぐちゃだった洋服類や小物類もきちんと片付けておいてくれている。
それは一流ホテルの条件としては、当然といえば当然なのだが、どうも気になることが。
このころはデジカメをもっていなくて、一眼レフカメラにリバーサルフィルムを持っていっていた。ディナーに行くときうっかりフィルムの入った袋をそこらに出しっぱなしにしていた。で戻ってきてみると、予備のリバーサルフィルムが1本足りないことに気づいた。
ディナーの前に数を確認したわけではないので、メイドが犯人とは言い切れないが、ありがちなこと。一流ホテルとはいっても、金目のものは絶対に出しっぱなしにしてはいけない。フィルムは当時日本では比較的安価だったが、イタリアではとても高かった。
<明日へ続く>