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カテゴリ:Travel(フランス)
TGVで、 カルカッソンヌ7:42→10.27エクスアンプロバンスTVG駅(1人42.8ユーロ) とラクに移動するハズが、パリ・リヨン駅の窓口で、「その時間に出るなら5回乗り換えで11時間かかる」などと意味不明のことを言われ、 カルカッソンヌ11:33→14:42マルセイユ マルセイユ15:05→15:49エクスアンプロバンス(Centre)駅 という切符を、出発後補償を勝手につけられた50.6ユーロで買わされたMizumizu。 カルカッソンヌを11:33に出発する列車は、案の定15分ほど遅れてきた。しかも、ギリギリまで「On Time」表示が出ていたのに、いざ30分を過ぎると、突然「10分遅れ」表示が出る。 わざとやってんのかい? と非常に腹が立った(後日、エクスアンプロバンスからTGVに乗るときに、同じ目にあい、ますます「わざとやってる」と確信することになるのだが)。 電車はもう立ってる人でいっぱいだったが、幸いなことに座席を指定しておいたので、座ることができた。 Mizumizuたちの席に勝手に座っている人がいたので、どいてもらったのだが・・・ここで注意! 「自分が予約した席に、予約してない人間が座ってる」姿を見て、日本人はめちゃくちゃハラを立てる傾向がありますが、これは腹を立てることではありません。むしろ、空いてる席には座っていいんです。ただ、予約している人が来たら席を立つこと。これが向こうの習慣。日本的な感覚で、にらみつけたり、声をあらげたりするのはNG。 列車は例によって、遅れ遅れでマルセイユに向かって走る。本当なら、マルセイユでの乗り換え時間は23分しかないので、アセるところだが、「たぶん、乗り継ぎの電車は出ないでしょ」という予感があった。 15分ほど遅れてマルセイユに着くと、駅はまたも物凄い人。かきわけるようにして進み、電光掲示板を見たのだが、やはり15:05の電車はない。立ってる係員の人に切符を見せて聞くと、「今日はこの電車はない。16:05に代替バスが出る」という説明。 バスは駅の裏口を出て左に来るというので、そちらに移動する。バス停らしきものがあり、大きな路線バスが停まっていた。見ると、「マルセイユ→エクスアンプロバンス→アビニヨン」と書いた紙のボードが運転席の斜め前に置いてある。 これかしらん? だったらラクちんそう。 と、ややホッとして運転手にSNCF(フランス国鉄)の切符を見せながら、乗れるのかどうか聞いた。 すると運ちゃんは、Mizumizuのもってる切符をのぞきこみ、 「○△▲■□~」 とフランス語でなにやら説明している。全然わからない。「英語を話す?」と聞くと、「ノン」と首を横に振り、 「○△▲■□~」 と両手を広げている。どうも乗れないような雰囲気だ。だが、それにしては態度が曖昧。 「○△▲■□~」 身振り手振りで、なにやら一方的にフランス語で話している運転手。乗れるか乗れないか知りたいだけなのに・・・ 困惑するMizumizu。よ~し、英語のできる通行人を探そう。おっ、ちょうど向こうにフィリップ・トルシエみたいなロン毛のビジネスマンがいる。スーツをびしっと着て携帯電話で話してる。彼ならデキそう。 駆け寄って、「英語話せますか?」と聞いたら、「ノン」と首を振る。ああ、なんという見掛け倒しのオヤジだろう。 仕方なく、フランス語で長々話す運転手に、もう一度乗れるのか乗れないのか、ハッキリ言ってもらおうとバスのほうへ。Mizumizuが離れている間に、フランス人が数人行列を作って、次々に運転手に質問を浴びせている。列に並んでいると、誰かが肩を叩く。振り向くと、フィリップ・トルシエ。 「彼は少し話せるって」と、浮浪者みたいな青年を連れてきた。なんとまあ、Mizumizuのために、彼が別の通行人に聞いてくれたよう。 浮浪者君に、通訳してもらったところによると、このバスは国鉄とは関係なく、普通はSNCFの切符をもっていても乗れないのだが、もしかしたら乗せろという話が後から来るのかもしれない。それについてはまだ何も聞いてないのでわからない。ということだった。 はあ~、なるほど。浮浪者君(←失礼な)に、ニッコリ笑ってお礼を述べるMizumizu。 SNCFの職員ならわかるかも、と駅のホームに引き返し、案内係に、「アビニヨン行きのバスが外で待っている。