8442087 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カレンダー

プロフィール

xxゆみxx

xxゆみxx

カテゴリ

フリーページ

バックナンバー

2024年04月
2024年03月
2024年02月
2024年01月
2023年12月

お気に入りブログ

マイペースな金柑。 New! ぴぃ1122さん

寝袋っちゃう紙袋(… New! さくらもち市長さん

おてんばのラン 広海163さん

2023年08月01日
XML
カテゴリ:猫ホスピス


​​​​​「美猫」という言葉しか出てこない‼︎



そんな美人さんと出会ったのは
愛護センターのバックヤードだった。



茶トラでは珍しい女の子。
(8:2の割合でオスが多い)
気品あるふわふわ長毛種​で、
生後三ヶ月の子猫。
性格も良くて完璧な美人さん。



私があえて手を出さずとも、
愛護センター内で
譲渡希望者が殺到する
容姿も年齢も性格も
全てが完璧で、
幸せが保証された美人さん‼︎
ただ…
左眼球があって
エイズ陽性でなければの話。



当時(2017)の愛護センターは、
心身のハンデやエイズ陽性の
一般譲渡は困難と
判断されていたため、
急遽レスキューすることになった。

​​命名「キナコ」​​



キナコは、物怖じしない
やんちゃな女の子だった。



私の相棒犬カムカムを
お父さんのように慕い、



八千代さんの子犬と共に
社会性を学んでいった。



2018年1月28日
​保護猫カフェ「HOGOYA」オープン‼︎​



キナコも、エイズ陽性組「ラムネルーム」で
カフェデビューを果たした。



どんどんご縁がつながり、
卒業していく仲間たち。

キナコは、誰よりも人懐っこくて
甘えん坊なのに、
なんでご縁がないのだろう?



譲渡につながらないのが
あまりに不思議すぎて、​​​​

​「キナコは誰か待ってるのだろうか?」
何か意味があるのではないかと
色んな視点で考えたりもした。



キナコは、新入り猫に対しても、
いつも優しく迎え入れてくれる。
キナコの唸り声や、威嚇声や姿を
私たち誰ひとり、
一度も見たことがない位
人間にも猫にも優しい子だった。



2020年、保護猫カフェは、
コロナ感染症対策のため
入店制限をかけた。

来店者さんがピタリと止まった。



猫たちは当然、
理由なんて分からない。
ただただ、窓の外を眺めては
淋しそうにしてた…



どんなに蔓延防止策を
取っていたとしても、
「カフェの猫たちに会いに来て下さい」
言える状況じゃなかった。
世論が許さないだろうと…

だけど、批判覚悟で記事を書いた。
​​「保護猫カフェの​​​​を書かなきゃ!」​​

何を言われても構わない‼︎…と、
記事を書くきっかけになったのが

「キナコ」だった。




コロナの影響で
来店者さんがいなくなったことで

キナコの心は壊れていった。

人間が大好きすぎるキナコにとって、
人間に甘える…という行為が
生きるための原動力だったのだと
このとき初めて気付かされた。






窓際でたたずむ事が多くなったキナコ…

ずっと外を眺めていた。
誰かが来てくれるのを
ずっと待っているかのように…

​​​


とうとうキナコは…
ストレスからの免疫力低下で
口内が真っ赤にただれはじめた。



サプリや薬…どんなに手を尽くしても
悪化していくばかり…
最後の手段、
「全臼歯抜歯」にふみきった。


誰かが来てくれるのを、
窓の外を眺めながら
ずっと待ち続けたキナコのためにも…と、
「保護猫カフェに来てください」
批判覚悟で記事を書いたものの、
結果、私の力不足で終わってしまった。

