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Mizumizuのライフスタイル・ブログ

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Tomy's room Tomy1113さん
2009.03.19
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役者には、十八番の演技というものがある。たとえばジャン・マレーがイケメン俳優だったころは、「失神」と並んで、水戸黄門の印籠みたいな役回りのシーンが「ドアップの涙」。

今は残っていないが、ジャン・マレーの映画での最初の大作は、『カルメン』のドン・ホセ役だった。このオーディションは映画のクライマックスで使われる予定の「ホセが涙を流すシーン」で、マレーの泣きの演技を見た『カルメン』のプロデューサーがベタ惚れして、「ホセ役は彼しかいない」とマレーを抜擢した。

その後のコクトー作品でも、必ずマレーがドアップで涙を流す場面が入る。

そんなにジャノを泣かせたいのか、ジャン・コクトー!

と思っていたのだが、『ジャン・マレーへの手紙』を読むと、ある映画の脚本執筆時の手紙に、「君の好きな場面を用意した」とあり、それがどうやらドアップで泣くシーンらしい。つまり、コクトーの趣味というより、マレーの趣味だったらしいのだ。

そんなにドアップで泣く自分が好きだったのか、ジャン・マレー!

ジュード・ロウにも、同じような十八番の演技がある。それは「キレまくる」シーン。ロウは「知性」や「高貴さ」を表現するもの巧いが、同時に「狂気」や「獣性」といったエキセントリックな感情を爆発させるとき、近寄りがたいカリスマ性を発揮する。

アンソニー・ミンゲラと組んだ『リプリー』でも、ロウはキレまくっている。その頂点がリプリーがディッキーを殺してしまうボートでのシーン。リプリーに殴られたあと、血を流しながらリプリーに襲い掛かる野獣のようなディッキーの怒りは、理解不能なくらいの狂気に彩られている。

だが、ミンゲラはロウと組んだ『コールド・マウンテン』では、あえてそうした場面を用意せず、それまでのロウのイメージとはまったく違う無口で純なアメリカの田舎の青年を演じさせた。

南北戦争を舞台にした『コールド・マウンテン』は、戦争、特に歩兵戦の凄惨さと、アメリカの山奥の寒村の牧歌的で平和な風景を交互に見せて、声高ではないが、明確な反戦のメッセージを映し出す。

ロウの演じるインマンは、都会から引っ越してきた南部美人のエイダに最初から思いを寄せている。

インマンの仕事はと言えば…
初登場

エイダと会話をしているときも、別に愛想がいいわけでもない。だが、周りの男たちが、「あいつが口きているぞ」と笑っている。

エイダに乞われると、何でもやってくれるインマン。

畑も耕します。
耕すロウ
エイダのためならエイ~んや、こ~ら。

どちらかというと細身で華奢なジュード・ロウだが、この役のためにだいぶ筋肉をつけたよう。

時代は南北戦争直前。「戦争になれば、みんな戦うよ」と兵士になることに何の疑問ももたないインマン。あくまで彼は、ふつーの田舎の青年なのだ。

そして、開戦。すぐに出征というせっぱつまった状況がシャイな2人の距離を急速に近づける。
見つめ合う2人

「一ヶ月で戻るよ」――戦場へ赴く血気盛んな男たちは、軽い気持ちでいる。だが、それは、4年にもおよぶ長い内戦の始まりだった。

一度キスを交わしただけで男はあわただしく戦場に。
恋人を見つめるインマン
見送るヒロインを見つめる眼は、愛を確認した喜びに輝いている。こうしたカットでロウがはっとするほど美しいのは、ミンゲラが細心の注意を払っているからだろうと思う。ロウはもともとイケメンだが、「素材」だけでは、これほど印象的なカットにはならない。

戦争は、朴訥とした青年の明るい色の髪を
ジュード・ロウ1

黒い色に変えている。
髪は黒く
愛する人にもう一度会うため、脱走兵となって数々の修羅場をくぐりぬけて帰ってきた青年は、「自分は別人になってしまった」と感じている。

長い懺悔のような魂の告白を、聖母のように受け止めるヒロイン。「話をするより、見つめ合ったほうがいい」と言っていた素朴でロマンチックな青年が、戦争という狂気を体験し、やり場のない、大きすぎる怒りと悲しみを抑えながら独白する。この長いモノローグは、ロウ演技の最大の見せ場。

彼は…
土地を守るため
というつもりだった。

だが、現実には、戦争は彼らの大切な土地を荒廃させてしまう。

戦争はおわった

帰還への道中で出会った人は、次々に簡単に死んいく。
この人も…
フレディ
あれっ、『リプリー』のフレディだ。

ということは、好色で大食漢で最後は死ぬ役ですか?

と思ったら、そのとおりだった(笑)。

ジュード・ロウに、あえてそれまでのイメージとはまったく逆の役を与え、十八番の「キレて怒鳴りまくるシーン」も用意せず、俳優としてのロウの可能性を広げようとしたミンゲラの親心を強く感じる作品。

ラブシーンもカット割りが非常に詩的で、たくましくなったロウの肉体美を四方八方から(苦笑)十分に魅力的に見せている。ロウは基本的には脱ぎまくりのヒトなのだが、『コールド・マウンテン』のラブシーンはその中でも、一ニを争う美しさ。

もちろん女性の肉体美も。
完璧なヒップ
この完璧なヒップラインは、エイダ役のニコール・キッドマンその人なのでしょうか。それともここだけ代役?

ロウの精悍な横顔の輪郭線と炎に照らされた肉感的な臀部がお互いの邪魔をしないで両立している、萌え萌えのカット。












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最終更新日  2009.03.21 22:25:56



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