SNCFの切符では普通は乗れないと運転手は言っているのだが、あれが代替のバスになるのか」という意味のことを聞いた。 すると、「ノン。エクスアンプロバンス行きのバスが来る」という話。 なんだ、やっぱまだ待たないといけないのか。 ガックリしてまた駅舎を出て、バス停に戻るMizumizu。するとさっきのバスの運ちゃんが、Mizumizuのほうへわざわざやって来て、トントンと肩を叩き、 「○△▲■□~」 だからさ~、フランス語がわからんの。そうやって、オールフランス語でべちゃべちゃしゃべられても、な~んも、ひとっこともわからんの。 「○△▲■□~」 まだ何やら話してる運ちゃん。だが、とにかく親切に何か言ってくれているのは確か。 そこへ小さな子供2人を連れたスレンダー美人のフランス女性がやってきた。物凄く大きなソフトケースを引きずっている。 「▲■□○△~」 運転手にフランス語で話しかけるお母さん。手に持った切符を覗き込むと、SNCFの切符で「マルセイユ―エクスアンプロバンス」と書いてある。 おお、同好の士ならぬ同行の士ができた。フランス人の彼女にくっついていれば大丈夫ね、と瞬時に心を決めるMizumizu。 「英語話せる?」と黒髪の若いお母さんに聞くと、「イエス、ア・リトル」と言うではないか、やった~! 「彼は何と言ってるの?」と聞くと、「SNCFの切符で彼のバスには乗れないって。あとからSNCFのバスが来るそうよ」と、たった今Mizumizuが駅で聞いてきたのと同じ答え。 ウンウン、わかった――と、バスの運転手に笑顔で頷くMizumizu。どうやらこの運転手氏も、バスを離れてSNCFの職員に確認に行ってくれたようだ。 Mizumizu母が言うには、Mizumizuが駅構内に戻っている間、そこらをウロウロして、どうやらMizumizuを探しているふうだったそうな。 う~ん、フィリップ・トルシエといい、このバスの運転手といい、なんと親切な人たちだ。 スレンダー美人のお母さんに自分の切符を見せ、「私もエクスアンプロバンスに行くから」とアピールするMizumizu。こうして同行の士とともに、ロクに座る場所もないバス停で待った。 美人ママの連れている小さな子供2人のうちの1人は、まだ乳離れしていないよう。「ちょっと荷物見てて、あっち(と草むらのほうを指差して)でお乳をあげたいから」とMizumizuに頼むスレンダーママ。 うんうんと頷くと、草むら方面に行ったのだが、すぐ戻ってきて、「あそこは駅の待合室から丸見え」と言っておもむろに、その場でオッパイを出して、授乳を始めるスレンダー美人。 は、母は強し・・・ というべきか、しかし、道端で授乳なんて、戦争直後の日本じゃあるまいし・・・ 16:05発と言いながら、代替バスが来たのは、4時10分過ぎ。しかも、「だ、代替バスって、これ・・・?」と目を疑うような、ボロッちいマイクロバス。今どき旅館のお迎えでも、もうちょっと気のきいたのを準備するんじゃないの? SNCFの職員と思しき制服が現れて、えらそうに誘導を始めた。 ちっとは申し訳なさそうにしたら? それにもうちょっと早く来て、代替バスがどこに来るのかわからずに困ってる人間に何か言ってもいいんじゃないの? 客のほうが全部自己責任で、あっちこっちの人に確認しなきゃならないって、おかしくねーか? などと反感もつのはMizumizuだけのようで、スレンダーママは文句も言わず、バスに乗り込んでいる。 こんな状態になるのだから、「出発2時間後まで払い戻しが可能な(割高)切符」なんて、買う必要はないのだ。それを知らんふりして、なんの説明もこちらの意思確認もなく、笑顔で売りつけるとは。 それでも、思いがけずプロバンス地方を、クルマでドライブすることになったのだから、車窓の景色が楽しめるかも♪♪ と内心ちょっと期待した。 だが・・・ 期待は見事に裏切られた。そもそも高速道路からの眺めというのはどこもよくないと相場は決まっているが、プロバンスも例外ではなかった。 「南仏プロバンス」の日本でのイメージとはかけ離れた単なる田舎をただ走り、途中何度か停車したあと、これまたえらく寂れた雰囲気のエクスアンプロバンス(Centre)駅でバスを降ろされときには、すでに時間は午後5時近かった。 <続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.22 12:48:26
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