悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなる
ジェームズ・ランゲ説という理論があります。悲しいから泣くのではなく、泣くことによって悲しくなるという理論です。刺激に対して、身体が反応して、それが意識化されて、感情が生まれるという理論です。一般的には、目の前の出来事に接して、悲しいという感情が湧き上がってくると考えます。ジェームズ・ランゲ理論では、それは逆だという。泣くという行動が先で、それに基づいて悲しいという感情が発生しているというのである。ここで注目したいことは、泣かなければ、悲しいという感情が強化されることはないという考え方です。辛いときに、不平不満やグチを口にする。理不尽な仕打ちに対して怒りを爆発して相手にけんかを売る。辛いときに気分本位になってすぐに逃げ回る。このような対応をとると、マイナス感情はすぐに発火する。そして益々燃え上がってくる。逆に短絡的で破れかぶれの行動に走らなければ、マイナス感情が強化されることは少なくなる。神経症に陥ると、不安や恐怖にとりつかれて取り除こうとするか逃げ回ります。不安や恐怖に追い掛け回されて、下手をすると精神交互作用でアリ地獄に落ちてしまいます。アフリカのサバンナで小動物が肉食獣に追い掛け回されるようなものです。ですから軽率な行動は、少しの間耐える、我慢することが大切になります。この理論は、辛いときに感動映画、音楽などを聴く、楽しいことや笑うという行動をとることで、気分転換が図れるということになります。そのための方法として、撮りためたDVDやお気に入りの音楽を聴く。それから収集した川柳、都々逸、面白小話を見ることが有効です。このブログでも時々息抜きとして紹介しています。過去の投稿から一つ面白小話を紹介します。春風亭昇太さんのところへ、東大卒の新人がやってきた。これが世間知らずのヨタロー。学校の勉強と社会での常識は比例しないようだ。先日も楽屋で、持病持ちながら高座に上がっていた桂歌丸師匠から、 「ちょっとタクシーを呼んでおいて」と頼まれた。「師匠、タクシーが来ました」と言えばいいところを、 「師匠、お迎えがまいりました」と大声で言っちゃった。天国お迎えレース第一位とまで言われている歌丸師匠に、このセリフ。楽屋中が凍りついたそうだ。あるイベントのサイン会でアントニオ猪木と一緒になった林家木久扇師匠。サイン会となり、色紙に座右の銘を書いてくれと頼まれた。「入魂」と書いていくアントニオ猪木さん。その横で我らが木久扇師匠、 「入金」と書いていた。「向こうへ行ってくれ」と、猪木さんから怒鳴られたらしい。いつも寄席で爆笑をとっているのか、三遊亭歌之助さん。韓国語の覚え方というのがあって、 「サンドイッチ」はこういう。「パンニハムハサムニダ」確かにパンにハムがはさんである。ハサミを見たら、 「ヨーチョンギレルハサミダ」