自分の生育過程を振り返る その1
親が子供に対してどのように対応したのかということは、子どものその後の人生を大きく左右することは分かっている。高校を卒業して親の元から巣立ち、自分の人生を自ら切り開いていってくれれば御の字だ。ところが現実は厳しい。不登校、いじめ、家庭内暴力、非行、盗み、無気力、心身症、神経症、孤独、自殺など問題行動が後を絶たない。対人恐怖症で苦しんで、人生の半分を棒に振った人間として考えていることがある。今からでも遅くはないから、子どもと親のかかわり方について学習してゆきたいということだ。それはなぜかというと、第一に孫の生育にかかわるからである。自分の子どもにもヒントを与えることができる。子育て真最中の人にとっては、先人の知恵は役に立つことだろうと思う。次に死ぬまで人間関係は続くのであるから、今後の参考に供したいのである。自分の育ってきた経過をたどることによって自覚が深まる。つまり自分の生育過程のどこに問題があったのかがよく分かる。問題点がはっきりすれば、多少なりとも対策が立てやすい。リセットして一から生き直すことはできないが、生き方に修正を加えることはできる。我々は苦悩を背負ったまま、これから先まだまだ生きてゆかなくてはならないのだから。