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テーマ:猫の病気と治療日記(296)
カテゴリ:猫ホスピス
神経性下半身麻痺「マーコ」との出会いは 愛護センターだった。 ![]() レスキューしよう! それ以外の選択肢は何も思い浮かばない。 ![]() マーコは、 お尻を引きずりながら歩き出した。 職員さん一人一人と、 同志である猫達の前に座った。 ![]() その光景は 「挨拶まわり」だと感じた。 ![]() 「おもしろい仔」 それが、マーコの第一印象だった。 ![]() 人間大好きなマーコは ハンデのある保護猫カフェ内 「いちごルーム」にデビュー。 愛護センターからレスキューした子達は みんな性格が変わる。 良い意味での「裏切り」 ![]() マーコの性格も変わった。 それは悪い意味で…だった。 初対面でマーコから感じた 「おもしろさ」 それが一切感じ取れない。 何が原因なのか分からないが、 この環境がマーコには 合わなかったのだろうか…? 原因は分からないけど、 悪い方向で動いたことは確実だろうと マーコに申し訳ないと思った。 だけど・・・ ![]() 前にグイグイ出るタイプじゃなく、 控えめな性格。 むしろ、今が本当のマーコなんだと なんとなく分かったような気がした。 愛護センターから出るための マーコなりのアピール、 ひと演技したのだろうと 鋭い眼球さえも微笑ましく思えた。 ![]() ある日・・・ マーコに「血尿」が出た。 半身麻痺の仔には 珍しいことではない。 診察台ではタイミング悪く、 マーコの膀胱が空っぽで 尿が採れなかった。 ![]() 症状からすると… おそらく細菌だろうと 診断結果が出て その方向での治療が始まった。 これが、 私の判断ミスへの始まりだった… 「やっぱ…なんかおかしいよね?」 マーコは再検査を受けた。 「腎不全」ステージ3 マーコが半身不随でなかったら、 ステージ2で気付けていただろう… これまで多くの半身不随の犬猫を抱え、 症状ひとつひとつの原因や答えが 自ずと分かるようになっていた。 このように、 これまでプラスに動いてきた 経験、知識、知恵は、 固定観念へと繋がり邪魔をした。 ![]() 正常な判断を狂わせる結果となった。 「もう何も気負わなくて良いんだよ… 何も隠さなくても良いんだよ…」 マーコは・・・ 最期を迎えるお部屋でもある 私のパソコン部屋へと移動した。 ![]() 「誰かに側にいて欲しい」 その想いが伝わらなかった。 「ある程度そっとして欲しい」 一人になりたい時間が欲しいと マーコからそう感じた。 早朝~お昼の数時間、 マーコを一人にするようになった。 このような判断、いつもならば 自分の胸が痛む行為であるはずなのに、 心は全く動じなかった。 なぜなのか理由すら分からなかったし、 その理由を模索する気もなかった。 むしろ、冷静だった。 ![]() 更に言うならば・・・ マーコの世界に私は居なかった。 どこにも居なかった。 自分が第三者のように感じた。 いいえ、 傍観者に近かったのかもしれない。 ![]() マーコに話しかけてる「声」 マーコに触れてる「手」 マーコを見つめる「目」 マーコに何をすべきか模索している「姿」 私が見ていたのは「人」だった。 マーコに異変を感じ、 「マーコの再検査、明日じゃ遅い気がする!」 休みを潰してまでも 病院に飛んでくれた副代表に 何度もしつこくお礼を言ってる自分がいた。 やはり意識が向いていたのは マーコの方ではなく 「人」だったのだろう。 なぜなのか? そのときも答えは見つからなかった。 ![]() ハッキリ分かっていたのは、 急激に坂道を下り始めたマーコ。 マーコはステージ4に入ったな… という感覚だけだった。 7月5日の夕方、 「マーコが肩で息してるよ… ゆみさん、なんで冷静でいられると?」 副代表は泣きながら マーコの身体に点滴の針を刺した。 「ゆみさんお願い!いつものように指示を出して!」 副代表の心の声が聴こえてくるくらい 深刻な状況だと気付いた。 それでも私は笑顔でこう答えた。 「ん~…なんでやろうね~分からんっ(笑)」
![]() 私は「リスペクト介護アドバイザー」だ。 私は「看取りコミュニケーター」だ。 これまで私は、その仔に合った介護法、 看取り期には事細かく指示を出していた。 その私が一切口を出さない… スタッフはどんなに不安だったかと思う。 だけど…マーコに関しては 何も言わなかった。 正確には、 指示を出す気持ちが全くなかった。 なぜなのか? それも理由が分からなかった。 ただ、時の流れに沿うよう、 ごくごく自然なことにすら感じていた。 なぜだろう? 私が変わってしまったのだろうか… 約200匹の「命」を 介護して看取ってきた。 それが死への麻痺だろうか… どんなに考えても 答えはみつからなかった。 7月6日を迎えるまでは… ※長文になるので後編に続きます。 ![]() ▼宮崎銀行 加納支店 普通口座104601 動物たちの未来のために代表山下 由美 ▼郵便貯金 17310-434961 口座名義:イノチノハウスホゴヤ ▼〒880-1222 宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581 いのちのはうす保護家 090-4484-5165(9:30~22:00 担当フジイ) ▼「いのちのはうす保護家」HP ▼「ハンデのある猫達の保護猫カフェ HOGOYA」HP ▼「いのちのはうす保護家」公式ブログ ▼「いのちのはうす保護家」Facebook ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Facebook ▼山下由美代表Facebook ▼犬猫介護アドバイザー &犬猫看取りコミュニケーターInstagram ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Instagram お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年07月21日 16時52分20秒
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