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カテゴリ:Movie(ジュード・ロウ)
縁がないとは、こういうことか…
ひとがNYから帰って来て、ブログもちょうどNY編が終了したとたん… ジュード・ロウ版「ハムレット」、今秋ブロードウェイに進出 というニュースが飛び込んできた。 ハアアッ? ありですか? そんなすれ違い… ものすご~くガックリするMizumizu。も~ちょっと早く決めてよ、その企画。そしたら、NY行きは秋にしたのにさ。 eiga.comの記事によれば、「ロウにとっては、95年の芝居『Indiscretions』以来、14年ぶりのブロードウェイへの登場となる」とのこと。 このIndiscretionsというのが、ジャン・コクトーの「恐るべき親たち」のブロードウェイでのタイトルなのだ。 ロンドンでロウ版舞台「ハムレット」をご覧になったうえに、若き日のロウ演じる「恐るべき親たち」まで、ビデオ鑑賞されたという、ほとんど許せないぐらいうらやまし~方のブログはこちら。 ジュード・ロウの凄いところは、「恐るべき親たち」で元祖ミシェルを演じたジャン・マレーですら、「難しすぎる」と感じた役を、マレーより若くして演じ切り、大評判を取った上に、ブロードウェイにまで進出して成功させたことだ。本家フランスでは、何度も別キャストで舞台化されたり、テレビ化されたりしているが、マレーのように成功する役者は出なかった。 「恐るべき親たち」はジャン・マレーのためにコクトーが書いたものなのだが、シナリオ上のミシェルの設定年齢は、ロウのほうが近かったというのも、不思議な偶然だ。 そして、ハムレット。 当然、ハムレットといえばローレンス・オリヴィエ。オリヴィエ版「ハムレット」は500円で買えるDVDになっているので鑑賞しやすい。 ハムレットの決定版と言われるくらいで、実際に素晴らしいとしか言いようがないのだが、1つだけ気になる部分をあげるとすれば、悩める青年・ハムレットにはローレンス・オリヴィエが少し老けすぎているかもしれないことだ。撮影時には40歳近かったと思うので、仕方ないし、年齢を重ねてこその演技だろうし、演技の本質から言えば、役の年齢と実年齢の乖離というのは、大きな問題ではないかもしれないが、映画はどうしても、舞台と違って顔がよく見えるので、俳優の年齢が気になってしまう。 ブロードウェイでの舞台が成功すれば(成功するに決まっている。ロンドン公演でも世界中からファンがやってきた。ブロードウェイでも間違いなくそうなる)、映画化もされるかもしれない。オリヴィエ版「ハムレット」と競えるハムレットが、60年ぶり現れるかもしれない。ロウはまだ実年齢も(ハムレット撮影時の)オリヴィエより若いし、体型がスリムなので、より若く見える。レイフ・ファインズ(1995年にブロードウェイで演じた「ハムレット」でトニー賞受賞)も、もちろん上手な役者だが、さすがに映画でハムレットを演じるには年を取りすぎている。 ただ… オフィーリアが難しいかと。オリヴィエ版「ハムレット」では、なんといってもオフィーリアの美しさが輝いていた。髪型や衣装を含めたルックスはもちろん、川流れ(溺死)の場面など、あまりに素晴らしくて、うっとりしていいのか、涙していいのかわからないほど。 そして、オフィーリアの歌。何の伴奏もない、ただ細く可憐な声で、狂ったオフィーリアが切れ切れに口ずさむ歌は、あまりに哀しく、あまりに美しい。フルオーケストラの奏でる悲壮で重厚な音楽以上のインパクトで、深く記憶に刻まれた。メロディも素晴らしい。誰が作曲したんだろう?? あのオフィーリアを凌ぐ女優は、今はもう考えられない。今は女性が熱心な観客になってきたせいか、男性の役者で珠玉の輝きを放つ人は多いが、ヒロインが不在ではないかと思うことしきり。 南北戦争を舞台にした「コールド・マウンテン」のニコール・キッドマンを見て、「風と共に去りぬ」のヴィヴィアン・リーは、なんて凄い女優だったのだろうかと、改めて思った。ニコール・キッドマンじゃ、「男性経験のない、清楚な神父の娘」には、どうしたって見えない。 対してヴィヴィアンは、すれっからしにもなれるし、一途で純な女性にもなれる。「哀愁」の演技も繊細で、女性のもつさまざまな面をちょっとしたしぐさであますことなく表現していると思った。今、ああいう演技のできるヒロインはいない。 大作「オーストラリア」でも、またニコール・キッドマンですか… やれやれ。 ジャン・コクトーは「風と共に去りぬ」を見てすぐ、「あの女優(ヴィヴィアン・リーという名前を知らなかったよう)は若いのに、たいしたものです」とジャン・マレーに書き送り、「双頭の鷲」では、「風と共に去りぬ」のイメージを借りたようなスチール写真を撮らせている。 しかし、ジュード・ロウの14年ぶりのブロードウェイは… チケット争奪戦が激しそう。ジャン・コクトーの舞台で有名になり、シェークスピア劇(つまりは古典)でこのところ失いかけていたカリスマ性を取り戻すとは。やはり、並みの役者ではないジュード・ロウ。将来はナイトですかね?(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.07.03 02:05:47
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