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カテゴリ:Travel(フランス)
ホテルで一休みしたあと、エズ村を歩いた。 生活感のまったくない「中世の小道」。 確かに雰囲気はあるが、いかんせん整いすぎている。旅人を迎えるのではなく、観光客相手に商売するだけの鷲巣村。まさにテーマパークだ。 エズ村には特産物は何もないが、狭い路地はフランス中から高級お土産品店を集めたようなショッピングストリートになっている。素朴なしっくい壁におしゃれにディスプレイしている。こうした「見せ方」が、フランス人は非常にうまい。 ゴブラン織りのカバンを売る店。思わず買いたくなった。よく考えればパリにだってこの手の店はあるのだが。 おかしいのは、バリ島のウブド郊外で見たガラスモザイクを使った工芸品が売られていたこと。エズの店一店まるまるに、派手なガラスモザイクの鏡や写真立て、それにランプになった仏像まで置いてある。一見すると東洋趣味のここらのアーティストの作品のように見えなくもない。どこで作っていることにして売っているんだろう? はるばるバリ島から南仏まで運んできて、こんな絶壁の村まで引っ張り上げるとはご苦労なことだ。 元来エズとはなにも関係のないバリ島産の工芸品が、さも南仏ゆかりの品のようにして売られている。これもグローバル化の産物か。こういうダマシが、旅をますますつまらないものにしている。 なにもここで買う必要は全然ないのだが、思わず買ってしまったGien社のプレート。ホテルで休んだら、買い物パワーが沸いてしまった(笑)。 プロバンスから来たばかりなのに、なぜかここ、コートダジュールのエズでMizumizu母が買ったプロバンスファブリック。地味な緑の色合いとオリーブの木や実を象ったデザインが気に入ったよう。 Mizumizuも以前、リモージュでこのプロバンスファブリックを買ったことがある。 そして、今回はエズでリモージュボックスに目が留まった。 リモージュに行ったときは、逆にこうしたものは目に入らなかった。不思議な話だ。 観光地エズに合わせた絵柄になっているものも多い。 「シャート・デズ」と架空のエズ産シャトーワインのボトルを作ったアイディアが気に入って、即座に購入決定。いくつか同じ形のものがあったのだが、絵付けが全部微妙に違う。 こうやって留め金をあけて中にアクセサリーや薬などを入れる。中は職人のサイン入り。 値段は128ユーロで、安くはないが、エズのイメージに合わせた、ありきたりではないお土産品をリモージュの職人に作ってもらうという発想がいい。こういうお土産なら「ほかでは買えない」という希少価値もある。 日本も観光地と伝統工芸の職人が協力して、こういうお土産を開発したらいいのではないだろうか。大量生産の手ごろなお土産品ばかりを売ろうとしても、みなもうそういうモノには飽きている。数ははけなくても、アイディアとクオリティを気に入ってお金を出してくれる客もいるはずだ。 エズ村のてっぺんにはサボテン公園がある。入園料は5ユーロ(本当に、いちいち高い)。 サボテンはたいしたことないが、エズでもっとも高い場所にあるので、360度の眺望が楽しめる。 サンジャンカップフェラ方向を見下ろしたところ。シェーブル・ドールから眺めがほうがずっと迫力があるが・・・ こちらはイタリア方面。 山側、つまり村の入り口のバス停付近。 ゴテゴテしたサボテンと彫像の向こうに、地中海が広がっている。ホテルに宿泊しない人は、このサボテン公園から海を眺めなければエズに来た甲斐はないというものだ。つまり旅人、もとい観光客はタダでは帰れない。ちゃんと5ユーロ徴収されるようになっているというわけ。
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最終更新日
2010.06.09 08:39:35
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