​​​​​​​​​​​


抜歯したキナコは、
ようやく口内の痛みから解放されたが…



昨年11月14日
「アミロイド症」

異常化したタンパク質が
腎臓と肝臓に沈着して
機能障害を引き起こす
完治することのない病気。

症状を軽減する対処療法しか
残されていない…

​「余命6ヶ月」​



キナコは、猫カフェを引退した。



卒業ではなく引退…

悔しかった。
自分の不甲斐なさに腹が立った。



キナコは…
終の住処になるであろう
「療養の家」に引っ越してきた。



「療養の家」とは…
余命短い猫達に、
せめて最期位は
「家庭猫」と同じような
穏やかな時を過ごさせてあげたい…

自己満かもしれないけど、
そんな思いのある「家」



キナコは
これから徐々に弱っていき、
最期を迎える…
そう思っていたけど、



「家庭猫」の生活がお気に召したのか、
徐々に元気になっていくキナコ。



​余命3ヶ月…​​

残された時間は、
この時すでに3ヶ月を切っていたが、
保護猫カフェ「ラムネルーム」に
キナコを戻した。



キナコが住みなれた
「ラムネルーム」
仲良しだった仲間たちと
最後にもう一度だけ
会わせてあげたかった。



キナコが元気な今のうちに…
いや、今しかない‼︎



どうか、今の元気が
一日でも長く続きますように…



その願いも虚しく、
キナコの体調は直ぐに悪化した。

仲間たちとの時間は
あっという間に終わりを告げた。



もう二度と帰ってこれない
住みなれた「ラムネルーム」、
大好きな仲間たちとの時間は
終わりを告げた。



療養の家に戻ってきたキナコだが…



不思議なことに…
療養の家に戻ってきたキナコは、
直ぐに体調が安定した。



療養の家に戻ってからのキナコは、
今まで以上に甘えるようになり、
常に私の体の一部に触れてないと
不安がるようになった。



住みなれた我が家以上に、
猫仲間以上に、
人間が大好きなんだろうな…

キナコが一番必要としてるのは、
人間との時間なんだろうな…



キナコが求める強い人間愛が
あまりにも強すぎて、
私一人では太刀打ちできず、
ボランティアさんや私の家族にも
協力を要請する程だった。



キナコには無理だと言われてた
夏を迎えた。

余命半年の半年を乗り越え、
8ヶ月目に突入できた‼︎



もしかして…
奇跡が起きるんじゃない?

そう喜んでた矢先…
キナコは急激に弱っていき、
本当のターミナル期に入った。



そんな状態の中で私は、
二泊三日の出張に向かう。

ターミナル期のキナコを置いて…



だけど、自信があった。

キナコは必ず
私の帰りを待つだろうと…。



私が出張で不在の夜は、
ボランティアさんが
療養の家に泊まり込んでくれた。
キナコに寄り添い続けてくれた。



人間が大好きなキナコにとって
どれほど至福の夜だったろう…

出張から帰宅する直後、
キナコの容態と写真を
スタッフがLINEしてくれた。



まだこの体勢ができるし、
歩いての移動もできてるってことは、
あと数日は生きれる‼︎

そう思いながら帰宅早々
部屋に入ると…



キナコは、
私の姿を確認すると同時に、
歩くことも、座る力さえも
一瞬にして失った。



本当に待ってたんだ…
私が帰るまで
待ってくれたんだ‼︎

自信が確信になると同時に、
キナコと約束を交わした。



「いつでも良いよ。
どこでも良いよ。
あんたが望む場所とタイミングで
逝って良いんだからね。
母ちゃんはずっとここに居るからね」…って。



水を飲もうとするが、
体が水分を拒否していた。
体が脳に指令を出していたのだろう…



人も犬も猫も、
苦しまずに最期を迎えるために
体が準備を始める。
体内に水分が残ってると
苦しみながらの最期だから…



体が「死」に向かっていると、
私たちがイメージする
喉の渇きへの飢えや
苦痛は感じなくなる。

「枯れて死ぬ」とは…
緩やかに意識が遠のいていき
本当の意味での
「眠るような最期」を迎えられる。



AM4:00
キナコは昏睡状態に入った。
​​​​​​​​​​​

あと数時間で
キナコの時間が止まってしまう…

​​​​
キナコの体に寄り添いながら
一緒に最後の夜を過ごした。



7月14日
AM 8:45

キナコは昨夜と同じ体制のまま、
昨夜と同じ穏やかな表情のまま、
穏やかな最期を迎えた。



あまりに静かすぎて、
ただ眠ってるだけのように感じた。
そのうちむくっと起きてきて
膝に乗ってくるんじゃないか?
いつものように…



だけど…
花に囲まれたキナコを見て、
「やっぱあんた死んだんやね」
ふと発した自分の言葉に驚いた。
今、ようやくキナコの死が
実感できたんだな…と。



キナコという猫は、
「保護猫カフェ」で
ファンも多い人気者だった。



たくさんの人に愛され、
想われ可愛がられたキナコは、
幸せな猫だったと思う。



だけど…
私の力量が足りず、
キナコが本当に欲しかった
「家族」「お家」…​​​

​​キナコの一番の幸せを、
叶えてあげられなかった。



「家庭猫」じゃなく、
「保護猫」という肩書きのまま
逝かせてしまった…。



人も犬も人間も大好きで
誰とでも仲良くしてくれる
こんなに性格の良いキナコ。
エイズで片目がない…
たったそれだけで
5年間も譲渡できなかった私は、
おかしすぎる‼︎ありえない‼︎

「いのちのはうす保護家」らしさとは?​​

​​​​​​​​「保護猫カフェ」の在り方とは?
最後の最期にキナコが
私に教えてくれた。

​「保護猫カフェ」を辞めよう…​

「保護猫カフェ」という名称を
手放すことを決めた。



私達らしいやり方…
「陰」をあえて隠さない
ありのままのやり方で
新しく生まれ変わろう‼︎
キナコ葬儀の日に
みんなに告げた。

キナコの前で宣言した。
キナコの前で誓った。






「保護猫カフェ」閉店詳細は、
後日ブログにて書きます。

「保護猫カフェ」とは
違う形にはなりますが、
保護猫カフェの時と同様
猫たちに会いに来て頂けたら…
と思ってます。






​タマ、​

​キャシャ、​

​ビク、​


キナコが
みんなのところに行きました。

母ちゃんまたやらかしました。
あんたたちの時と同じだよ…
キナコも家族を見つけてやれんかった。

ごめんなさいやけど、
キナコのことを
よろしくお願いします。





​​​​​​​​​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023年08月01日 18時36分45秒
[猫ホスピス] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.