カテゴリ:森 絵都
今日、人間ドックに行ってきた。 若くないので、体メンテナンスも大事。 家族の不調時には、すぐに病院に行くように勧めるけど、自分の時はついつい通院を先延ばしにしてしまいがちだ。 今日はバリウム検査も選べたが、思い切って胃カメラを飲む。 胃カメラは昔から苦手なんだけど、自分でも検査中に映像を見て確認できるから状況がよく分かる。 結果、胃の幽門狭窄部に鳥肌状の萎縮性胃炎とポリープが認められ、今後も定期的に検査するよう勧められる。前回の検診時には明らかになかった胃壁像で、私もあれ?と思った。 この型の胃炎は、そうでない箇所と比べ、割りと高率で胃がん発生するらしく、今後も注意するようにと言われた。必要以上に憂慮することはないが、油断せず経過を追ってゆこうと思う。 さて、前置きが長くなったが、ドックの待ち時間に本を一冊読んだ。森絵都の「カラフル」。 以前、中学生の娘に買ってやった本だ。 自分の人生を生き直す物語。 さらりとした会話調でSTORYは進むが、テーマとなっていることは重厚で骨がある。 十代の子供の視線で、自分に与えられた人生の意味を見つめ直す。 私も子供のとき、裕福な家庭の子供が羨ましかったり、恵まれた才能・体格・容姿を持っている友を妬んだり、自分の育った家庭や家族になんとなく不満を感じたりってことがあった。人生って、生まれた時点である程度決まってしまっていて変えられないものも確かにある。 生まれる国も場所も性別も環境も天性の個性なんか皆そうだ。幸運な人もそうでない人も確かにいる。 若さと経験の無さ、知見の浅さからくるとても未熟で視野の狭い考え方に気付けず、独りよがりになったりもした。 年を重ね、いろいろな経験を積み、人の弱さも自分の無力さも見えてきて、自分だけでなく他人も皆同じどこかしらに傷を負っているってことに気付いた時、ようやく楽になれような気がする。 子供の持つパレット、彼らの思い描く世界はまだまだ幅が狭い。自分の人生を歩んでいくうちに扱える絵の具の色も増え、世界が開け見みえなかったものが見えるようになる。描ける絵の幅もおのずと広がっていくだろう。扱える色のトーンも限りなく広いことに気がつくはず。 カラフルっていうタイトルもいい。大人が読んでも充分楽しめるいい話だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 25, 2007 05:06:51 PM
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