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カテゴリ:Gourmet (European)
11月9日まで開催中のイタリアンレストランウィーク。 駐車しやすい東京ミッドタウンのBOTANICAも特別メニューで参加中と聞き、行ってきた。 BOTANICAは、ミッドタウン4階にあるひらまつグループの店。東京ミッドタウンは人が多いが、このフロアまで来ると静かで落ち着ける。 ダイナースカードで支払えば、カクテルとミネラルウォーターが無料でサービスされる。食前酒のカクテルは洋ナシとハーブのカクテルだった。ノンアルコールもお願いできる。洋ナシは「すりおろし」といった風に果実感がふんだんで楽しめた。料理への期待がぐっと高まる。 突き出しは、キタアカリ。これには少し意表を突かれる。表面がカリッと硬く、中はジャガイモらしくほっこり。こんな単純な料理でも、広い意味での「火入れの巧みさ」を感じ取れた。 生クリーム(乳脂肪35%だとか)に塩をまぜてホイップしたクリーム、あるいはピンク岩塩を付けていただく。ホイップはおかわり自由で、パンにも。塩はやや強めだが、軽く上品な味わい。もともと生クリームは大好き人間のMizumizuは、じゃんじゃんつけて食べてしまった(これだけで凄いカロリーだろう・笑)。 前菜は和牛のカルパッチョにボイル野菜と生野菜の組み合わせ。カルパッチョといいつつ、実際は「たたき」。臭みもなく、文句なし。そこに火を入れたアスパラの硬さと生野菜の柔らかさがいい塩梅。ドレッシングには卵も使われている。全体的に軽いが、バラエティに富んだ食感と風味が楽しい。 う~ん、さすがにひらまつグループ。いいシェフがいるなあ。 プリモ(第一の皿)はイカ墨を練り込んだタリオリーニ。モンサンミッシェルのムール貝も。カボチャのクリームソースということだったが、ソースはごく少量でその分味が濃縮されている。イカ墨の微妙な甘さとカボチャの主張する甘さ。どちらも個人的に大好きな味の系統だ。ムール貝もよく合う。ところどころにセロリの葉の青臭さが混ざる。好みが分かれるアクセントだが、Mizumizuには好ましかった。 セコンド(第二の皿)は、氷温熟成氷室豚の肩ロースの炭火焼。しかし、このスマホ(非iphone)の写真はひどいなあ…(苦笑)。「スマホで写真撮るなら絶対にiphone」という巷の評判は、どうやら本当だ。 お店のホームページから取った写真を拝借しよう。 こちらのほうがずっとリアルに近い。 豚の肩ロースなんて、そんなに期待していなかったのだが、これがまた驚きのおいしさ。炭火でこんがり焼いて、表面は香ばしく硬く、中はびっくりするほど柔らかい。脂の柔らかさとはまた違う味わいで新鮮だったし、火入れの巧さには、ひれ伏す思い。 付け合わせはサルシッチャ(ソーセージのような腸詰)ということだが、細かく刻んでよく火を通したベーコンとしか思えなかった(笑)。和食のそぼろのような甘辛い味付けで、これまた非常に個人的嗜好に合う。柔らかめに火を通したグリーピースのやや青い風味がまた粋なアクセントに。ここのシェフは本当に、硬い食感と柔らかい食感の素材の組み合わせがうまい。 ワインはグルナッシュ系をチョイスしたのだが、果実味ふんだんな酸味がプリモにはどんぴしゃり。メインに関してはもっと渋みの強い、重いものを合わせたかった。あまり飲めない体質が残念だった。 こちらは「別料金になりますが」ときちんと説明されたあとに、Mizumizu連れ合い選んだチーズ(あとで見たら900円だった)。ハード系でまとめている。しかし、ミモレットがあまりに情けないなあ…。これじゃまるで削りかすみたいじゃないですか。ここまでケチらんでも…(苦笑)。 デザートは、これまた大好きな「栗」。 こんな感じでサーブされ、 スープ(ソース)をかけてアッフォガート風にいただく。メレンゲのふわりと溶ける食感と、ローストナッツのかりっと硬質な食感、それぞれの風味の対比、薄いリーフ形のチョコレートのカカオの豊潤な味。甘露煮の栗そのものもこっそり隠れている。いろいろな食感と風味が楽しめるデザートで、これまた大いに気に入る。 〆のエスプレッソに添えられてきた生チョコ。これはごくごく普通。 ひらまつグループのレストランは、だいたいどこに行っても内装は高級感があるし、サービスもいいし、味も悪くない…のだが、どこか「突き抜けた」感じがないという印象だった。つまり、値段は高すぎることはないが、といって「お値段以上」の大きな感動もない。スタッフはみな感じがいいが、常連になりたいという感じでもない。常に及第点だが、二度・三度と行きたくなる店ではない。それがほとんど。 だが、BOTANICAのシェフは違うかもしれない。ちょっとした素材の加え方に、小さな驚きが隠れている。その繊細な配慮が非常に日本人的。一応ジャンルはイタリアンだが、ソース使いにはフレンチの要素もあり、味付けには和の感覚もある。 素材選びが、不思議と個人的な嗜好にぴったりだったのも大きい。 また行こう、東京ミッドタウンのBOTANICA。暖かい季節ならテラス席も気持ちがよさそうだ。 子供連れを歓迎する店だとかで、「子供が走り回っていてファミレスみたいになっていた」という口コミもあり、ちょっと心配したのだが、Mizumizuが行った夜は、子連れファミリーは1組だけで離れた席だったから、何も問題はなかった。 上記の特別メニューは9日まで。興味のある方は、お早めに予約を(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.11.05 16:44:22
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