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カテゴリ:Travel(フランス)
ヨーロッパの街は、鉄道・バス利用の個人旅行者にとって非常に観光しにくい街としやすい街に分けられる。やっかいなことに、ガイドブックを読んだだけでは、その違いがほとんどわからない。 駅・バス停から街の中心への距離や交通手段はどうか、荷物を預けられる場所があるかどうか、タクシーは拾いやすいか、などなど。 そうした条件を考えたとき、もっとも観光しにくい街、つまり「個人観光客にやさしくない街」の筆頭に挙げられそうなのが、エクスアンプロバンスだ。 ここは小さい街だし、アビニヨンとマルセイユの間にあるから、移動の途中にちょっと寄って半日観光しよう・・・などと日本人らしいことは、考えないほうがいい。 とにかく、とっても行きにくい。 まずエクスアンプロバンスTGV駅と街に近い在来線のエクスアンプロバンス駅(Centre駅)の位置関係。18キロも離れているうえ、鉄道での直接連絡がない。 しかも・・・ TGV駅から街へ行くバスは頻繁に走っているのだが、そのバスがCentre駅には来ない。街の中心から数百メートル離れた(正確な数字は失念)バスターミナルまで来るだけ。 タクシーが拾えるポイントは非常に限られていて、TGV駅もしくは街中のド・ゴール広場(Centre駅から300メートル街中に入ったところ)に「タクシーのいるタクシー溜り」がある。街近くのバスターミナルとCentre駅にはタクシー乗り場はあるが、だいたいタクシーはいない(苦笑)。クルマが停まっていても運転手がいつ戻ってくるかわからない。 公衆電話はなく(もうみんな携帯電話をもっているのが前提になっている)、Centre駅には荷物預けすらなし。ぱっとみた感じでは、駅前に預かってくれそうなホテルもなかった。TGV駅に荷物預けがあったかどうか忘れてしまったのだが、なかった気がする(これは不確か)。 だから、うっかり重い荷物をもって、エクスアンプロバンスのTGV駅からバスに乗り、街近くのバスターミナルで降りてしまう(1人片道3.5ユーロ、15分)と、途方に暮れるのではないかと思う。周囲に道路以外何もないバスターミナルなので。どっちへ行けばCentre駅なのかも、すぐにはわからないと思うし、そもそもが遠い。 ホテルに泊まるなら、街近くのバスターミナルで親切な人をつかまえて、携帯電話でホテルにかけてもらい、タクシーを寄こすよう頼むという方法がある。語学と度胸に自信のない人は、TGV駅からバスには乗らず、タクシーでそのままホテルへ行ってしまうのが一番安全で簡単かもしれない(タクシー代はかさむだろうけれど、TGV駅にはタクシーはちゃんといるので)。 トイレは街に近いCentre駅にはない(確か)ので、TGV駅を使う人はここで。だが、2つしかなくて(2箇所にあるという意味ではなく、文字通り2人分のボックスしかないという意味)、細かいコイン(お釣りはでません)のいる有料機械式。行列は必至。 まったくも~! もっとトイレ作れよ、フランス! TGV駅で便器2つって・・・ TGV駅からバスに乗る人は、とにかく「建物(近代的な駅舎)のあるほうへ」行くこと。TGVのホームから直接出られる近い場所にはタクシーしかいない。TGV駅のバス停は駅舎を抜けてだいぶ歩く(いちいちわかりにくい)。 バスは、 エクスの街近くのターミナル→エクスTGV駅→空港 と行くので、TGV駅から街に行くときは、空港行きに乗らないように注意。 エクスアンプロバンスは、外国人観光客のことなんて考えてない街だと思う。観光客はクルマで来るのが前提のようで、よいホテルは街の外にあるし、クルマで来ない人間は現地に友達がいるのが当たり前のよう。Centre駅では、ほぼ全員のフランス人がお迎えに来てもらっていた。 エクスアンプロバンスの旧市街は十分歩いて回れるのだが、ド・ゴール広場から市民向けのマイクロバスが旧市街を20分ほどかけて回っていて、1人0.5ユーロ。例によって市民の足はメチャ安。 なのだが・・・ ハッキリ言って、エクスって街には、たいした見どころはない。北にあるタピスリー美術館に行って、あまりのショボさにがっくり来た。その近くのサン・ソヴール大聖堂もわざわざ日本人が見に行くほどのものでも・・・。ただ、このあたりは道は狭いのだが、プロバンスファブリックや銘菓カリソンなどを売る店が軒を連ねた上品なショッピングストリートになっているので、買い物には楽しい道。 まあ、プロバンスファブリックもカリソンもエクスアンプロバンスでなくても買えるが(それを言っちゃあ、おしまいよ)。 プラタナスの並木で有名なミラボー大通りは、Mizumizuたちが行ったときは、まだ芽吹いておらず、これまたガックリ。ここは由緒あるカフェなどがある通り。初夏以降は緑が美しいと思う。 街の北にあるセザンヌのアトリエには行かなかった。頑張れば歩いて行ける距離のようなので、セザンヌファンでアトリエを是非見たいという方はどうぞ。直通のバスはなし(観光資源にするつもりなら、公共のバスぐらい走らせれば? まったく)。 Mizumizuがここに2泊したのは、南西部のカルカッソンヌから南東部のコートダジュールに移動する間に、一度ゆっくりいいホテルで休める場所が欲しかったからだ。カルカッソンヌとコードダジュールでは、「名所・旧跡ぐるぐる」のハードな観光旅行になるので、その間で休息の取れる落ち着いた街はないか・・・と考え、港町のマルセイユではなく、エクスアンプロバンスにした。 ホテルはルレ・エ・シャトーのVilla Gallici。フランス式に言うと4つ星デラックス、つまり5つ星。部屋のカテゴリーはClassiqueで、1泊2人で290ユーロ+シティタックス2.7ユーロ=292.7ユーロ(約38,000円)。朝食は別で1人22ユーロ(2,830円)。 しかし、この計画のために、移動が異様に大変なことになってしまった。
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最終更新日
2010.05.20 03:27:17
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