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カテゴリ:Essay
<昨日のエントリーから続く> きのう、新型コロナについて日本の検査数の少なさが「感染者数隠蔽」疑惑につながっているが、さすがに今は「死者数隠蔽」はないだろう…と書いたとたん、こんな記事が。 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200308-00010011-abema-soci 死亡した名古屋市の80代男性から新型コロナ すでに公表された感染者と濃厚接触 名古屋市は8日、7日に死亡した80代の男性がその後の検査で新型コロナウイルスに感染していたことを明らかにした。 名古屋市によると、名古屋市内に住む80代の男性は7日に医療機関に救急搬送され死亡。この男性がすでに公表されている感染者との接触があったことから、新型コロナウイルスの検査を行ったところ陽性反応が出たということだ。男性が新型コロナウイルスにより死亡したかどうかは分かっていない。 これは大問題だと思うのだ。 まず、「すでに公表されている感染者との接触があったので、検査を行った」ということは、感染者との濃厚接触がなければ検査されず、通常の肺炎として処理されていたことが過去あったであろうことを疑わせる点。 また、「新型コロナウィルスにより死亡したかどうかは分かっていない」として、コロナ死にカウントされていない点。死因が公表されていないから断言はできないが、これまでの症例を見ればコロナ死かどうかまったく「分からない」なんてことはないのではないか。 緊急搬送され死亡、そして検査という流れを見れば、新型コロナでよくある急激な症状悪化としか思えない。疑わしきは罰せずで、コロナ死に入れなければ、それこそ韓国メディアがはやし立てる「隠蔽」になってしまう。韓国紙は大喜びで報道するだろうし、NYタイムズだのBBCだのも、「名古屋でこんな例があったにもかかららず日本は『新型コロナウイルスにより死亡したかどうかは分からない』として死者数に入れなかった」などと、針小棒大に書き立てるかもしれない。 新型コロナでは、特に「死者数」を抑えることが最優先の課題だ。致死率は検査数に比例して低くなる傾向があるし、中国で見るように地域差も大きく、はっきりしない。ただどの国で何人亡くなったかというのは、その国の対策がどのくらいうまくいったかの揺るぎない指標になる。 ヨーロッパで感染者の多いイタリアは、「我が国は広く検査を行っている(から感染者が多いのだ)」と、そこをさかんに宣伝している。そういう国からすれば、検査をしないことで感染者数を少なく見せかけ、死亡後に陽性反応が出てもコロナ死を認めない国、日本は、情報操作を常に疑われる中国と大差ないことになる。そもそも一般の欧米人は、中国も日本も同じアジアで区別がつかない人が多い。 こういうことがあると、例えデータ上の死者数が少なくすんで、「日本は死者数を抑えた」と胸を張っても、「検査しないで死なせ、別の死因にしてコロナ死を隠したんでしょ」と決めつけられたら、それに対して反論するのがまた大変になる。 コロナに関しては、自国民の怒りを他国に転嫁させようとしている国が目立つ。明らかに中国武漢が起源、いや起源は中国ではないかもしれない、などとアメリカや中国はすでに情報戦に入っている。 感染者が増え、死者数が増えていけば人々の怒りはどこに向かうか分からない。比較的な冷静な日本国民だって、こういうニュースがあれば疑心暗鬼になる。 だからこそ、日本は正確な情報を発信すべき。死後に陽性が確認されて関連がはっきりしないというなら、「死後陽性確認」でも「疑わしい症例」でもいい、別項目を設けて公表すべきだろう。 3月11日の追記 以下のニュースによると、上のニュースの方とは死亡日が違うので別人のようだが、死後に陽性判定されてコロナ死にカウントされた症例はあるということになる。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56646890Q0A310C2000000/ 名古屋市は10日、新型コロナウイルス感染者2人の死亡を確認したと発表した。遺族の意向などとして、いずれも年代、性別を明らかにしていない。1人は既に公表済みの感染者で、もう1人は10日に死亡後、遺伝子検査で陽性が判明した。 市は10日、このほかに50~90代の男女9人の感染を新たに確認。愛知県も40代の男女3人の感染を確認した。いずれもこれまでに感染確認された人と接触があった。愛知県内の感染確認は計99人(うち3人が死亡)となった。 市によると、死亡後の検査で判明した1人は、7日に発熱があり、医療機関に救急搬送され入院。9日に医師から帰国者・接触者相談センターに遺伝子検査について相談があった。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.03.11 05:30:55
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