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カテゴリ:Travel(日本)
露天風呂のあとは、温泉街へ…は、行かず、榛名湖方面へドライブすることにした。なにしろ日帰り、温泉街は夕方でも賑やかだが、山に行くなら早い時間のほうがいい。 東京で散ってしまった桜が、このあたりでは見ごろだった。ぐいぐい高度をあげて山道をのぼる。あっという間に伊香保の街が眼下に小さく固まった。 のぼったあとは、なだらかな高原になる。榛名湖はカルデラ湖。なるほど地形はプチ阿蘇といった感じがしないでもない。 気持ちのいい直線道路を快走。 思ったより早く榛名湖に着いたので、足を伸ばして榛名神社に行ってみることにした。榛名神社は、榛名湖からは少し下るのだが、それでも相当な山の中にある。きっとこじんまりした神社なんだろうと思いきや… 山の中のハズなのに、急に茶屋やら土産物屋やらが並んでいるりっぱな参道が開けた。 満開の桜が迎えてくれる。「人々が集う」場所が急に現れた感じだ。摩訶不思議な気分。もしかして、榛名神社って、由緒あるデカい神社なのか? こんな場所に?? 予備知識ゼロで来たMizumizu+Mizumizu連れ合い。とりあえず土産物屋の駐車場に車をおき、神社の説明を書いた看板を読むと、榛名神社は700メートル歩いた先にあるという。 700メートル先!? 何度も言うが、ここは相当の山の中だ。ここから700メートル先って、一体全体どうなってるの? 百聞は一見に如かず。行ってみりゃわかるでしょ、ということで歩き出す。 りっぱな杉並木の道が続く。よくこんな山の中にこんな道を作ったものだなあ…などと感心しているうちに、道は険しさを増し、視界に岩がちの山肌が見えてくる。 途中はこんなトンネルになっている。これが神社へ続く参道? これだけ安全な歩道を作る前は、ここはどんな道だったのだろう? 武田信玄が戦勝祈願したという「矢立杉」(国指定天然記念物)までは約10分ほど。たしかにデカい(苦笑)。 この画面の右に写っているのが矢立杉。だが、天然記念物の巨木よりも、周囲の巨岩・奇岩のほうに驚いてしまった。岩がちの山肌を削って流れる一筋の滝。なるほど森厳とは、ここのような場所を言うのか。 巨岩の隙間をすり抜けるように階段が作られ、本社へ向かう。 奇岩と重要文化財に指定された建造物の織りなす不思議な景観に、すっかり度胆を抜かれるMizumizu。建物には、明らかに日光東照宮につらなる江戸趣味の木彫りの彫刻が施されている。 このような山奥のそのまた奥の神社に、運ぶのだって大変だろう。宗教心の篤さというより、財力のある後ろ盾の存在を強く感じた。 だが、しかし… 凄いとは思うが、この趣味は、やはり美意識に合わないのだ。ショーグン趣味と言われる日光東照宮が、そもそもそうだから、ここも当然そういう感想になる。 「榛名神社」の起源自体は10世紀にさかのぼるというが、今見る形に整えられたのは江戸に入ってから。だが、神社境内で9世紀のものと考えられる遺物が見つかったというから、どういった規模であれ、はるか昔にここに神社が築かれたのは事実らしい。 誰がどんな情熱をもって、この地に最初に神社を建立したのか。どうやってこの場所を見つけ、何を感じてそうしたのか。 奇岩と巨木と清流が、その答えを知ってる。10世紀まで時間を遡って早回しで見ることができたら、ここほど興味深い変遷を見せる神社も日本にそうないかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.05.30 22:21:12
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