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テーマ:犬・ネコの健康(628)
カテゴリ:猫ホスピス
出会いは、6月14日。 管理番号4-17。 エイズ&白血病、 ダブルキャリアの仔。 それが、 「リン」という猫でした。 「リン」最期の場所が、 このお部屋…。 その事も含め、 自分の運命全てを「リン」は、 気付いているのだな…と、 感じました。 白血病ネコ専門預かりさん、 副代表の家は、もういっぱい。 そして・・・ 「リン」は、腎不全末期だったので、 管理が必要でした。 どうする? 「リン」レスキューを諦める? どうする? 「リン」を見なかった事にする? ・・・保護家の子達を守るために、 「リン」を見殺しにする? そんな事を考えている自分の頭、 思考・・・ なんとかして抑え込まなきゃ! 自分の心の強さとの戦いでした。 6月20日、「リン」レスキュー。 「リン」のレスキューは、 その他大勢の1匹でした。 「リン」は、私の6畳パソコン部屋で 保護する事になりましたが… パソコン部屋には、 風邪治療中の子猫達が居たのです。 白血病を、子猫達に絶対に感染させないよう、 免疫力低下してる「リン」に風邪を感染させないよう、 徹底した管理が必要になりました。 この部屋に入れるのは、 経験と知識を積んだスタッフのみ。 部屋の清掃は、出来るだけ私が担当する。 色んなルールを決めてのスタートでした。 リンちゃんには、歩き回る元気すら、 もうありません。 リンちゃんの世界は、 この小さなケージの中だけでした。 沢山の猫を抱えている私達の施設、 「いのちのはうす保護家」。 腎不全末期の仔、 神経麻痺の仔、 病気治療中の仔、 免疫力のない子達が、多くいます。 保護家の子達を守るためにも、 白血病に感染させないためにも、 リンちゃんと触れ合う時間は、 「朝の掃除の時のみ」 そう決めていました。 たった1時間。 たった60分。 リンちゃんは、 頻繁に吐血していました…。 それなのに・・・ 日に日に元気になっていくのです! 某メーカーのウェットフードのみ、 好んで食べてくれていました。 でも、リンちゃんの目の前で パウチを開封してお皿に入れないと、 なかなか食べてくれない。 とても賢い子だったから、 その他大勢の子達の 「ついでに持ってきた」ではなく、 「リンちゃんのためだけに持ってきたんだよ」 が、伝わらないと プイッとすねてみせるのです。 たまに忙しくて、 その行動を忘れてしまい、 「ついでに」ご飯を運んでくることもあったけど、 やっぱり食べない。 「あ、そう!食べんなら良いよ~」 そう言って部屋を出て、 しばらくして戻ると… お皿は空っぽになっているのです。 私がいない間に、コッソリ食べてたリンちゃん(笑) リンちゃんがケージから出れるのは、 24時間の中で、たったの60分。 遊びながら体を洗浄したり、 ブラッシングしたり、 私の中で、最も大切にしていた時間。 トイレの段差だけでも大変そうなのに、 リンちゃんは、なぜ、 元気に見えるんだろう? 一日中この小さな中で 過ごしているだけの日々なのに… 接していくうちに リンちゃんの感情が伝わりました。 リンちゃんにとって、 この「60分」が、 生きる全てだったんです。 生きる気力となっていたのです。 だけど・・・ その時間と同時に、 残酷な時間も進んでいる現実。 リンちゃんに 残された時間はあと僅か… スタッフとボランティアさん達に、 こうお願いしました。 「最期にリンちゃんをケージから出してあげたい。 このパソコン部屋でフリーにしてあげたい!」 スタッフとボランティアさん達は、 リンちゃんのために、 犬猫達の部屋の配分を考え、 遅くまで施設に残って、 リフォームに動いてくれました。 リンちゃんは、自分の事を 「保護猫」「その他大勢の1匹」 そう思っていませんでした。 リンちゃんは、自分の事を「山下リン」だと… 保護猫ではなく、飼い猫… 私のパートナーだと思っていたのです。 だから、 私の相棒カムカムの側から 離れませんでした。 犬のように、カムカムの指示に従い、 カムカムと同じ場所で、 私を見ていました。 私は、7/15のイベントの準備に 追われる日々が続きました。 保護家に居ても、 パソコンのモニターしか見てない日々。 「私…何やってんだろう? この子達の目すら、最近見てないよね? 何のためのイベント? 誰のためのイベント? 伝える側の私がこんなんじゃ、 本末転倒やん!」 イベント前日、 ふと、そんな自分に気付き、 情けなくて涙が止まらなくなりました。 リンちゃんを見ると… 嬉しそうに駆け寄り、 側から離れません。 「やっと目を合わせてくれたね~」 そんな感情がスッと 伝わってきたのです。 ここ数日甘えるのを我慢してた… そんな感じがしました。 「ごめんね、ごめんね」 リンちゃんに 泣きながら謝りました。 そこまで気付いけてたはずなのに・・・ 7/15イベント当日の朝、 バタバタと用意してたので、 リンちゃんに伝えていませんでした。 今日は、留守にするからね… という、大事な事を・・・。 7/16夕方・・・ イベント終了直後、 私は、疲労で倒れました。 当面、保護家を休まざるを得ない、 そんな体になっていました。 翌日7/17の夕方・・・ 副代表から、連絡がありました。 「リンちゃんの死期がそろそろかもしれない」 副代表は、 リンちゃんを自宅に連れて帰ってくれました。 添付されたりんちゃんの写真から、 「母ちゃん・・・」 そんな風に聞こえてくるようでした。 それでも私は・・・
ベットから起き上がる事が 出来なかったのです。 いいえ、しなかったのです! ~後編に続きます~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年07月25日 19時29分57秒
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