万雑681_中臣氏・藤原氏の系譜で万葉集に歌がある人(藤原麻呂)
次は、藤原不比等の四男の藤原麻呂(藤原;京家の祖)で万葉集に歌が3首(522~524)あります。
大伴坂上郎女(大伴安麻呂の娘、大伴旅人の異母兄妹、一時期藤原麻呂の恋人)に贈った歌3首;
522_「娘子らが玉くしげなる玉櫛の神さびけむも妹に逢はずあれば」
※_「娘さんたちの美しい櫛箱にしまってある櫛のように、私も古びたことだろうな。あなたに逢わずにいるので」という歌です。
523_「よく渡る人は年にもありといふを何時の間にそも我が恋ひにける」
※_「辛抱強く年月を過ごす人は、一年でも逢わずにいるというのに、いつの間に私は堪え切れずに、恋しくなってしまったのか」という歌です。
524_「蒸し衾なごやが下に臥せれども妹とし寝れば肌し寒しも」
※_「カラムシの柔らかな夜具の中に寝ているけれども、あなたと寝ていないので、肌が冷たい」という歌です。
藤原宇合の歌は、この3首で終わりです。
<記事>
中臣氏;
中臣東人(済)、中臣清麻呂(済)、中臣宅守(済)
藤原氏;
藤原鎌足(済)、藤原房前(済)、藤原宇合(済)、藤原麻呂
藤原光明子、藤原仲麻呂、藤原豊成、藤原永手、藤原八束、藤原清河
藤原宿奈麻呂、藤原広嗣、藤原久須麻呂、藤原執弓、藤原郎女
藤原夫人(円方女王)、藤原部等母麻呂、藤原武良自藤原広嗣
<備考>_中臣氏・藤原氏系図(改_3)
以上