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カテゴリ:映画
アニメーション映画の新しい可能性を拓いたと思える1本に出会った。養護老人施設でのエピソードを描いた2011年のスペイン映画「しわ」である。
銀行員だった律儀な性格の主人公は、認知症の症状が出てきたため養護老人施設に預けられる。その施設にはお金にうるさく抜け目のない同室者のほか、アルツハイマー症の夫とその夫をかいがいしく世話をする妻、記憶が若い頃の特定の場面で止まった品のよい老婆など、さまざまな人たちがいる。 主人公はある日、自分がアルツハイマー症であることを知ってしまう。徐々に症状のすすんでいくその彼のために、同室者はある行動に出ていく。 エピソードともいえないエピソード、それぞれに思い出と過去を持ち、認知症の程度と進行具合によりさまざまな行動をとる老人たちの、それなりに自立した日々の暮らしが淡々と描かれていく。 ほとんど唯一といえるような事件は、吝嗇に見えた同室者が実は思いやりのある人間だったことがわかるある企てだが、それも何か「いいこと」として描かれているわけではない。こういう老人もいるという例にすぎない。 短編アニメーション映画祭などはときどき行くが、これといった作品に出会うことは少ない。しかしこの作品は、表情の乏しい認知症の老人たちを描く最善の方法がセルアニメであることを証明したという点で画期的だ。表情の乏しい老人にもかつて美しい思い出に満ちた充実した人生があったことを伝えるのは、生身の(認知症の)老人の実写では不可能だからだ。 表情が乏しい、まさにそれゆえに、こうした老人たちの存在感が強く感じられるのには、新しいリアリズムの誕生あるいは創造という讃辞すら贈りたくなる。 ところで、アルツハイマー症に関しては研究がすすみ、予防と治療の両面で画期的な成果が上がりつつある。 最終糖化産物という原因物質が特定され、それは高温で調理された糖質やタンパク質の長期間の摂取によるということまでわかっている。 1980年代の反原発運動は、料理法がテーマになっていた。着工時や稼働時などには大規模なデモや座り込みなどが行われたが、そこに至るまでは大量生産・大量消費の現代文明を生活の現場から変えていくことが試行されていた。 地産地消はもとより、できるだけ生に近い状態で、省エネというか加熱を最小限にする工夫を共有していた。 そこで学んだのは、料理に油を使わないこと、焼いたり揚げたりするよりは蒸すか煮る、生で食べられるものはできるだけそのままということだった。 こういう食生活を送っていればアルツハイマーになる確率は極端に減る。 1980年代に20歳以上、つまり自立した思考ができる年齢でありながら反原発運動に参加しなかったような、あるいはフライドポテトのようなジャンクフードを好む人間の多くは、これから続々とアルツハイマーになっていくということだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
June 18, 2014 07:40:57 PM
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