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また8月中旬に、米国で350万部の売上げを誇るという「子供のための世界年鑑2010」の表紙をキム・ヨナが飾ったということで、例によって韓国メディアが「フィギュアの女帝キム・ヨナが世界最高の名士になった」と持ち上げた。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0818&f=national_0818_133.shtml だが、実際にはこの表紙は、「キム・ヨナ入り」と「キム・ヨナなし」の2つパターンがあったのだ。 この話もロス名誉市民の話も、「金で買った名誉」の匂いがするのは明らかだ。 ロスで世界女王になり、続いてカナダで五輪女王になったからといって、なぜキム・ヨナ個人には縁もゆかりもないアメリカのロスで「名誉市民」になったり、「キム・ヨナの日」ができたりするのか。アメリカの有名誌の表紙になったと言いながら、なぜキム・ヨナだけ「入り」「なし」バージョンがあるのか、 8月というタイミングでこうしてアメリカでの「名誉」を買ったのは、それで10月のロスのショーにはずみをつけようとしたのが確かだろう。 IMGにとって、自分たちなしでアメリカ進出を「ここまで本気で」企てるATスポーツ(キム・ヨナ事務所)の動きは目障りに違いない。さらにIMGとキム・ヨナには過去の確執もある。 2010年4月のIBスポーツからの独立劇のゴタゴタは周知の通りだ。IBスポーツの実力者を引き抜く形でキム・ヨナファミリーはATスポーツを設立するのだが、これがIBとATとの訴訟問題に発展した。(こちらに詳しい) それより前、キム・ヨナはIMG系のIM(インターナショナルマーチャンダイジング)と2010年末までマネージメント契約を結んでいたのだが、キム・ヨナの母曰く、「まともにマネージメントしない」という理由でIBスポーツに移り、IMがIB(キム・ヨナ本人ではなく)を訴えて韓国で敗訴している。 そして2010年夏。五輪女王となり、「世界のすべてが変わってしまった」(オーサーの弁)と勘違いした母と娘は、用済みになったオーサーを切り、親しくなったミシェル・クワンの知名度を借りてアメリカに本格進出をしようとした。日本でのIMGがらみのショーと同日、さらに日本のショーにいったんエントリーしていた中国人ペアをエントリーさせるという、嫌がらせのようなことまでして。こうした動きを大目に見るほど、IMGはショービジネスを甘くは捉えていないということだ。 キム・ヨナを支援してきたのは韓国を代表する大企業だが、ここに来てそのスポンサードも怪しくなってきた。 現代カード主催の韓国でのアイスショー「スーパーマッチX-メダリスト・オン・アイス」に肝心の自国の五輪女王が出演しなかったこと、さらにはグランプリシーズを辞退したこと・・・この流れを見て、Mizumizuはキム・ヨナの支援にスポンサーが不安を抱くだろうと予想していたのだが、案の定、このような記事が出た。 http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=132545&servcode=300§code=300 ‘広告クイーン'キム・ヨナ、エアコン・携帯電話テレビCM中断 キム・ヨナとブライアン・オーサー氏の間で葛藤が生じている中、広告界でのキム・ヨナの地位も揺れる兆しが見えている。 キム・ヨナにとって大きいのは何といっても韓国を代表する企業であるサムスンと現代自動車。民間企業がスポーツ選手を支援するのは、社会活動的な意味合いもあるが、投入した資金に見合う宣伝効果があって欲しいからでもある。「グランプリシリーズで勝ちまくり、最高格式の大会で優勝する」キム・ヨナなら宣伝に使う意味は大きいが、今季のようにシリーズにまったく出てこないとなると、スポンサーがキム・ヨナに資金提供する意味がなくなってしまう。 韓国には日本以上にニワカファンしかいない。フィギュアファンではなくキム・ヨナファンなのだ。そうした国では自国選手が出なければ試合の視聴率もまったく取れないだろうから、試合を中継するテレビ局の「被害」も甚大だろう。韓国スケート連盟も、キム・ヨナにいきなりワールドのみに参戦するのではなく、別の試合に少し出て、ISUに上納する・・・もとい、試合カンを取り戻すよう奨めているという。 これまで後ろ足で砂をかけるような真似をしてトラブルになってもすべて乗り切り、ステップアップして破格の収入を手に入れていったキム・ヨナだが、天下を取ったはずの五輪後のシーズンにこんなことになっている。それについては、ハッキリ言って身から出た錆だが、1つ嫌なことは、ATとIMGの対立が他のスケーターのショー招聘に影響するかもしれないことだ。中国ペアのダブルブッキング問題がまた大きく影を落としそうだ。つまり、ATのショーに参加したスケーターは、微妙にIMG主催のショーに呼ばれなくなる・・・そうした事態が起これば、日本のファンの楽しみにも水が差されることになってしまう。さらに、「IMGを怒らせると、ATのようになる」という話になれば、アイスショーの世界でのIMGの寡占化が進んでしまう。 アイスショービジネスの世界、しかもアメリカ開催のショーで、大手のIMGをあからさまに敵に回すようなやり方は、いかにもまずい。IBスポーツに在籍していれば、こうしたヘタクソな手法は取らなかっただろうが、キム・ヨナの母は、「やり手」にみえたIBスポーツの重役を盲目的に信頼してしまったのだろう。だが、大きな組織にいてやり手だった人間が、独立して同様の手腕を発揮できるとは限らない。元の企業といざこざを起こして辞めたら、なおさらこれまで培ってきた人脈も使えなくなってしまう。 すでに十分な収入を得ているのに、目先の欲に目がくらみ、他人の感情を顧みないからこういうことになる。すべて自業自得だが、アイスショーでは日本のファンに不愉快な思いをさせ、一言「これは私とオーサーの問題。他の選手は一切関係ない」と言えばすむことを曖昧にしたまま「自分と家族以外の誰か」を悪者にしようとし、バッシングされると今度は一転して被害者ぶり、なんとか世間の同情を集めようとする。こんなフィギュアスケート選手はこれまで見たことがない。お金がいかに若いスポーツ選手とその周囲を勘違いさせ、歪ませるか。その典型を今回のキム・ヨナ騒動に見る気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.09.01 00:05:24
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