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カテゴリ:災害・防災
東北地方整備局は30日、農林水産省や宮城県、仙台市と連携して製作した同県沿岸域の浸水リスクマップを公表した。
震災に伴う地盤沈下や被災した排水ポンプの稼働状況を踏まえ、大雨が降った場合の浸水範囲をシミュレーションした。 震災後、仙台湾沿岸は広範囲で地盤沈下し、浸水しやすくなっている。マップは新旧の北上川や定川、鳴瀬川、名取川、砂押川、阿武隈川など、仙台湾に注ぐ各河川の河口付近を対象に策定。 24時間雨量100ミリと200ミリが降った場合の浸水域を想定した。 シミュレーションには、排水ポンプ場の最新の復旧状況を反映させた。 浸水の深さは5段階で示し、高潮の影響は考慮していない。 石巻市の定川から旧北上川の河口付近で、200ミリの雨が降った場合のリスクマップは地図上の通り。 広範囲で地盤沈下した石巻市渡波はおおむね50センチ以下の浸水、湊町や南浜町では50~100センチの浸水を予想した。 名取川から砂押川にかけた河口付近(仙台、多賀城両市、七ケ浜町)で雨量200ミリが降った場合=地図下=は、沿岸5カ所の排水ポンプ場が稼働を停止し、仙台東部道路東側の広い範囲で浸水すると予想。 深い場所で水深100~150センチに達するとみられる。 マップは同整備局のホームページからアクセス、閲覧できる。 一方、整備局は30日、梅雨や台風シーズンを前にした浸水対策として農水省、宮城県、仙台市と協力し、沿岸被災地に浸水センサーを設置する方針も明らかにした。 センサーは石巻、東松島、仙台、名取、岩沼、亘理、山元の7市町の計15カ所に設置。7月に運用を開始し、10分ごとにデータを電子メールで配信する。 メールは関係機関のほか、一般市民も登録できる。 (河北新報より) -------------------- 復旧が進まないまま本格的な雨期を迎える被災地。 浸水や土砂災害への警戒が呼びかけられている。 特に注意すべきは、全てにおいて今までとリスクが異なる点だ。 度重なる地震で斜面が緩んでいれば、想定よりも少ない雨量でも崩壊の可能性がある。 特に谷埋盛土部は陥没や地滑りに警戒したい。 低地は地盤沈下により、浸水リスクが高まっている。 浸水災害を決める要因は、標高や周囲との比高、排水ポンプのポテンシャルや水路・地下排水管の容量に依存する。 地盤沈下は土地の標高を下げているばかりでなく、周囲との相対的な高さの関係も変化している可能性があり、水の流れはこれまでとは違ったものになる可能性がある。 排水ポンプはまだ全てが復旧しているわけではないので、処理能力は通常より割り引いて考える必要があるだろう。 震災で変わってしまった土地は、水害に対する防御力を弱体させている。 避難や対策についても今までとは違う感覚を求められる。 リスクマップはあくまでもシミュレーションの結果であって固定値ではない。 非常に有益なマップであると思うので、しっかりと読図して有効な使い方がされることを祈りたい。 また、高潮の影響はこのマップに反映されていないので、その点にも注意が必要だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.06.01 00:17:17
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